軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

449話 テイマーたちの個性

『ぬはあぁ! 我に逆らう愚か者どもめぇぇ! 地獄に送ってくれるわぁ! 出でよぉ、亡者どもよぉ!』

ビフロンスが叫ぶと、岩山の周辺に無数のスケルトンが出現した。ビフロンスと同じような漆黒のスケルトンたちだ。岩山を囲むように召喚された黒スケルトンの軍勢は、優に1000体は超えているだろう。

プレイヤーには到底及ばないが、それでも無視できる数ではなかった。しかも、相手は死霊召喚技能を持っているのだ。

減れば追加されることも十分あり得る。むしろ、無限湧きの可能性すらあった。

「俺がグダグダ考えたって攻略の役に立つわけじゃないからな……。今は防御重視で耐えるぞ!」

「ムム!」

「フム!」

攻略方法は、トッププレイヤーさんとか大規模クランの幹部さんとかがそのうち考えてくれるだろう。エンジョイ勢ソロプレイヤーは、邪魔にならないように動くだけだ。

「とりあえず、遠距離攻撃でスケルトンたちを削っていくか」

「ヤー!」

「キキュ!」

そうして俺たちは周囲のプレイヤーに混じって攻撃を開始したんだが、黒スケルトンが思った以上に堅かった。数が少ない分、1体1体の性能がいいのだろう。

かなりの数の攻撃が降り注いでいるのに、なかなか倒れないのだ。

それに、指揮系統がハッキリしておらず、狙いが適当な攻撃が散発的に放たれているだけなのも問題だろう。

全体的に無駄が多すぎる。

とは言え、俺がしゃしゃり出て指揮をする訳にもいかない。誰も付いてこないだろうしね。ここは、耐えてチャンスを待つだけだ。

「カタカタカタ!」

「ムッムー!」

「このやろ! このやろ!」

「キュー!」

俺たちも接近してきた黒スケルトン1匹を相手にすることになったが、やはり強い。まあ、流石に1体だけならどうにかなったけど。

しかし、すぐにビフロンスによって追加の黒スケルトンが召喚され、こちらに向かってくるのが見えた。さっきよりも数が多い。

もしかして、段々増えてくとか? だとしたら、何もせずに戦い続けるのはヤバいと思うんだが……。

しばらく黒スケルトンと戦っていると、周囲のプレイヤーたちに動きがあった。バラバラに戦っているなりに、何とかしようと考えたのだろう。

自然と知人同士で固まって、役割分担をして戦い始めたのである。それは俺たちも例外ではなかった。

「オルトちゃん! 大丈夫なの!」

「ルフレたん! 無事か!」

「ファウたんは俺が守るんだニャー!」

「俺たちも一緒に戦わせてください」

ノーム軍団に囲まれたアメリアを筆頭に、近くにいた複数のテイマーが集まってきたのだ。

青い髪のハーフエルフテイマー、オイレンシュピーゲル。赤いローブを着込んだ金髪テイマー、赤星ニャー。熊獣人の虫大好きテイマー、エリンギ。

花見などで何度か会ったことがあるテイマーたちだ。

「みんな、凄いな」

アメリアの布陣はさっきと変わらない。相変わらずのウサノームパーティだ。ただ、他の面々のパーティもかなり濃い。

まず、オイレンシュピーゲル。こいつめ、やっておるな!

「バランス悪くないか?」

「ふふん。だとしても、俺は俺の道を行く! 何人たりとも俺の歩みを止めることはできないのだぁ!」

なんか、ペンギンハイウェイの説明文みたいなこと言い出した。

「で、その道の行きつく先が、これか」

「その通り!」

オイレンのパーティは、ウンディーネ4体。そこにガーディアンドッグ1体という、超偏った構成だった。今思い出したが、ウンディーネテイマーって呼ばれてるらしい。

さすがだ。俺には真似できん。主に人の目が気になる。しかもアメリアと一緒で、ちゃんと進化先を全コンプしていた。それでも戦闘力は微妙そうだが……。

いや、回復役としては頼りになるか。

「赤星……お前……」

「いやーっはっはっは! ほら、俺ってばオイレンの友人ですからニャー」

「な、なんて説得力のある言葉だ!」

赤星ニャーのパーティも、中々に趣味に走っている。薄桃色の髪の毛をした樹精にシルフ、ウンディーネ、妖精。そこにハニーベアを加えたパーティだった。

やはり可愛い女の子型が多い。特に目立つのは、樹精だろう。

「サクラ以外の樹精は初めて見たな」

「樹精のアセビです。偶然、マップに出現したところに出くわしまして。本当にラッキーでした」

「――♪」

うちのサクラに似ているが、細かい部分は違う。髪の色もアセビの方が大分薄いし、背も少し低いだろう。

所作は少し子供っぽい。元気があって、うちだとルフレに似ているかもしれないな。

話を聞くと、能力も多少違っているようだった。初期能力の段階で、サクラの持っていた魅了、木工の代わりに、毒化、料理のスキルを所持していたらしい。

個体差があるってことなのだろう。

「……エリンギ、すげー」

「ありがとうございます」

相変わらず、笑顔のない生真面目そうな顔だ。しかし、そのパーティメンバーは非常に遊んでいた。

「虫ばかりとは……」

エリンギのパーティは、カブトムシ、チョウ、ハチ、アリ、妖精と、虫オンリーの構成だった。まあ、妖精は虫じゃないけど。

能力的にはバラバラなようだから、ある意味バランスが取れていると言えば、取れているんだろう。

特に俺の目を引くのは、前衛役のカブトムシだ。ヨロイカブトというモンスターなんだが、人間ほどのサイズがある緑色の巨大なカブトムシであった。

「かっこいいな……」

「でしょう?」

「ほらほら! お互いのモンスを紹介するのは後にして! いまボス戦の最中だよ!」

「お、おお。そうだったな」

「それで、どうする?」

「え? 何で俺に聞くんだよアメリア」

「だって、私たちがここに集まってきたわけで。リーダーは白銀さんじゃん?」

「いやいや、何を――」

「カタカタカタ!」

ちっ! スケルトンが! 反論ができん! アメリアの奴、絶対に面倒なリーダー役を俺に押し付けようとしてるのに!

「ええい! 仕方ない! とりあえず盾役を前に出せ! あとは遠距離攻撃で削る!」

「支援はどうするんだニャ?」

「まだ温存で! オイレンのウンディーネも、MPは節約してくれ。後半、頼りにしてるから!」

「わかったぜ!」

本営は、まだ方針を決められないのか? 早くしてくれ!