軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

712話 ゴーレム?

マンホールを開けた先は、下水に繋がっているようだった。備え付けられた梯子を使い、降りていく。

俺やオレア、リックはサイズ的に問題ないし、ファウやメルム、ペルカは飛んで降りられる。

問題は、クママだった。

そのぽてっとした手足で器用に動くクママだが、小さい梯子はさすがに厳しいらしい。よたよたと、ゆっくり梯子を下りてくるが――。

「ク、クマ……」

「クママ! 大丈夫か?」

「クマー!」

「ちょ、まてー!」

クママが梯子を踏み外し、ズルッと落ちてくる。逃げるか支えるか一瞬迷ったせいで、俺はその尻に押しつぶされていた。

「とりあえずどいてくれー」

「クマー」

ゲーム内なので痛みはないし、クママのデカ尻は意外と気持ちいいかも? ただ、ずっとクママの下にいる訳にもいかんからね。

とりあえずクママの下から脱出し、立ち上がる。

「足場は結構広いな」

「ヤ!」

マンホールの先は広めの下水道に繋がっていた。

かなり大きい造りで、足場も普通に歩けるほど広い。とは言え、たくさん並んで戦えるほどではないので、戦闘は気を付けないといけないが。

以前、第3エリアで下水系のマップに挑戦したことがあるが、あそことは様子が全く違っている。

あちらは流れる水自体は処理済み設定なのか綺麗だったが、こちらはもっと汚い水が流れている。緑色なうえに刺激臭があって、汚水というよりは産業廃水的な感じなのだ。

時おりボコリと水が泡立つのは、水底でガスでも発生しているのか、中に何かが潜んでいるのか。

この時に飛散した緑の水に触れると微量のダメージを受けるので、気を付けないといけないだろう。

落ちたらどうなってしまうのか、想像したくないのだ。

「しかも、絶対に迷路状態だよな」

「モグ!」

「ドリモ、元気だね」

「モグモ」

下水マップ特有の入り組んだ感じを想像してため息を吐くと、ドリモが妙にハイテンションで自分の胸を叩いた。

地下だからか? ドリモはやる気に満ちているようだ。

「ドリモとクママはギリ並べる感じか?」

「モグ」

「クマー」

2人が並ぶと、肩が触れ合うほどだ。これでは激しい戦闘は無理だろう。

「先頭はドリモ、クママは最後尾を頼む」

「モグモ!」

「クマ!」

ムキッとダブルバイセップスをしながら、任せとけアピールをする2人。ドリモはちょっと様になっているけど、クママはただただプニプニで可愛いだけだよね。

そのまま下水を進んでいくと、2種類の敵が出現する。

まずはドローンタイプ。ホバリングしているのは同じだが、地上に出るものとは明らかにタイプが違う。

これまで戦っていたのは、4つのプロペラを持つ現代のドローンに似た姿だ。それに対し、下水に出現するのは丸い本体の上にプロペラが1つだけの、漫画とかに出てくるようなタイプである。

それこそ、スチームパンク作品とかに出てくるのは、こいつだろう。

丸い本体がカパッと開くと、中からクロスボウが出現して矢を放ってくる。まあ、HPが非常に低く、数発で倒せたけど。

複数で出てこなければ、脅威ではなさそうだった。

その次に登場したのは、二足歩行のロボットである。名前は、アイアンゴーレム・カラクリ型となっているが、どうみてもロボだ。

それも、近未来的な奴じゃなくて、金属パイプと歯車がメインの武骨なタイプである。膝が少しだけ曲がっている所とか、手が開いて閉じるだけの輪っかタイプだったりするところとか、妙にレトロ感があった。

背中のパイプから蒸気を噴き出し、歩くたびに歯車と油圧がジャコンジャコンと音を立てている。

「うぉぉぉ! 完璧スチームパンクじゃん! すっげー!」

テ、テイムは! こいつをテイムできんのか!

何度試そうとしても、テイムは発動しない。分かってるんだよ! テイムできないってことは! でも諦めきれないのだ! だってロボなのに!

「くっそー!」

過去一残念かもしれん!

俺が悔しがっていると、カラクリゴーレムがそのまま突っ込んできた。

歩くのはゆっくりだが、身長が2メートルを超えるので、非常に威圧感がある。

「ゴオオォォ!」

「ド、ドリモ! 受けろ!」

「モグモー!」

カラクリゴーレムが振り下ろした鉄の棒を、ドリモがツルハシで受け止めた。だが、力自慢のドリモが、少しずつ押し込まれている。

これはいかんと遠距離攻撃を加えるが、カラクリゴーレムは一切怯まなかった。単調な動きを一切途切れさせることなく繰り返し、ドリモのHPをドンドン削っていく。

「ヤヤーー!」

「ゴ、ゴ……」

ファウさんさすが! 火の玉がカラクリゴーレムのHPを削り切ったぞ! 歌って踊れて攻撃までできる万能選手!

「にしても、どんな攻撃しても、全く怯まなかったな……」

「モグモー」

「ヤー」

ドリモの渾身のフルスイングでも動きを止めなかったのだ。ダメージはあっても、ゴーレムは前進し続けていた。

もしかして、スーパーアーマー持ちか? だとしたら、狭いこの場所ではメチャクチャ厄介な敵である。

「とりあえず、カラクリゴーレムが出たら遠距離攻撃をガンガンぶっぱなしまくるしかないかな?」

「モグ」