軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

635話 生産三昧と宣伝

「いやー、生産三昧もいいけど、ちょっと体動かしたくなってきたな」

「フマー?」

「まだいけるってか?」

「フマ!」

「フムムー!」

「ヒム!」

うーむ。うちの子たち、生産好きすぎじゃね?

第11エリアを解放してから5日。フィールドの探索なんかもしたんだが、後半は生産をしまくる生活となっていた。

だって、村で様々な素材をゲットできてしまったし、戦闘が続いた後は生産をしたくなるのだ。

アカリとの妖怪探しも、新エリアのせいで一時中止状態だしね。そりゃあ、こっちの方が重要なのだ。

ただ、ずっと籠りっぱなしになるとは予想していなかったが。

最初は、ルフレと一緒に、料理を作ったのだ。食べ放題の約束もあったし、その日は料理作りしかしなかった。ただ、それを見ていた他の子たちも、自分も一緒に生産がしたいとアピールしだしたのである。

結果、希望者全員と生産をしまくることになり、各種生産のレベルがガン上がりであった。鍛冶なんか、もうLv10を超えたのだ。

レア度の低い素材を無駄にしまくった甲斐があったね。

「しかし! ちょっと飽きてきたぁ!」

ずっと座りっぱなしなんだもん。いや、合間に畑仕事はしてたんだけどね?

「メルムもまだ数回しか戦闘に出てないんだぞ?」

「ニュ?」

呼ばれたと思ったのか、俺の頭の上に乗っていたメルムが黒い体をニューッと伸ばして、上から俺を覗き込む。傍から見たら、黒いスライムに頭部が呑み込まれているように見えるだろう。

メルムの能力を見るために、町の周辺で何度か戦ったりはしたのだ。メルムは基本的には後衛だと思っていたんだが、実は前衛も可能な万能タイプだった。

弾力スキルが、打撃ダメージを半減する効果があったのである。不定形スキルによって攻撃を受けた瞬間にその部分を凹ませることで、さらにダメージを軽減することが可能だった。

攻撃は、闇魔術と風魂覚醒があるので、かなり強い。高防御力、高火力という、育てばかなり強くなりそうなポテンシャルを秘めている。

ああ、風魂覚醒は、ファウの地魂覚醒の風版で、竜巻を発生させて攻撃する感じだ。相手の動きを封じる効果もあり、大型の敵相手にも効果がありそうだった。

一番意味が分からないのが闇守のスキルだが、サクラの持っている森守と同系統スキルであった。その名前の通り、闇の中にいる時に戦闘力が少しだけ上昇するのだ。

夜や洞窟内で、効果を発揮するらしい。逆に、日光の下では少し弱体化するようなので、そこは少し気を付けないといけないだろう。

「とりあえず、縁側で休憩しようかな」

お茶を飲みながら、この後何しようか考える。

「そうだ、洋間に飾るインテリア、選ぼうと思ってたんだ」

まだ巨大シャンデリアだけで、非常にバランスが悪い部屋になっている。生産生活では、皿やら食器やら銅像やら、部屋に飾れそうなアイテムも色々と作ったのだ。

俺の作った奴は不格好で、ほとんどがヒムカやサクラ作の物になるだろうけどね。

「でも、自分で作った奴も少しは飾りたいよな。俺が絵付けした皿とかならどうかね? もしくは、木彫りの人形とか……」

インベントリを確認しながら、配置を考える。そんなことをしていたら、居間からマモリの楽しげな声が聞こえた。

「あいあいー!」

何事かと思って覗きこむ。すると、ウキウキした様子のマモリが居間の中を歩き回っていた。

孵卵器をジッと見つめていたかと思うと、今度は炬燵の上に置いてある小さな袋を手に取り、何やら眼前に掲げたりしている。

「マモリ? なにしてるんだ?」

「あい? あい!」

「えーっと、ポプリか?」

マモリが炬燵の上に並べていたのは、最近作るのに成功したポプリであった。雑草扱いの草花を使っているので特殊な効果はないけど、いい匂いがして俺は好きだ。

匂いを嗅いだり、ポプリの入った袋をシャカシャカしたりして何をしているのかと思ったら、日記用の映像を撮影中であったらしい。

ポプリを宣伝するつもりなんだろう。実際、マモリが日記帳に載せると、売り上げが倍増するんだよね。

俺が作った少し歪な食器類とかも、マモリが日記帳で紹介したら完売した。なんか、うちの子たちが食事に使っている場面の映像を使ったらしい。

可愛いモンスも愛用してます的な宣伝になったんだろう。

「あい!」

「え? 持てってこと?」

「あいー」

「なんか喋れって?」

プロデューサー顔のマモリが俺にポプリを持たせたうえで、何か喋れと指示を出してくる。

「えーっと、これはオルトが選んだ素材で作ったポプリで、これはファウだったかな? で、こっちはルフレのやつだ」

「あい!」

もっと言えとグイグイポプリを押し付けてくるマモリに言われるがまま、俺はポプリの宣伝をし続けた。結局、全種類の説明をしてしまったぜ。

「あいー」

額の汗を拭うマモリが満足げだから、いいんだけどね。

「いや、これって、ポプリがメチャクチャ売れるのか?」

あんまり数は作ってないんだけど……。

「あい!」

「増産するしかないか」

ようやく生産生活が終わるかと思ったけど、もう少し頑張らないといけなさそうだな。