軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

330話 植物学

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昨日は本当に忙しかったが、それだけの収穫はあった。

まず、植物学スキルに関して。

あれから色々なフィールドを巡ってみた結果、黄樹からゲットできるイエローウッドの欠片以外にも、採取、伐採ポイントを発見できていた。

籾をゲットした湿地のセーフティーゾーン。光る花が綺麗だった場所だ。ここでは、狙い通りに蛍光リンドウという素材が入手できた。雑草ではなく、ちゃんとした素材扱いだ。光胡桃やヒカリ茸と同じ系統なんだろう。

北の第4エリアである緑毒の沼では、グリーンウッドの欠片という染料アイテムをゲットできた。これが伐採できたのは、このフィールドに生えている緑茨という樹木だ。黄樹と一緒で、これまではフィールドオブジェクトと思われていた存在である。

どうやら第4エリアには染料アイテムがあるらしいのだが、東の第4エリアである赤石の山、西にある青の砂漠では何も発見できずじまいだった。

俺は少し情報を集めてみることにした。北と南では、第4エリアで入手できる染料アイテムが、その先の第5エリアで販売していた。つまり、第5エリアで売っているアイテムを調べれば、第4エリアで手に入る染料が分かるという算段だ。

色々と情報を集めてみると、東と西の第5エリアで販売している染料アイテムは、レッドストーンの欠片、ブルーストーンの欠片という名前だった。

どうも、採取ではなく採掘で手に入るっぽい。多分、植物学ではない、特殊なスキルが必要なんだろう。鉱物学とか、そんなスキルがあるのかもしれない。

植物学に関してもっと検証したいが、時間がなかった。米が俺を待っていたのだ。

その後はとにかく米で色々な実験を行いまくった。

まず気になったのが、リアルとの相違である。ログアウト中に調べてみたんだが、普通は脱穀の前に乾燥させるらしいが、ゲーム内ではどうすればいいのか?

そもそも、採取した時点で籾だから、脱穀が終わっているようなものだしな。とりあえず、籾摺り前に、アーツで乾燥させてみることにした。

他は、石臼でなくても精米が出来るのかどうか? 炊き方はどうするのか? 土鍋と普通の鉄鍋で味や品質に差はでるか? また、ルフレに渡して、日本酒や米酢を仕込めるか?

とにかく色々やってみたね。

精米は石臼でやると品質が上がるものの、手動でも不可能ではなかった。空き瓶や壺に籾を入れて、棒で突くだけなのだ。

しかし、味がかなり違う。水や他の食材ではあまり品質差というものを感じたことはなかったんだが、米に関してはかなり敏感に違いを感じ取れていた。食感と、甘みがそれなりに違っている。

日本人として米に関しては敏感なのか、運営の力の入れようが違うか、どちらかだろう。

人によって個人差はあると思うが、俺は乾燥させたうえで、石臼で白米にしたものが一番おいしく感じた。

しかも、精米をすると白米だけではなく、米糠も入手することができていた。

ただ、さすがに糠漬け以外の利用方法は知らんし、糠漬けもリアルにはやったことはない。とりあえずルフレに渡して、糠漬けを作ってもらうつもりだ。

「みんなおはよう」

「あいー!」

「ウニャー」

「ワン!」

寝室から縁側に出てみると、マスコットたちが座って庭を眺めていた。座敷童のマモリ、三毛猫のダンゴ、マメ柴のナッツの順番で並んでいる。

少女の横に、子猫とマメ柴のお尻が並んでいる後姿は凄まじく可愛い。

「おー、これは……」

よく、黄金の海なんて言い方をするが、まさにその言葉にピッタリの光景がそこには広がっていた。昨日まではまだ青かった稲が黄金色に色付き、日の光を受けて本当に輝いて見える。

「あい!」

マモリが俺を手招きしつつ、自分の隣をポンポンと叩いている。座れって言うことなんだろう。

「まあ、少しだけならいいか」

「あいー」

結局、30分くらいその場でまったりしてしまった。いやー、これから何日かおきにこの光景が見れるなんて、嬉しいね。

「さて、そろそろ稲刈りをしますか」

いや、稲刈りはオルトたちに任せて、植物学の情報を売りに行った方がいいか? でも今は手持ちに余裕があるし、米の収穫を優先しようかな。精米の時間もあるから、早く収穫したいし。

「じゃあ、水田いくか」

「ムム!」

「おお、オルト」

水田の方からオルトが駆けてきた。

「ムッムー!」

「もしかして初収穫のために待ってたのか?」

「ム!」

「――!」

「トリリ!」

「サクラとオレアも一緒か」

元気いっぱいのオルトたちが、俺を水田に向かって引っ張っていく。

収穫は非常に簡単だった。稲を引き抜けば、それでインベントリに籾が収納されるのだ。

「品質も湿地で穫れるやつより高いな! よーし、この調子で全部収穫するぞ!」

「キキュ!」

「ヤー!」

「フマ!」

「おお、みんなも来たか」

いつの間にか、オレアとサクラだけではなく、リック、ファウ、アイネまで集まっている。まあ、みんなで稲刈りも楽しいか。

そうして、みんなで一列に並んで収穫を進めていった。いや、リックは途中で離脱した。この水田、水がなくなっていなかったのだ。そのせいで、リックが溺れかけたのである。

半日後。

「結局、焼きおにぎりが一番効率がいいかな」

昨日からの総決算として、本気で米料理を作ってみた。その中でも特に美味しかったのは、蟹チャーハンと、焼き鳥丼。あとはキノコと川魚の炊き込みご飯もよかったか。いやいや、ピラフも――。

おっと、少し脱線してしまった。とにかく、材料も贅沢に使い、美味しい料理の数々はできあがった。

だが、意外とバフ効果は低いのだ。というよりも、材料の豪華さに合っていないと言った方がいいだろうか。多分、俺の料理スキルのレベルが低いせいで、材料のバフ効果を引き出しきれていないんだと思う。

そんな中で、材料も少なく簡単な調理でありながら、良いバフが付いた料理もあった。それがおにぎりだ。

鮭の代りにアユの解し身を入れたアユおにぎりや、ウナギの蒲焼を刻んで入れたウナギおにぎり等、どれも美味しく効果も良かった。中でも特に費用対効果に優れていたものが、焼きおにぎりと、味噌おにぎりである。

醤油を塗って焼いただけの焼きおにぎりは、一定時間HP回復速度上昇。味噌を塗っただけの味噌おにぎりには、一定時間MP回復速度上昇のバフが付いていた。

戦闘前でもすぐに食べれるし、調理も簡単だし、これはいいレシピを見つけた。

「もぐもぐ……。やっぱ米だよな」

「モグモ!」

「フム!」

しかも一部の米料理は、ドリモもルフレも食べることが可能だった。例えば、蟹チャーハンだ。多分、ドリモにとっては野菜や穀物の扱いで、ルフレにとっては魚介料理扱いなんだろう。

具材の量を増やしていけば、うちの子たち全員で同じものを食べることが可能になるかもしれない。これは研究のし甲斐があるだろう。

まあ、甘味好きのオルトとクママも一緒にというのは難しいかもしれんが。特にルフレはな……。甘い魚介料理? そんなものあるか?