軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

671話 品評会準備

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日課はオルトたちに任せ、俺は品評会の料理を試作しようとしていた。

「品評会に向けて、出品物を用意しないとな!」

「フム!」

畑で採れたもの3種類に、それの加工品3種類。加工品は食べ物じゃなくてもいいらしいが、たくさん来るんだから食べ物でおもてなししたいところなのだ。

「まあ、1品は、クママのハチミツで決まりだな」

「クマ!」

今朝養蜂箱を確認したら、特殊なハチミツができていた。

名称:赤ハチミツ

レア度:5 品質:★7

効果:火属性の力を秘めた、赤いハチミツ。素材・食用可能。

これ以外には、水属性の青、風属性の緑、土属性の黄がある。

味も、全ての色で違っているのだ。緑桃・魔果実と同じで、属性によって味わいが変わってくるらしい。

赤は甘みが強く風味弱め。青は粘り気と甘みが少なくジュースのよう。緑は甘みが少ないが風味が強い。黄は、粘度と甘みが強くて水飴のようだ。

使う料理などで使い分けられそうだが、俺程度では使いこなせそうもないな。ただ、属性があるってことは、薬にも混ぜられそうだし、使い道は色々あるだろう。

「とりあえずは、これを使ったデザートだな」

「クマ!」

「意外と量は採れたからな……」

赤はパンケーキにかけて、青は発泡の実を使って炭酸ジュースにしようかね? 柑橘のジュースで割れば、柚子ハチミツサワーみたいにもできるかもしれん。

緑は風味を生かすためにケーキに混ぜて、黄はどうしよう。このまま舐めてもおいしいけど……。

色々と試した結果、赤、青、緑は当初の予定通りに使い、黄は乾燥させて飴玉にした。畑に出て皆に配ってみたが、モンス達にも大ヒットだ。素朴な甘みがクセになるのは分かるけど。

クママは食べ過ぎだ! 3つも4つも同時に口に放り込んで、バリボリかみ砕きやがって! 確かにお前のお陰で作れたけど! 参加者ぶんギリギリじゃねーか!

「とりあえず、試食はここまで!」

「クマー」

「そんな、ええ~みたいな感じでクマーって言われても、ダメなものはダメ!」

「クマー……」

あ、あざとい! そんな寂し気にしてもダメ!

後ろに手を組んで石を蹴る姿を見たらグラつくけど、ダメなの!

「ほら! もう次の料理に行くから!」

「クマー」

次は何を使おうか? 霊桃や魔果実? コツコツと溜めてきたので、数はそれなりにある。でも、果物系は他の人も持ってきそうなんだよね。

酒はどうだろう?

一応、うちの畑で収穫できる果実全種類で、酒を造っている。葡萄のワインだけではなく、梨や柿、桃の酒もあるのだ。

「うーん? でも、酒は駄目か?」

ヒジカタくんやその友人だけではなく、他にも未成年は参加するだろう。未成年が飲んだ場合にはジュースに変わるっていうけど、アルコールの風味が消えたら別物である。

品評会なわけだし、同じ味を共有できた方がいいはずだ。

「他に、最近手に入った珍しい食材とかってあったっけ?」

「ムム!」

オルトが「任せとけ」とでもいうように、俺を見上げながら胸をドンと叩く。

「お? オルトは何かいい案があるのか?」

「ムー!」

「ちょ、オルト? どこいくんだ?」

急に走り出したオルトの後を追う。辿り着いたのは、ヒカリゴケや蛍光リンドウなどを栽培する暗室だった。

オルトの目的は、その一角においてある原木だ。実験的に、赤テング茸などを育てていたんだが……。

「ええええ? これ、マジ?」

「ムー!」

オルトがビシッと指し示している原木には、白い赤テング茸がびっしりと生えていた。白変種だ。なんと、全てが白い。

「さ、栽培に成功したのか!」

「ムム!」

畑で採取しようと思ったら、偶然に頼ることしかできなかった白変種だ。暗室に移したのもダメもとだったが、まさか成功するとは。あとは、水臨樹の水を撒いたのもよかったのかもしれん。

「いやー、確かに赤テング茸は美味しいけど、毒キノコはなぁ」

「ム?」

実は、少し前に料理スキルがカンストして、上級になっている。この料理・上級の最初のアーツが、毒抜きであった。

これを使うと、フグや毒キノコなど、毒素材を安全に食べられるようになるのだ。

それを使って赤テング茸を食べてみたけど、メッチャおいしかった。毒のある素材が美味しいっていうのは、本当だったんだな。

「でもまあ、面白いことは確かか」

「ムッムー!」

厨房へ移動して、赤テング茸の白変種をササッと料理してみる。ソテーとスープ、味噌和えだ。

「うん。美味しいな」

コリコリとしていて、旨みもある。普通の赤テング茸よりも、ちょっとコリコリ感が強いようだ。

でもまあ、白変種はまだ珍しいし、これなら驚いてもらえるかな?

「よし! 2品目は、キノコスープにしよう。赤と白で縁起いい感じで!」

「ムムー!」