軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

769話 戦闘動画?

「ジークフリード!」

「ユート君。いいボス戦日和だね」

「お、おう? そ、そうだな?」

ボス戦日和? まあ、晴れてるけど。ジークフリードも意外と戦闘民族だよな。

俺たちはこれからブラッドオーガに挑むべく、再び集まっていた。メンバーは変わらず、騎士組と俺だ。

違うのは事前準備の本気度だろう。騎士たちは全員、前回と装備が違っていた。どうやら闇属性に耐性のある装備を用意したらしい。

「これ、おすそ分け」

「重箱かい?」

「マグロ料理が詰め込んであるから。寿司以外は結構いい出来だと思うぞ?」

遠慮するジークフリードにマグロ料理を押し付ける。準備任せっぱなしにしてしまったので、せめてこれくらいはね。

レーたちにも重箱を渡しつつ、中身の説明をする。寿司以外は高品質だし、バフも強い。ただ、なぜか寿司だけは品質が4と低めだった。よくよく考えたら、握ったシャリに刺身を乗せるやり方がいけなかったのかもしれない。

まあ、リチャードとラモラックが一番反応したのも寿司だったが。

「うぉぉぉ! まじっすか!」

「人生一番の寿司だぁぁ!」

「樹精ちゃんと水精ちゃんが手作りした寿司!」

「美少女寿司だ!」

なんか気持ち悪い表情でブツブツ呟いていたけど、喜んでるっぽいからいいや。

「ユート君。こんな良い物を貰ってしまっていいのかい?」

「準備全部任せたお礼だから。でも、本当にお金出さなくていいの?」

「ふふふふ。スノウサッカーなどの情報料のおかげで、懐も温かかったですしねぇ」

「あ、あとで白銀さんの分渡しますから」

「情報屋であんな驚かれたの初めてでしたよ!」

その後、移動しながら情報料の分け前である3000万を渡された。いや、多くない? 全員分合わせたら1億5000万にもなったってこと?

いや、新エリアの情報ならそれくらい行くのだろうか? まあ、合ってるか聞いたら間違いないっていうし、多い分には文句ないのだ。

ここ数日で散財した分が半分くらい取り戻せちゃったね。

前回と同じ場所まで向かうと、再びイベントが発生した。そのまま前回と同じように岩山へと向かう。

道中、イベントについて尋ねてみる。あまり参加に前向きではないようだ。そんな暇があるなら攻略していたいという。

まあ、そういう人もいるよね。ただ、参加しないのも味気ないので、自分たちの騎獣の写真を撮って応募するつもりらしい。

「じゃあ、北の島のエリア紹介動画、俺が撮って応募してもいいか?」

「え? 北の島、かい?」

「ああ。北海の町から船でいけるあの島だよ」

「いや、僕はまだそこにいけていないから」

「あれ? そうなのか?」

ジークフリードたちは誰も北の島へはたどり着けていないようだ。北海の町での買い物をした後は、他のエリアの解放に挑んでいたからだろう。

「ユート君はいいのかい? 情報を広めて」

「え? 何が?」

「いや、いいんだ。さすがだね」

「懐でっけー!」

「ぬふふふ。さすが白銀さん!」

「こ、これがサスシロ!」

とりあえず、他のみんなもオッケーてことでいいのかね?

「これで、2つ分は決まったな。あと1つどうするかなぁ」

「エリア紹介以外は、何を撮るつもりなんだい?」

「もう撮影はしたんだけど、マグロの解体ショーだな! マグロ一匹解体して、料理したんだよ」

「そ、それは凄そうですねぇ」

「だろ?」

レーたちもそんなの見たことないって感じだし、少しは話題になりそうだ。いいね。

「ジャンルで言うと、料理と観光って感じでしょうか? であれば、残るは戦闘動画なのではないですか?」

「いやいや、何言ってんのさ。俺はレーたちと違うの! 迫力ある戦闘動画なんて無理だよ。ブラッドオーガ戦でも撮らせてくれるんならいけるかもしれんけどさ」

勿論冗談だよ? 俺自身に隠したい情報なんてないけど、騎士たちには秘匿したい情報がたくさんあるだろう。攻略組があまり動画を撮らないのも、それが理由のハズだ。

だが、レーの反応は俺の想像の斜め上を行っていた。

「ぬふふふ! それは面白そうですねぇ!」

「僕らが動画に出るのかい? 楽しそうだ」

「おいおい、白銀さんの動画に出演なんて、参ったなー」

「有名人確定案件じゃん! 活躍なんてしちゃった日には、モテモテ……!」

ジークフリードもリチャードもラモラックも、何故か乗り気だ。

「いやいや、本当にいいのか? 普通に公開しちゃうんだぞ?」

「むしろこっちこそ、いいのですか? お金払いますよ?」

「出演させてもらう料だな!」

「どんくらいかかります?」

息があってるな! まったく、皆で俺をからかって! でも、マジで撮影はオーケーってことらしい。

自分たちで撮影編集するのは面倒だけど、俺が撮るのは構わんってことかな?

「よし! みんなも騎獣たちも、格好良く撮ってやるからな!」

「おー、それはいいね!」

「ぬふふ、ハナズオウが動画デビューするというわけですね!」

「レオもバッチリ撮ってくれよ!」

「俺のグリフもな!」

因みに、リチャードの騎獣がレオで、ラモラックの騎獣がグリフだ。いや、ラモラックがグリフォンルート狙いなのは知ってるけど、その名前にしちゃって大丈夫か?

違うルートに入っちゃった時、後悔しない? まあ、自信があるんだろうが……。

「みんなやる気だね! 僕も燃えてきたよ!」

「それは良いんだけど、気負い過ぎないようにな? いつも通りでいいから」

「ぬふふふ! やってやりますよ!」

「おっしゃぁ!」

「俺はやるぜ!」

し、心配になってきた。動画を撮らせてもらえるのは嬉しいが、空回りして大きなミスに繋がったりしないよな?

だが、俺の心配とは裏腹に、騎士たちは戦闘のプロであった。さすが戦闘メインなだけあり、戦闘に入るとキリッとした顔でブラッドオーガと戦い始める。

「さあ、いくよ! 僕たちの力を見せよう!」

「ぬふふ! 今度こそ引導を渡して差し上げましょう!」

「はっはぁ! 俺が奴を倒す!」

「我が槍を受けるがいい!」

妙に芝居がかったセリフだった。いや、ジークフリードとレーはいつもこんなもんか? まあ、リチャードとラモラックも気合が入っているんだろう。

なんかチラチラこっち見てるけど、俺にもなんか言えって事?

「みんな、頑張るぞ!」

「ニュニュー!」

「ヤヤ!」

「フムー!」

敬礼を返してくれるモンスたちも、やる気だね! 準備も万端だし、今度こそ勝つぞ!