軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

383話 海流

釣りをしたり、サメに怯えたり、色々なことがあった船旅であったが、ついにルフレとペルカの泳ぎが止まる時が来た。

位置的には、遊楽の浜から北東の方角に少しいった辺りである。

「かなり北にきたな」

「――?」

「だ、駄洒落じゃないぞ? だから、そんな不思議そうな顔で見ないでくれ」

「ムム~!」

「ああ! そんな、なる程~みたいな反応しないで! 褒めるな! 本当に偶然だから!」

そんなことをしていると、ペルカとルフレが船に上がってきた。

「ここがポイントか?」

「フム」

「ペーン」

俺の言葉に、ルフレたちが首を横に振る。

「え? 違うの?」

「フムー」

「ペペン」

ルフレとペルカが、揃ってさらに北を指差した。ペルカはそのフィンでパタパタやっているだけに見えるけど。

もっと先に進むということなのだろう。

「つまり、今は休憩中?」

「フム」

「え? 違う?」

「ペン」

どうやら休憩というわけでもなさそうだ。では、どうしてここで止まったのか?

疑問に感じていると、おもむろにペルカがペンギンハイウェイを使って船から勢いよく飛び出した。

「ペペペーン!」

そのまま弧を描くように、船の前方に飛んでいく。

ドボン!

何をするでもなく海に落下したな。しかも、泳ぎ始めたりもせず、ペルカはそのまま仰向けでプカリと浮く。

何をしたいんだろうか?

ペルカを見守っていると、不思議なことが起きた。ペルカは一切泳いでいないのに、結構な速さでこちらに戻ってきたのだ。

「え? なにがあった?」

「ペペペペ」

今度はペルカがバタ足で泳ぎ出した。しかし、結構な勢いでバタ足をしているのに、全く前に進まない。そこで気づいた。

「ああ! もしかして海流か何かで押し戻されているのか?」

「フム!」

正解だったらしい。

なるほど、休憩で止まったわけではなく、海流のせいでここから先には進めないのか。

いや、ペルカとルフレがこの先に行きたいと主張しているということは、何か突破する方法があるんじゃないか?

「この先に行きたいんだな?」

「ペン!」

「アイテムとかなくても、工夫すれば何とかなりそうか?」

「フム!」

特殊なアイテムがなくても、先に進むことは可能であると……。ただ、ペルカやルフレが曳いてくれていた船は、かなりの速度があった。あれでも突破できないとなると、結構大変かもしれない。

「速度が重要なのか? だとしたら、俺の魔術も使って、一気に加速してみるか」

やることは単純だ。ルフレたちに船を曳いてもらいつつ、俺のハイドロプレッシャーで加速。オールを漕ぐのも忘れない。

その結果、10メートルほどは進むことができたのだが……。

「ダメか~」

「ペン~」

「フム~」

結局、最後は潮の流れに押し返され、振り出しに戻ってしまっていた。

「勢いが足りないのか? でも、もうこれ以上はどうしようもないぞ?」

「フムー……」

「ペン……」

「ああ、そんな落ち込むなって。ちょっと待てよ、他に方法がないか考えるから」

勢いをつける方法だと無理かもしれない。さっきの魔術併用よりも加速する方法は、今のところ思い浮かばないのだ。

だとすると、水の抵抗を減らす方法があればいいのか? 水の流れを一時的に無効化したりできれば……。

最初に試したのは、俺やルフレの水魔術を海流にぶつける作戦だ。これで海流の勢いを殺せないかと考えたのだ。

「無理か」

「フム」

少しは効果があったが、長時間続けることはできなかった。このまま無理に続けたら、あっと言う間にMPが枯渇してしまうだろう。

お次は潜水引っ張り作戦だ。ルフレたちが、海流が弱そうな水中から船を曳くというものだったのだが……。

そう甘くはないらしい。普通に海中にも水流の壁が存在していた。

その次は、ペルカを思い切りぶん投げて、海流を越えさせて、あとはロープなどで引っ張ってもらう作戦。

ただ、海流は想像以上に広範囲に及んでおり、そこを越えることができなかった。

「ならば、これでどうだ! いくぞペルカ! ルフレ!」

「ペーン!」

「フム!」

「どりゃああ!」

ひとつ前の作戦を少し改良した、ペルカ三段跳び作戦である。

途中まで水魔術で加速し、限界が来たらペルカを抱えたルフレがジャンプする。そして、ルフレもまた水魔術で加速し、限界が来たら今度はペルカがルフレから発射されるのだ。

「……これもだめか」

「フム~」

ルフレが海流に巻き込まれ、こちらに押し戻されてくるのが見えた。

本当にここを突破できるのか? とりあえずペルカが帰ってきたら――。

「ペギャー!」

「あ、カツオノエボシ……」