軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1490.解決です!

「そ、それにしても、恐ろしい敵でしたね……」

「全くです」

プレイヤーを不死の魔物に変え、その隙に普通に『会話ができる偽物』を紛れ込ませる。

さらに偽物の肩に乗った従魔のフリをした元凶の魔物を、見つけ出して打倒。

そんな難しい問題を、見事に解決してみせたメイたち。

「おーい!」

「ザッハ! それにゲンサンも!」

するとそこに、行方不明だったハウジングプレイヤーのザッハたちが駆け戻って来た。

「やっぱり、あの不死の魔物はオマエだったのか?」

「ああ、そういうことだな……いや、さすが異世界やられたぜ。魔物化は【喰らいつき】を喰らうと感染するんだな。発症後は元のパーティメンバーや、距離の近いプレイヤーを狙うことになるんだよ」

「そうなるとやっぱり、これまで戦ってきた魔物の中にもプレイヤーが……」

「ああ、オレなんかがそうだ」

そう言ってゲンサンは、苦笑いを浮かべる。

「魔物と化した後は、プレイヤーを倒すことで大きく経験値が入ったりするし、事実に気づいた誰かが『元凶』を倒してくれれば、さらにステータスがプラスされたりするんだ」

「なるほどなぁ……」

魔物側でプレイして、普段は味方のプレイヤーと戦うことで、経験値や特殊なスキルが得られたりステータスが伸びたりする。

こうなれば、不死の魔物として動くのも一興。

どうやら、そういう形式になっているようだ。

「でもパーティを内側から壊す術を、クエストですらない形で仕込んでくるって恐ろしいわね」

「は、はひっ……!」

やはり街づくりを狙ってくる異世界の魔物の攻勢は、力づく以外の方法もあるようだ。

思わず息を飲む、レンとまもり。

「ただ、不死の魔物のままでプレイはちょっと大変そうだけどね」

「ずっと化物のまま遊び続けるというのは……」

「最初はどうして魔物化したのか分からなくてさ。【喰らいつき】を受けてしばらくしてからの発症だったんだよ。そうなるともう原因が分からんだろ? それと不死化もしばらくそのままだと崩壊して『死に戻り』になるみたいなんだ」

何が原因か分からない程度の、時間を空けての発症。

そして経過で崩れて死に戻るという、回復法まで謎のままになる仕様。

どうやらこれが、『不死の魔物』が七不思議化した理由のようだ。

「なるほどね。それなら何が元凶でプレイヤーが消えているのか、なぜ不死の魔物が現れるのかっていう問題も謎のままだわ。誰かが元凶に気づくまでは」

「元凶が気づかれた時点で【喰らいつき】からの不死化が『即時』になって、事実が色々と分かるわけですね」

「ただよぉ……」

「ただ、なんだ?」

「不死の魔物になるの、めちゃくちゃ楽しいぞ……! 戦闘中に極・魔剣を呼んで驚かれた瞬間とか、最高だったからな!」

「……だろうな。後々死に戻ってこられると分かってる状態で魔物化して仲間と戦って、しかも七不思議に関わってるなんて楽しすぎるだろ」

「確かに魔物と化して暴れ回る経験は、なかなかできませんね」

「ちょっとワクワクしちゃうかも……っ!」

「できればあの後、『極・魔剣……助けて』か『殺してくれ』と続けたかった……!」

「いやそれ怖すぎだろ!」

「「「あははははっ!」」」

まだわずかに理性を残す元人間の化物が、言いそうなセリフシリーズに思わず身震いする極・魔剣。

「でも、めちゃくちゃドキドキできそうだ……!」

これには好奇心が混ざって、思わずノドを鳴らしてしまう。

なんだかんだ言って、ハウジング組は楽しそうだ。

「それにしてもさすがでしたね。まさかここにきて七不思議の一つである『不死の魔物』問題を解決してしまうとは」

こうして不死化の問題は、無事に解決。

これには遅れてやって来たマーちゃんも、驚きを見せている。

「ツバメの【隠密】があったから提案してみたんだけど、やってみたかいがあったわね」

「レンちゃんすごーいっ!」

「さすが闇の世界を――」

「それは関係ないんだってば! ……一応確認しておくけど、メイは本物よね?」

「…………」

「メイ!?」

「あははははっ、本物だよっ」

「もう、驚かせないでよ」

レンはメイの頬をグイグイと指で押して遊ぶ。

「私が入れ変わった場合、そのまま気付かれない気がします」

「わたしはすぐに気づくよ!」

「あっ、ありがとうございます……レンさんの場合は、光と闇を超えし者モードに入れるかどうかで分かりそうです」

「やらなくていいわよ? まもりには、食べ物クイズでも出そうかしら」

「ど、どんなクイズが出るのか気になります……っ」

思わぬ思い付きで、街づくり組の崩壊を防いだメイたち。

あらためて安堵の息をつく。

「これで大きな問題が解決できたな! よかったよかった!」

「ザッハとゲンサンはハウジング能力を考えても、大事な戦力だったからな」

「五月晴れがいてくれたおかげで、大きな問題になってしまう前に収束できたよ」

「お二人も戻ってきましたし、このまま街を完成させちゃいましょう!」

「「「おう!」」」

こうしてハウジングのエース格である二人が戻って、始まる街の建築タイム。

ここからはもう皆で修正などを入れつつ、細かな調整や飾りなどをしていく段階だ。

帰ってきた二人によって、あっという間に工程が進んで行く。さらに。

「おつかれさまーっ」

「今日も街づくりをしに来たのですな」

「がんばろうね」

そこにローチェたちも合流。

「さあ、最後の工程に入るぽよ! 街の完成はもう目の前ぽよーっ!」

「がんばります!」

「闇教会の完成は、もう目前……」

さらに掲示板組も、街作りの続きを行うためにやって来た。

「私は最終工程の準備に入ります!」

マーちゃんはそう言って、準備に入る。

「教会に置いたマリア像に、地脈の魔力をリンクさせれば、これ以上魔物の攻勢を受けることはありません」

こうしてついに、街作りは最後の工程へと入った。

残った作業は各施設の完成と、街に結界の魔力があふれるのを待つことだけだ。