軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

435話 イベントモサ撃破報酬

《古代の島にて、ボスの1体、イベントモサが討伐されました。これにより、海流の一部が弱まります》

『ユートさんは、イベントモサとの戦闘にて貢献度が上位10位以内に入っていたので、特別報酬が付与されます。また、貢献度が100位以内に入っていたので、報酬が付与されます』

スピノはすでに何度か討伐されていたはずだけど、モサはこれが初めてであったらしい。スピノの時にも同じアナウンスがあったし、海流は相当弱まっただろうな。もう普通のボートで島にこられるかもしれない。

「特別報酬? 通常の報酬とは違うってことか? ドロップはどんなもんかね?」

そもそも、最初から戦闘に加わっていなくても、参加扱いになったんだな。普通に報酬が貰えてしまった。

ただ、アナウンスで貢献度が云々と言ってたから、参加者全員が報酬をもらえるわけじゃないのだろうか?

いや、攻撃していた人間は50人くらいだし、今回は全員が報酬貰えたかな? 少なくとも、貢献度100位以内の方は貰えているはずだ。

もっと大人数の場合は、足切りが発生してしまうのだろう。

考えてみたら、モサは常にこの湖にいる訳で、大量の――それこそ1000人くらいのプレイヤーで一斉に攻撃することも可能だ。その全員に報酬が入るとなると、少々ゲームバランスがおかしくなるかもしれない。

そんな大人数でのごり押し攻略をさせないための措置が、貢献度なんだろう。このおかげで、一発だけ攻撃して参加した扱いにするような寄生行為はできなくなるはずだ。

「特別報酬は――イベント引換券か!」

これで2枚目だ! にしても、途中参加の俺が貢献度10位? 多分、釣り上げたからなんだろうが……。

「で、一番多いのが肉か」

水恐竜の鱗や、牙などもある。これも売ればかなりの高値になるだろう。

使えるなら俺の装備品を作ってもいい。恐竜素材は他の恐竜の物も併せてかなりあるからね。ただ、どれも重量が凄いっぽいんだよな……。まあ、イベント終わってから考えよう。

経験値もかなり貰えてしまった。参加したモンスたちも最低1レベルは上がったようだ。

「お? オルト、新スキル覚えてるな?」

「ム!」

レベルが40に達したことで、オルトに採掘上手というスキルが追加されていた。自分とパーティメンバーの採掘行動にボーナスが入るという、嬉しいスキルだ。アンモライト掘りが捗りそうである。

確認はこんなところだろう。

しかし、釣りをしてたはずなのに、なんでボス戦に参加することになったんだろうな? いや、報酬は嬉しいんだけどさ。

「サッキュン、なんか美味しいところ取りですまん」

「いやいや! なに言っちゃってんすか! 白銀さんのおかげでデカブツを陸に上げれたんすよ? むしろMVP的な? どうやってアレを釣ったんすか?」

「あ! そうだ! 怪魚!」

もう少しで釣り上げるところだった怪魚を、イベントモサに食われてしまったのだ! 釣り直さねば!

「みんな! さっき釣れそうだった怪魚はモサに食われちゃったから、もう少し頑張ろう!」

「フム!」

「フマ!」

やる気十分なうちの子たちが、早速釣り竿を担いで湖に向かった。

「今はモサがいないし、絶好のチャンスだ! リポップする前に釣り上げるぞ!」

「ムム!」

「モグモ!」

今度こそ、怪魚を釣り上げる!

ただ、俺はもう少しサッキュンと情報交換である。

「とりあえず、イベントモサを釣り上げた方法、教えてもらえるとありがたいんすけど……」

「ああ、別に構わないぞ」

「え? マジ?」

「そもそも、イベントモサを倒したのはみんなの力を合わせたからだろ? 俺だけ情報を秘匿しても、後味悪いしさ」

それをやったら、完全に美味しいとこ取りになってしまうのだ。イベントモサをどう追い込んだのかの情報も知りたいしね。

話を聞くと、モサは残りHPが3割を切ると、行動パターンが変化するらしい。サッキュンたちの予想では、それまでいた地点から大きく離れ、HPの回復を行うのではないかということだった。

それが、魚を食べるという行動だ。戦闘中でも、魚を食べてHPを回復させることがあったらしい。

「だからイベントモサがこっち側まできてたんだな」

「そうそう。で、逃げた先に、ちょうど大物を釣り上げようとしていた白銀さんがいたってわけ」

「でも、回復するどころか、釣り上げちゃったんだけど」

「たぶん、魚によって効果が違うんじゃないかと……。怪魚は、モサが嫌う琥珀餌を食べてるわけじゃないっすか? だったら、その怪魚をモサが食ったら?」

「なるほど……」

琥珀餌が近くにあるだけで逃げ出すほど、苦手なアイテムなのだ。ダメージを食らったり、苦しんで陸にうち上がったりするのかもしれない。

「でも、イベントモサがピンチになった時に、ちょうど怪魚を釣り上げようとしてるプレイヤーを準備するのって、かなり難しくないか?」

「まあ、そこは他に方法があるんじゃないっすかね? もしくは、モサに攻撃をするチームと、釣りチームで別れるとか?」

「それだと釣りチームで、モサを釣り上げられなかった人の貢献度が低くなりそうじゃないか?」

「それもそうっすねぇ」

「だろ?」

「うーん……」

「うーむ……」

ここで悩んでいても仕方ないし、考えるのは検証班とかに任せよう。俺とサッキュンはどちらからともなくそう言い出し、それ以上の考証は諦めることにした。

「とりあえず俺は怪魚釣りに戻るよ」

「頑張ってください。俺はとりあえずアンモライト掘りまくるんで」

「おー、頑張れ」

サッキュンたちがイベントモサを仕留めようと頑張っていたのは、滝の裏の採掘ポイントではアンモライトの採掘率が高いという情報を仕入れたからであるそうだ。

「へぇ。そんな情報があったのか」

「バザールのNPCが、教えてくれんすよ。まあ、仲良くならなきゃいけないんすけど。そこはほら、俺のノリとフィーリングで?」

サッキュンがそのNPCと偶然仲良くなった結果っぽいな。

「俺も、後で掘りに行ってみるかな。まあ、先に怪魚だけど」

「デッケーの釣れたら、ぜひ見せてくださいよ」

「おう」

「それじゃあ、お先失礼しまーっす」

「――!」

「ヒムー!」

もはやサッキュンと分かれる時の恒例となったチャラ敬礼をしながら、見送るうちの子たち。サクラとか、意外と似合ってるね。