軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

387話 恐竜ぅぅ!

「……うーん。さすが恐竜がいるかもしれない森。雰囲気あるぜ」

「ムー……」

俺たちはジュラシックな森の中を、周囲に気を配りつつゆっくりと進んでいた。

木々の間から、大口を開けた恐竜が飛び出てくる可能性が高い場所である。どれだけ慎重になっても、やり過ぎではないだろう。

「モグ」

「お、また採掘ポイントか」

「モグ!」

モンスターには遭遇していないが、それ以外の成果はそこそこだ。採掘、採取、伐採などのアイテム入手ポイントがそこそこあり、鉄鉱石や銀鉱石、薬草や毒草、糸や木材などが入手できていた。しかも高品質で。

これだけでも、この島に来た甲斐はあったというものだ。

「あとは恐竜が出てくれればな~」

「ム!」

「モグ!」

呑気に周囲を見回す俺の前で、オルトとドリモが身構えた。その視線は、前方の繁みを見つめている。

「……出たのか?」

「――!」

「ペン!」

うちの子たちは完全に臨戦態勢だ。

そのまま身構えること数秒。

ガサガサ。

茂みが揺れ、そいつが木々の間から姿を現した。

「うおおおぉぉぉぉぉ! まじで! まじで恐竜ぅぅ! スクショスクショ!」

大地を踏みしめる太い二本の足に、バランスをとるために長く発達した尻尾。前足は意外と小さいが、鋭い爪が生えているので油断はできないだろう。

口は嘴のような、硬く尖った形だ。ただ、鳥というよりは、河童などに似ているかもしれない。だが、頭は皿ではなく、ヘルメットだ。見るからに硬そうな頭部は、まるでヘルメットのように卵型で、ツルッとしている。

全体的なシルエットは有名な肉食恐竜であるラプトルに似ているが、こいつは肉食恐竜ではない。

「キュオオオォ!」

「パキケファロサウルスかぁ! 嫌いじゃないっ! 嫌いじゃないよっ!」

テイムは――対象外でした!

「くっそぉ! こうなったらスクショ撮りまくってやる!」

鑑定の結果、奴の名前はイベントパキケファロ。こいつのモチーフとなっているパキケファロサウルスと同じ能力を持っているのであれば――。

「キュォォォォ!」

「やべっ! スクショ撮ってる場合じゃなかった! く、くるぞ! オルト、ドリモ! 構えろ!」

「ムッム!」

「モグモ!」

その硬く分厚い頭部を前に突き出した形で、突進してきた。やっぱり、頭突きをしてくるのか!

体長は6メートル程だろう。普通に立っている状態なら、足先から一番高い場所まで3メートルくらいかな?

だが、今は尻尾をピーンと伸ばして体を地面と水平に保ち、頭頂部を前に突き出す格好だ。その状態だと、頭がちょうど1.5~2メートルくらいの高さに位置していた。プレイヤーにジャストミートの高さなのだ。

「ムッムー?」

「キュォォ!」

オルトが頭突き一発で弾き飛ばされた! 吹き飛ばし能力が高いのか!

だが、オルトのおかげで突進が止まったぞ!

「チャンスだ! 一斉攻撃!」

「――!」

「モグモー!」

「ペッペーン!」

俺とサクラの魔術に、ドリモのツルハシとペルカの突進。全てが無防備なイベントパキケファロに直撃する。

「くっ! めっちゃ堅い!」

「モグ……!」

背中などのダメージが大きそうな部分に攻撃が当たっているにも拘らず、HPが一割くらいしか減っていなかった。

もしかして、メチャクチャ上位のモンスターなのか?

「キュオォ!」

「ムム!」

奴のターゲットはまだオルトか!

「今の内に削りまくるぞ! ガンガン行こうぜ!」

「――!」

「ペン!」

オルトが耐えてくれている間に、攻撃を放ち続ける。全くこっちを向かないんだが、もしかしたら挑発系のスキルに非常に弱いのかもしれないな。

もしかしたら、このまま楽勝で狩れるか? だが、そんなに甘いわけがなかった。

奴のHPを半減させた時、行動に変化が訪れたのだ。

「キュオオオオオォォォォォッ!」

一際大きな咆哮を上げると、その体が赤いオーラに包まれた。そして、イベントパキケファロがオルトから視線を外す。

その視線が明らかに俺を見ているんだが……。

「ギュオオォォ!」

「うわっ! こっちきた!」

「モグモー!」

やっぱり俺にターゲットが移っていた!

イベントパキケファロの卵頭が、凄まじい勢いで迫ってくる。

「モグモ!」

「ドリモッ!」

ドリモが割って入ってくれたが、一発でHPが半減してしまった!

その代わり、サクラとペルカの攻撃によるダメージが増えている。赤いオーラは狂化の証であったようだ。攻撃力が増える代わりに、防御力は下がったのだろう。

それと、挑発などを無視して、自分に最もダメージを与えた相手に攻撃のターゲットが移るっぽかった。

これは重要な情報を得たな。次に戦う時は、その辺を調整して戦う必要がありそうだった。

「ギュオオオォン!」

まあ、この戦いで生き残れたら、だけどね!