軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

245話 新卵

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今日は第3エリアの各町を歩き回るつもりだ。アリッサさんに情報を売りに行くのはその後かな? できればそれまでに他の隠し通路の情報も手に入れたいところだが、そう簡単にはいかないだろうな。

その前に各畑での仕事や調合などを全て済ませて、さっさと出かける予定だったんだが……。それどころではなくなってしまった。

「おー、久々の卵じゃないか!」

「キキュ!」

「ヤー!」

納屋の前に、茶色と赤のマーブル模様の卵が置かれていた。出迎えてくれたリックとファウが、俺の両肩に乗ってドヤ顔をしている。鑑定すると、この2体の間に生まれた卵だ。

「おおー。やったな!」

「キュ!」

「ヤー!」

にしても、デカくないか? 一抱えはある。小型サイズであるリックとファウの間に誕生した卵なのに、オルトとサクラの卵と同じ大きさだった。というか、本人たちよりも遥かに巨大だ。

まあ、魔力が混ざり合って生み出されるという設定だし、親のサイズは関係ないってことなんだろう。

「孵卵器を用意しなきゃな……。ヒムカ、とりあえずアイアンインゴットを用意してくれるか?」

「ヒム!」

属性結晶は火結晶がある。あとは孵卵器を買って来れば属性付加孵卵器を作れるだろう。俺は皆に畑を任せると、足早に獣魔ギルドへと向かった。

生産技能孵卵器と戦闘技能孵卵器で迷ったが、ここは戦闘技能孵卵器を購入することにした。生産技能を持った子はたくさんいるしね。

畑に戻るとすでにヒムカがアイアンインゴットを作っておいてくれたので、それを使って孵卵器を作る。

名称:火属性付加戦闘技能孵卵器

レア度:4 品質:★6

効果:孵卵器。誕生するモンスターの初期ステータスがランダムで+5。初期スキルにランダムで戦闘技能が追加。初期スキルに火属性スキル、火耐性が追加。

ソーヤ君に頼まないで自作をしたんだが、結構いいできじゃないか! 俺の錬金のレベルも結構上がってきたってことかね。これで今後は自前で孵卵器を用意できるぞ。

リックとファウの卵を孵卵器にセットして、納屋に安置した。これで数日後にはモンスが孵るというわけだ。

「どんな子が生まれるんだろうな」

「キュ?」

「ヤ?」

本人たちにも分かっていないようだ。そもそも、外見も能力も全然違う2体だ。妖精っぽいモフモフ? モフモフの妖精?

白いイタチと激闘を繰り広げたガンバり屋のネズミたちみたいに、服を着て直立歩行をするリスが生まれたりしたら可愛いんだけど。ドリモとレトロアニメコンビ結成だ。

まあ、生まれてからのお楽しみだな。

「さて、改めて仕事を終わらせて、出かけるとしようか」

「キュー!」

「ヤー!」

まず俺がやりたいことが、温室の設置である。昨日は色々あって忘れてたからね。オルトにどこに設置するのがいいか尋ねると、果樹園に設置してほしいということだった。

「このままここに設置して平気なのか?」

「ム!」

オルトが頷く。大丈夫であるらしい。そのまま温室を設置すると、畑1つを大きなガラス製の温室が覆った。

「おおー、かっこいいじゃないか!」

「ムムー!」

外から見ると、中には果樹が植わっており、本当に植物園みたいだな。樹木や特殊植物の育成速度上昇、品質上昇の効果があるそうなので、果樹の収穫率が上昇してくれるだろう。

1時間後。

全ての作業を終えた俺たちは、西の町の広場にやってきていた。急いで東の町へと行きたいところなんだが、その前に寄らないといけない場所がある。

「久しぶりだな」

「あ、白銀さんじゃん! おひさー」

シュエラの店にやってきたのだ。ルインのところと迷ったが、前回もローブはこっちで買ったので先に覗きにきたのである。

今日はシュエラだけらしい。抑え役のセキがいないことに一抹の不安を覚えつつ、ローブの耐久値を見せてみる。

「ローブがこんなになっちまってな」

「あやー、これは酷使したね~。耐久値の回復? それとも新調しちゃう?」

「どうしよっかな」

金を払うと耐久値を回復してもらえるんだが、性能が僅かに低下してしまう。これは複雑な計算式があるそうだが、一気にたくさん回復する程、より低下率が上がるそうだ。

しかし、耐久値の回復費用は一度にたくさん回復した方が安上がりである。つまりお気に入りの防具をずっと使いたければ、多少割高でも耐久値の回復をこまめに行わなければいけないということだった。

今回俺が持ち込んだ魚鱗のローブの場合だと、確実に防御などが下がる。ボス戦で追い込まれ、残り耐久値が20になっているのだ。

「新調しちゃうかな~」

「その方がいいよ。ね、うちで買ってくれるんでしょ?」

「まあ、とりあえず見せてもらおうか」

「ふふ! それはわたしへの挑戦だね? いいよ、私の自信作をとくと見るがいい!」

シュエラがジャーンと言いながら、いくつかのローブを提示してくれる。それらは自信作と言うだけあって、かなり高性能だった。お値段もその分高いんだが。

名称:耐火のローブ

レア度:4 品質:★7 耐久:240

効果:防御力+41、火耐性(小)、耐暑(小)

装備条件:精神10以上

重量:3

名称:精霊布のローブ

レア度:4 品質:★7 耐久:200

効果:防御力+46、魔法耐性(微)

重量:3

名称:銀糸と精霊布のローブ

レア度:4 品質:★5 耐久:170

効果:防御力+40、精神+1、知力+1、魔法耐性(小)

重量:4

名称:猪人兵のローブ

レア度:5 品質:★5 耐久:330

効果:防御力+67、知力-2

装備条件:体力13以上

重量:5

名称:堅殻蟲のローブ

レア度:5 品質:★4 耐久:290

効果:防御力+69、火炎弱体化(小)

装備条件:腕力15以上

重量:6

ほとんどが精霊門の素材を利用して作った防具たちであるらしい。全てが魚鱗のローブより強い。

「どうどう? なかなか良いっしょ?」

「ああ、後ろの2つ以外は装備できる」

「あ、やっぱこれは無理? うちだと一番強いローブなんだけどね。第6エリアの素材と第5エリアの素材を使ってるんだ」

「やっぱ、あの辺の装備になると、装備条件がきついな」

「まあね~。白銀さんには無理かー」

的確な評価をありがとう。

このラインナップだと精霊布のローブか、銀糸と精霊布のローブがいいだろう。物理防御、魔法防御、どちらをとるかだが……。ここは物理を優先して精霊布のローブにしておいた。

俺のステータスなら、魔法防御は平均レベルはあるからだ。

「へへ~毎度あり! あ、また何か売れる素材はないの? 相殺できるかもよ?」

「あー、素材か……」

とりあえず火霊門で得た素材を出してみる。実験に使えるかもしれないから、全ての素材は少しずつ残してあるが。

「いいじゃんいいじゃん。量もあるし!」

「あとは……これかな?」

アメメンボ、ヘドロンの素材も出してしまおう。アリッサさんのところにも持ち込みたいから半分だけどな。それと、アメメメンボの素材もとりあえず取っておくことにした。

「こ、これは……さすが白銀さん。しれっと未知の素材を取り出すのね! うふふふ。キタキタキタキタァァ!」

「お、おう?」

「いいわね! いいわよ! これならかなりおまけしておいて、こんな感じでどう?」

「え、こんな安くしてくれるのか?」

「モチのロンよ! 新素材なんだから、ちょっと高めでもゲットしないと!」

なんと10万超えのローブが、3万になってしまった。いいのか? でも、向こうが提案して来たんだからいいんだよな。

「じゃあ、それで頼む」

「うへへへ。これで何作ろうかな! セキがいない今、わたしの独り占めだし!」

どうやらセキがいないことが、俺にとっていい方に作用したらしい。新素材欲しさに相場を無視して買い取りをしてくれたのだろう。

それにしても、ヘドロン、アメメンボは未発見モンスだったか。じゃあ、東の町の地下道にも、知らないモンスターがいるかもしれん。

ヘドロンはテイム可能だったが、こっちはどうだろう? 面白そうなモンスがいたらいいんだけど。

「じゃあ、東の町に行くぞ!」

「ムー!」