軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

768話 マグロ調理

「まずはマグロの赤身、中トロ、大トロを切るぞ。サクラは皿とかを用意してくれ」

「――!」

「で、作った酢飯を握るわけだが……」

おお! メッチャ上手くいったんじゃないか? 料理スキルのオート機能を使うと、シャリを完璧に握ってくれるのだ。

明らかに空気を含んだフワッとしたシャリが、綺麗に並べられていく。

「サクラは俺が握ったシャリの上に、切り身を載せて行ってくれ」

「――♪」

ワサビがあれば完璧なんだが、まだ見つかってないんだよな。まあ、今回はさび抜きのお寿司にしておこう。

「後は軍艦巻きだな。サクラ、この海苔を切ってくれるか?」

「――♪」

俺はその間に、巨大な中骨からスプーンを使って身を削ぎ取る。ネギトロのための中落ちを作っているのだ。

「ネギトロに、マグロユッケ軍艦も作っちゃおうかな」

「――!」

サクラが中落ちを軍艦の上に載せている横で、俺はマグロと卵黄、醤油、唐辛子を混ぜてユッケ風の具材を作った。

さらに鉄火巻きや炙り中トロなんかも作って、マグロ尽くし寿司の完成だ!

「――♪」

「お? 飾りか? さすがサクラ。良いセンスしてるね」

「――♪」

赤いマグロの寿司が並べられた大皿の空いている部分に、サクラが葉っぱや花を飾ってくれる。それだけで非常に見栄えが良くなった。

こういうひと手間でメチャクチャ美味しそうになるんだから、侮れんね。

「フムー!」

「ペペーン!」

「お、あっちもなんか完成したみたいだぞ」

「――?」

ルフレとペルカの作業台を確認すると、そこには刺身が並べられた皿が置かれていた。しかも、こちらもかなり装飾が美しい。

ペルカが出したであろう氷や、竹の籠なんかが飾り付けられ、茜大根を千切りにした赤いツマが盛り付けられている。

マグロもタダ載せてあるだけではなく、なんか十字に重ねられていたり、赤身がバラみたいになっていた。こんな盛り付け、高級懐石にでも行かなきゃ見ないんじゃないか?

「メッチャ豪華だな!」

「フム!」

「ペペン!」

とは言え、マグロの身はまだまだ残っている。というか、1割も使っていない。

「ドンドン料理を作っていくぞ!」

「フムー!」

俺が次に取り掛かったのは、マグロのステーキだ。ガーリック醤油で炒めていく。

「いい匂いしてきたぞ! デカいから、見た目は肉だな!」

「――♪」

「フムー!」

「ペペーン!」

あっちはテールスープかな? 備え付けの圧力釜に、テールの輪切りと調味料をぶち込んでいるようだ。

その後、俺たちは協力して様々な料理を作っていった。

時間が1時間しかないので、かなり駆け足だったが、それでも10品以上作ってしまったぜ。まあ、マグロはそれでも半分以上残っているけど。

最後に余った数分で、さらに寿司を作りまくっちゃったぜ。ルフレの握り速度が凄まじかった。さすが料理担当だ。

チーン!

「よし! 兜焼きも時間通りにできたみたいだな!」

「フムー!」

「美味そうだ!」

「フム!」

「ちょ、待て! そんな重そうなの渡されても! ド、ドリモ! 助けて!」

「モグ」

ドリモさーん! ヤレヤレって感じ出しながらもちゃんと助けてくれるドリモさん好きです!

「ルフレ、俺は貧弱なんだから! 重いもの持たせちゃダメ!」

「フムー……」

こんがりと焼けたマグロの兜焼きを一番大きな巨大皿に盛りつけたら、マグロ料理のフルコースが完成だ。

テーブルに大量の料理が並ぶ光景は、壮観である。

中央にドーンと鎮座するマグロの兜焼きに、氷の彫刻が目立つ刺身盛り合わせ。寿司も美味しそうだね。

他には、テールスープ、ポキサラダ、ネギマ鍋、カルパッチョ、タルタル、レアカツ、生姜焼き、マグロ大根、クリームパスタと、彩は十分である。

しかも、まだ完成していない料理もあるのだ。

「これは、ツナか?」

「フム!」

「なるほど、もっとオイルに浸からなきゃいけないんだな」

「フムム」

ルフレが取り出したのは、1リットルくらいの瓶に入った茹でたマグロのブロックだ。一緒に、オイルやハーブ類が入っている。まあ、見た目は完全にツナ缶のツナだね。これはツナ瓶だけど。

これはまだ完成しておらず、このまま明日まで放置すればできあがるようだった。でも、これはいいね。余ったマグロ、全部これにしちゃおうかな?

瓶の見た目と相まって、妙なレトロ感っていうの? 大航海時代の保存食風なのだ。超美味しそうである。

しかも、これで料理の扱いらしく、バフが付きそうなのだ。欲しがる人絶対いるだろうし、売るのも1瓶単位なら簡単だろう。

「おっと、1時間まであと3分もないぞ!」

途中、撮影していることを忘れて普通に料理しちゃってたけど、これでサヨナラじゃインパクト弱いよな。食レポしなくては。

「とりあえず、兜焼きから試食してみるか!」

「フム!」

「ペペーン!」

皿に取り出すと、それで料理として認識されるらしい。

名称:マグロの兜焼き・1皿

レア度:6 品質:★8

効果:満腹度を30%回復させる。2時間、体力が6上昇。耐寒付与。水中での息止め可能時間上昇。

結構いい効果も付いたし、何よりも美味い。

「どんどん食べてくぞー」

「フムー!」

「ペペーン!」

その後俺たちは、時間いっぱいまで試食を続けたのであった。これで、良かったのかね? まあ、楽しかったしいいか。