軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

752話 雪原の怪物撃破

消耗したモンスや妖怪を時々入れ替えながら、戦い続ける。雪原で機動力を奪われてしまう為、あまり活躍はできてないけどね。

すると、リチャードから指示が飛んできた。

「白銀さん! 疾風陣をお願いできますか?」

「お? 了解!」

事前に妖怪の能力に関しては、ジークフリードたちに説明済みだ。

チャガマの回復能力や、物理的な戦闘能力に長けた四鬼ならともかく、他の妖怪たちの能力って尖り過ぎてて使いどころがいまいち分からんのよね。

特にノンビリモノの鈍重陣や、ワンパクモノの疾風陣は敵にも味方にも効果があるし、使っていいのかどうかの判断が難しかった。

そこで、騎士たちに使用の判断を任せることにしたのである。鈍重陣、疾風陣は馬にかなり影響が出そうだしね。

「スイキ送還! ワンパクモノ召喚!」

「パクー!」

水鬼の代わりに出現する、仁王立ちのラーテル。人型ってほどじゃないけど、二足歩行はできるのだ。

「疾風陣を頼む!」

「パクク! パークー!」

ワンパクモノが可愛い両手を天に突きあげ、その体から光を放った。そして、周囲にその光が降り注ぐ。

「よし! いい感じだね!」

「くふっ! ハナズオウがさらに速くなりましたよぉぉ!」

疾風陣は、速度上昇バフを与えるスキルだ。ただ、敵味方関係なく発動してしまうので、場合によっては敵を利する可能性もあった。

今回は、こちらに有利に働いてくれているらしい。

元々鈍重なスノウサッカーでは、多少速度が上昇したところであまり意味がないんだろう。速くなったようには見えない。

対して、こちらには絶大な恩恵があった。なんせ、騎獣たちのスピードが少し上がるだけでも回避、攻撃双方に大きな効果があるのだ。

それと、第三形態になってからボスに大きな変化が現れている。

「おやぁ? どうやら、脇のあたりが弱点のようですね!」

「なに?」

レーは俺と同じ弱所看破スキルを持っているようだが、それを時おり使っていたらしい。ブラッドオーガ戦の時は、俺もレーもこのスキルを使用しても何も反応がなかった。

今回も最初に弱点を発見できなかったため、隠れ里のボスに弱点がないものだとばかり思い込んでいたんだが……。

レーは相手に変化がある度に、しっかりとこのスキルを使っていたのだろう。さすが戦闘メインのプレイヤー。こういうスキルを使い慣れているのだ。

「ならば、そこに集中攻撃だ!」

「おう!」

「よっしゃー!」

ジークフリードたちがそれぞれの武器を構えて、スノウサッカーに突進していった。そして最後は、レーの出番だ。

「サクリファイスチャージ!」

「ヒヒィィン!」

レーとハナズオウの体が赤いオーラに包まれたかと思うと、彼と愛馬のHPが半減した。どうやら現在のHPを半減させ、攻撃力を上昇させる攻撃であるようだ。

疾風陣の効果で速度が上昇したハナズオウが、雪原を凄まじい速度で駆け抜ける。サクリファイスチャージにも、速度上昇効果があるんだろう。

二重で速度が上昇しているハナズオウは、今まで見たこともないほどに速かった。一条の赤い槍と化したレーたちが、スノウサッカーとすれ違う。

その刹那、ガギィィィィンという甲高い音ともに、スノウサッカーの脇辺りで赤い光が弾けるのが見えた。

「ガガァ……――」

スノウサッカーのHPバーが砕け散り、その巨体がポリゴンとなって消滅する。

なんと、勝ってしまったのだ。

「くふふふふ! やりましたよぉ!」

「ヒヒーン!」

レーとハナズオウが凱歌を揚げる。だが、そのHPがヤバかった。なんと、どちらも残りが僅かなのだ。

多分、サクリファイスチャージのデメリットだろう。発動時だけではなく、攻撃後にもHPを捧げる必要があるらしい。

慌ててヒールを飛ばす。

「おお、ありがとうございます白銀さん!」

「いやー、大活躍だったじゃないか! 凄かったぞ!」

俺が後に続く前に削り切ってしまうとは思わなかった。それだけ最後の捨て身の攻撃の火力がヤバかったってことだろう。

暗黒騎士を目指すレーの気持ちが、少し分かったね。ああ言う感じの身を削る系の必殺技、嫌いじゃないよ! 自分でやりたいとは思わんけど。

すると、一緒にいたルフレが光り輝く。

「フムー!」

「え? ああ、進化!」

「クックマー!」

「え? クママも?」

なんと、ルフレとクママのレベルが一気に上昇し、進化可能になったらしい。

ウィンドウを確認すると、他の子の進化を行うかの確認も表示されている。畑に送還したファウもレベルが上がり、進化できるようだ。

「えーっと、どうしよう……」

「白銀さん。もしかして進化ですか?」

「焦らずにゆっくりでいいですよ」

「俺たちもドロップの確認なども行いたいので」

「くふふ、進化は重要ですからねぇ」

「あ、ああ、ありがとう」

ここはジークフリードたちのお言葉に甘えて、じっくり悩まさせてもらうとしよう。

「まずはクママからだな!」

「クックマ!」