軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

169話 オブジェクト設置

死に戻ったルフレを再びパーティに加えた後、俺たちはルインの店へ向かった。今日はアリッサさんと一緒に北の町の広場で露店を開いているらしい。

「ども」

「おう。早かったな」

「まあ、土霊門に籠ってたんで。いやー、北の町にいてくれて良かったです」

「最近は第5エリアで店をやってるんだが、数日は北の町にいると思うぞ?」

「なんでですか?」

「おいおい、土霊門のせいにきまってるだろうが。元はといえば、お前さんがきっかけを作ったんだぞ?」

俺に限らず、土霊の試練に挑んだプレイヤーから効率よく素材を買い取るためであるらしい。まあモンスタードロップも、鉄鉱石も、鍛冶屋にとったら喉から手が出るほど有用なんだろうしね。

「ほれ、こいつが頼まれてた杖だ」

ルインがデータのやり取りではなく、わざわざインベントリから取り出して手渡してくれたのは、一本の美しい杖だった。緑の木の枝と、流れる青い水が絡みつく様な意匠をしており、先端には青い宝石の様な物が付いている。ルインのドヤ顔も頷けるね。

名称:ブルーウッドの杖

レア度:4 品質:★7 耐久:240

効果:攻撃力+8、魔法力+49、水系魔術威力上昇(中)、樹系魔術威力上昇(小)、水耐性(小)

重量:2

しかも、かなり強いぞ! 水系魔術の消費軽減はなくなってしまったが、水系威力上昇は中になっている。樹系魔術の威力上昇もリクエスト通りに付いている。魔法攻撃力も強いし、最高だ!

「基本は水樹だが、水鉱石や牙大魚の牙や鱗を錬金で混ぜることで耐久性を上昇させている。先端の宝石は水霊の欠片と、俺が用意したビー玉を合成したものだ」

「なるほど」

詳しいことは分からないが、単なる木製の杖ではないって事ね。

「重さが1増えちまったが、大丈夫か?」

「ああ、それは大丈夫」

「なら良かった。それと、これが残った素材の買い取り分だ。渡された素材は大部分を使っちまって、あまり素材の代金は渡せねーが」

「いやいや、これだけ強い杖作ってもらったんだから十分ですよ!」

ルインからは3000G程が渡されたが、こんな強い杖もらってお金まで返って来て、文句があるはずもない。これで探索がよりサクサク進むぞ!

「あ、じゃあこれは返しますね」

「おう」

俺は借りていた樫の杖を返すと、ルインの店を後にした。早くこれで戦ってみたい! ただ、その前に購入したばかりのホームオブジェクトの設置だ。

最初は始まりの町である。

「オレア、ただいま」

「トリー!」

「こいつを設置したいんだが、どこかいい場所有るか? オルトもどこがいいと思う?」

「トリ~?」

「ムム~?」

「トリ」

「ム」

何やら相談しているのだろうか? オレアとオルトが小首を傾げて向かい合っている。そして、2人一緒に俺を先導して歩き出した。どうやらいい場所があるらしい。

「トリトリ~」

「ここか?」

「ムム」

俺はその後、オルト達に案内されるがままにワームボックス、腐葉土箱を設置していった。ホームマイン、遮光畑はちょうどいい場所があるので、そこに設置してしまったが。

ワームボックスは一見すると単なる木箱だが、設置する時に効果範囲を決める必要があったので、問題なく動いているんだろう。

遮光畑は元々作ってあった地下畑を埋めるような形で設置しておいた。これがあれば向こうはもう必要ないしね。これが素晴らしいのは、畑一つを潰してしまう代わりに、20マス全部を地下畑に出来るって点だな。自力で作った地下の畑が馬鹿らしく思える性能である。

ホームマインは雑草畑を10マスも潰したが、採掘できたのは銅鉱石が1つだけだった。これって、どれくらいの間隔で再採掘できるんだろうか? もし1日で1回しか採取できないんだと、元を取るのにどれくらいかかるか分からない。そもそも、畑を10マスも潰した価値が無いんだが……。これも数日使って様子を見るしかないだろうな。

次に東の畑だ。こちらにはスプリンクラー、ワームボックス、腐葉土箱を設置する。スプリンクラーは自動的に水を撒いてくれるので、少しは畑仕事が楽になるだろう。始まりの町はオレアが居るので、スプリンクラーは当面は設置しないつもりだ。

「さて、ダンジョンに戻ろう。あ、その前にギルドでお金を預けておかないとな」

また忘れるところだった。俺は当面必要な分を残して、ギルドにお金を預けた。これで死に戻っても大丈夫だぞ。

「改めて、ダンジョンに行くぞ~!」

「フム~!」

「ルフレはまだステータスが元に戻ってないから、前には出るなよ?」

「フム~……」

やる気満々の様子だったルフレが、残念そうに突き上げていた拳を下ろす。おいおい、どうしてそんなにやる気なんだ? 死に戻ったばかりなんだぞ?

死に戻りのせいで、ルフレはステータスが減少したままだ。各種与ダメージが下がるのは勿論、防御力も減少して被ダメージも上昇している。この状態で壁役なんかさせたら、あっと言う間にまた死に戻るだろう。

なのでしばらくは命を大事にしてもらいつつ、後ろから補助役だな。ルフレは回復もできるし、そっちの方が向いているかもしれない。そんな事を考えながら土霊門の前に到着した時、俺は大事なことを思い出した。

「あ! ルインに土結晶売ってない」

それだけではなく、鉄鉱石やモンスターの素材も少しあったのに。杖があまりにも素晴らしすぎたので、舞い上がっていてすっかり忘れていた。

「まあ仕方ない。次の休憩時に売りに行こう。またバリバリ採掘するぞオルト?」

「ム!」

「サクラ、リックは攻撃を頼むな?」

「――!」

「キュ!」

「あと、盾役のルフレがいない分、ファウは前に出過ぎるなよ?」

「ヤー!」

「で、クママは直接攻撃よりも、どちらかといえば盾役を意識してくれ」

「クマ!」

皆が元気に手を上げてくれるので、指示するのが気持ちいい。うんうん、ルフレの穴は皆で埋めないとね。

「よし、行くぞ~」