軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

715話 巨大カラクリゴーレム

巨大カラクリゴーレムとの戦闘が始まるが、相手はその場から動こうとはしない。

「先手は譲ってくれるってことか?」

なら、ここで一発ぶちかましてやろう!

「ドリモ、クママ! 合図ともに、全力の一発だ! あ、竜血覚醒はまだ使わないでいい」

「クマ!」

「モグ!」

「リックもペルカもオレアも、同時攻撃を頼むぞ!」

「キュ!」

「ペペーン!」

「トリー!」

よしよし、みんなの敬礼かわいいね!

「ファウはバフとデバフに専念。メルムは俺と一緒に闇魔術だ」

「ヤー!」

「ニュ!」

モンスたちがそれぞれ身構え、俺の詠唱が静かな地下空間に響き渡る。

巨大ゴーレムが立てるほど天井が高い、正方形の部屋だ。いたるところにゴミが落ち、壁からは水が流れ落ちて部屋の隅に走る側溝へと吸い込まれていく。

近づくと、ダメージをくらいそうだな。

そんなことを考えていると、魔術が完成した。

ヘイトの増減で動き出さないかが心配だったが、ボスはまだジッとしたままだ。最初の攻撃を食らうまでは、あのままなんだろう。というか、そうであってくれ。

「それじゃあ、ファウ! まずはバフだ!」

「ラランラ~♪」

ファウの演奏によって、全員の攻撃力が強化される。

「次はデバフだ! 同時に、攻撃を仕掛ける!」

「ニュ!」

デバフを攻撃と認識すれば動き出すかもしれない。ならば、デバフの直後に攻撃を仕掛ければいい。

ファウの歌が始まり、ボスの体が光った。防御力ダウンのデバフがしっかり効いたらしい。

「ゴ!」

やっぱ、攻撃の判定になったか! 巨大なカラクリゴーレムが巨大な咆哮のあと、動き出した。

とはいえ、俺たちはもうすでに攻撃のモーション中だ。俺とメルムの魔術が叩き込まれた刹那、ドリモたちの本気の攻撃もほぼ同時にボスへと炸裂していた。

ドリモのピッケルにクママの爪、リックの前歯、オレアの鎌、ペルカの嘴。当然ながら全員が様々なスキルで威力を底上げしている。

ドドドーンという音と衝撃とともに、ボスの体が大きく揺れた。ダメージも、想定よりも大きい。

これは、ボスが意外と弱い? 見掛け倒し?

そう思っていたのも束の間、このボスを舐めてはいけないことを思い知らされる。

「ゴ!」

「な、なんじゃそりゃ!」

4つある腕の内2本から、巨大なクロスボウが出現したのだ。普通のクロスボウの倍近いサイズであるうえに、2丁持ちである。

「ゴゴ!」

「ぐぁ! ヤバイ!」

矢を完璧に防御できるはずもなく、ダメージも大きかった。1発で1割くらいは減る。普通の戦闘なら1割くらいは問題ないんだが、今回はかなりの危機感が生まれていた。

なんせ、回避が難しい遠距離攻撃なうえ、放たれた直後には矢が自動で番えられているのだ。そして、数秒の間隔で、矢が再び放たれる。

あれを連発されたら、あっという間にこちらは壊滅するかもしれなかった。

「仕方ない……クママ! ここまで頑張ってくれてありがとう! オルトと交代だ!」

「クマー?」

そんな「えー?」って顔されると代えづらいけど、今は盾役が必要だから!

「すまん! クママ送還! オルト召喚!」

「クマー」

「ム?」

あるかないか分からない指をペチンと鳴らして「ちぇー」ってするクママが消え、クワを振り上げた状態のオルトが召喚された。

「畑仕事の最中だったか? 悪いが、最前列を頼む!」

「ム!」

オルトは振り上げていたクワを構え直すと、やる気満々の顔で巨大カラクリゴーレムの前へと飛び出していく。

守護者のお陰で、ボスの攻撃がオルトへと向いた。オルトはクワを振り回し、2連発の矢を弾いていた。

畑仕事から戦場の最前線へと変わってしまっても、全く動揺も見せずに仕事をこなすオルトさん! かっけー!

そのまま戦い続けると、その動きは普通のカラクリゴーレムと似た部分も多いと分かった。

矢を何度か放った後、ボスはゆっくりと前進してきて、その手に持った棒を叩き付けてくる。この前進時、スーパーアーマー状態で普通の攻撃では止まらない。

だが、こっちには秘密兵器がいる。

「ペルカ! やってやれ!」

「ペッペーン!」

キリッとした顔のペルカが、勢いよく飛び出していった。ペンギンミサイルは一直線に飛翔し、ボスの胸板にドーンと直撃する。

「ゴ……?」

「よし! 動きが止まった!」

スーパーアーマーにはスーパーアーマー! デカくなっても、動きが止まるのは同じだな!

「ペ……?」

「え? ペルカ?」

カラクリゴーレムが固まった直後、ペルカも同じように動きを止め、その巨体の足元にベチャッと落下してしまった。

「ゴゴゴォ!」

うわ! やばい!

しかも、ボスが想像よりも早く動き出した! このままじゃ、ペルカがペシャンコに!

「ムッムー!」

オルトが颯爽とペルカのもとに駆け寄り、その体を抱えて退避した。直後、それまでペルカのいた場所にボスの足が叩きつけられる。間一髪だったな!

「ムムー」

軽く額の汗をぬぐい、ニコッと笑うオルト。イ、イケメン!

「オ、オルトさーん!」

「ペペーン!」