軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

329話 チェーンクエストの成果

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「さてさて、お米はどうなったかな?」

昨晩はホームの布団でログアウトしたので、水耕プールはすぐに確認できる。

「おお! 育ってるじゃないか!」

縁側から見える庭の奥。そこには青々と実った稲穂がはっきりと見えていた。この分なら、明日か明後日には収穫できるだろう。

「よしよし、米は順調か。さすがオルト!」

「ム!」

「この調子で頼むぞ。茸はどうだ?」

ちょっと期待していたんだが、ヒカリ茸の原木には何も生えていなかった。どうやら時間がかかるらしい。気長に待つしかなさそうだ。

さて、本当は畑でのんびりと生産&実験をしたいところだが、トーラウスのところに行かないといけない。昨日約束をしてしまったからね。遅れたら、好感度が下がってしまうどころか、クエスト失敗だってあり得るだろう。

「チェーンクエストだし、頑張らないとな」

30分後。

「おはようございまーす」

「モグ!」

「ムッムー!」

「やあ! 待ってたよ。今日もよろしく頼むね」

「はい」

昨日、雑草の仕分けを体験していないオルトとドリモは非常にやる気である。それに対して他の子たちのテンションはまあまあってところかな?

すっごい嫌そうではないけど、喜んでもいない感じだ。

そして、トーラウスの研究所でやることは今日も変わらなかった。ひたすら山になった雑草の仕分け作業。それだけである。

「ムムー」

「モグー」

オルトとドリモはまだ楽しげだ。だが、その笑顔がいつまでもつかな? くっくっく……。

まあ実際、過去のチェーンクエストの中でも、最も退屈で辛いクエストだろう。単純作業だけを長時間続けなきゃいけないのだ。

2日に亘るクエストに途中で何度も心が折れそうになったが、飽きてきたらモンスたちを愛でたり、時おりトーラウスが差し入れてくれるお茶を飲んでリフレッシュすることで、なんとか乗り切ることができたのだった。

あと、トーラウスとの雑談も面白かった。植物系の質問をすると色々と答えてくれるし、発見もあったしね。

そして日が落ちかける頃、俺たちは全ての作業を終えていた。

「終わったー!」

「ムムー!」

「モグモー!」

オルトたちも後半は表情消えてたね。今は両手を突き上げて、終わったことを喜び合っている。

「お疲れ様」

オルトとハイタッチをしていると、トーラウスが今日何度目か分からないフレッシュハーブティーを出してくれた。

「助かったよ。本当にありがとう」

「いや、俺も色々と勉強になったから」

実はトーラウスに籾の処理の仕方を色々と教わったのだ。専用の道具を用意しなくてはならないと思っていたんだが、石臼でどうにかなるらしい。

籾を石臼に入れておけば、後は放置でいいというのだから楽である。時間をかけ過ぎても、粉になるということもないそうだ。

籾はどうやっても玄米にしかならず、玄米や白米を長時間潰せば米粉になるらしい。いやー、風車塔を買っておいてよかった。

あとは途中の工程で色々と工夫をすることもできそうだ。乾燥させてみたり、殻の剥き具合を変えてみたりね。

しかもそれだけではない。何とクエスト終了間際に、新しいスキルを覚えたのだ。そのスキルの名前は『植物学』。というか、このスキルを覚えたからクエスト終了なんだろうか?

多分、雑草の鑑定数が関係していると思うが、鑑定する雑草の種類や品質なども影響するかもしれない。このクエスト以外でも習得可能かどうかも分からない。

ともかく、これはかなり画期的なスキルであった。まず、鑑定できる植物がさらに増えた。なんと、今までオブジェクトだと思っていた一部の植物を鑑定し、採取、伐採できるようになったのだ。

例えば、サウスゲートにたどり着く前に通り抜けた黄樹の谷底。そこで迷路を形成していた黄樹である。トーラウスの研究所には伐採された黄樹の素材が置かれていたのだが、それも問題なく鑑定できるようになっていた。

「イエローウッドが実は黄樹だったとは……」

染料に使うための素材らしいが、未だに採取場所が分からず、NPCショップでしか手に入らないアイテムの1つだ。

「さて、それじゃあ報酬を渡さないとね。これを受け取って欲しい」

「1500Gだな。確かに」

安いけど、植物学スキルが報酬みたいなものだから問題ない。

「もう暗くなるけど……。どうしようかね?」

まずは植物学の効果を試してみるか。

俺はサウスゲートの町から黄樹の谷底に戻り、フィールドを覆い尽くす黄樹の迷路を観察して歩いた。すると、今まで何もなかったはずの場所に、新たな伐採ポイントが出現していることを発見する。

普通の樹木は存在せず、今まではフィールドオブジェクトとしか思っていなかった黄樹の壁だ。

あとは普通の伐採と同じ要領だった。トーラウスの家で見せてもらった、イエローウッドの欠片というアイテムが入手できている。品質が★1なのは、俺の伐採レベルが低いせいだろう。

だが、これからでも塗料は作れるはずだ。

「うーむ……サクラやルフレなら使えるかね」

このままフィールドで伐採を続けるか? でも、籾を石臼にセットするのも早めにやっておかないとな。それに米料理を試すためにはもっと籾がほしい。収穫できるのが明日か明後日なのか分からない以上、今日この後に料理する分を採取しておきたい。

「それに、他の場所にもいきたいんだよな……」

植物学のおかげで、新たな採取物が増えたはずだ。今パッと思いつくのは、米を発見したフィールドのセーフティーゾーンだな。あそこに生えていた夜になると光るリンドウ。あれは採取できるんじゃなかろうか?

他には、いくつかのセーフティーゾーンが花畑になっているので、そこは回っておきたい。

「あー! やばい! やらなきゃいけないことが多すぎる!」

ふっふっふ。いいだろう。腐っても俺は社会人。効率的に仕事をこなすプロ! 今日中に全部こなしてやろうじゃないか!

社会人の底力を見せてやるぜ!