軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1066.侵攻

「準備ができたら少しずつ大きな村や町を狙って侵攻を進めていく。考古学者の言った通りね」

村人に化けたトカゲたちの狙いに、すぐ気がついたレン。

そして町への道を知る、掲示板組パーティ。

商隊のフリをして町の乗っ取りに向かうトカゲの一団に、先回りを仕掛けるため岩場を駆ける。

その道は荷車で進むには厳しいが、冒険者なら難しくはないレベルだ。

「間に合った!」

遅れれば、そのまま町が乗っ取られていってしまうこの防衛クエスト。

無事、先回りに成功した。

するとわずかに遅れて、町の出入り口に立つメイたちの前に、馬車の一団が止まった。

そこから三十人ほどの、村人に化けたトカゲたちが降りてくる。

「ここから先へは、進ませませんっ!」

「悪いけど、お引き取り願うわ」

メイとレンが武器を構えると、負けじと村人たちも得物を取る。

待ったなし。

町の防衛を賭けた戦いが始まった。

「【ソードバッシュ】!」

すぐさま放つ、メイの衝撃波。

速い移動で回避を狙うが、数匹の村人が消し飛ばされて転がる。

「本当にトカゲだ!」

変身が解けた姿を見て、掲示板組パーティが驚きの声を上げた。

「【加速】【電光石火】!」

ツバメの斬り抜けは、ダメージにして3割強ほど。

「【反転】【加速】【アサシンピアス】!」

それを見てすぐさま返しの一撃を叩き込み、打倒に成功。

「【連続魔法】【誘導弾】【ファイアボルト】!」

駆け寄ってくる村人トカゲたちに、レンは下がりながら魔法をぶつけていく。

そして四体の村人が集まってきたところで、まとめて吹き飛ばしにかかる。

「【フレアバースト】!」

こうして集まってきた五体の村人トカゲを、一つの流れで打倒することに成功。

「お、おい、なんだあれ!」

メイたちが優位を取った、出入り口での戦い。

そんな中で上がった声は、掲示板組パーティのもの。

見れば町の内部で、武器を持った町人が暴れ回っている。

それも複数人だ。

「きゃああああーっ!」

あがる悲鳴。

どうやらあらかじめ町に潜り込ませていたトカゲ部隊が、動き出したようだ。

「そうなるわよね……! 人間に化けて村や町を乗っ取るんだったら、先に現地にも伏兵を置いておくのは当然だわ」

「おい、行くぞ!」

「これ、本当に世界を違う形で滅ぼせるヤツだろ……っ!」

これを見た掲示板組パーティは、すぐさま町の中へと駆け出す。

「まずはとにかく、襲い掛かってる方を叩け!」

「もう戦ってるところはどうする?」

「これまでのことを考えると、ほとんど声を出さずに戦ってるのがトカゲになるはずだ!」

「「了解っ!」」

掲示板パーティはトカゲと町人の見分け方を考案し、町人の防衛に回る。

「【ソードスラスト】!」

速い移動からの刺突を放つと、慌てて下がって回避。

見事な動きだが、これは避けられても『町人を巻き込まないため』の予備段階として活きる。

「【ランスフレイム】!」

放った炎の一撃は、駆け抜ける炎。

町人を巻き込まずに、村人トカゲのみの攻撃に成功。

「【ジャベリンアサルト】!」

そこに追撃が突き刺さり、町人トカゲを吹き飛ばす。

狙い通り、連携を決めることに成功した。

「掲示板組、何気に戦い上手よね」

相変わらずの判断の早さに、感嘆するレン。

とはいえトカゲたちの侵攻は、エンドコンテンツだ。

体力も高いため、シンプルな連携では一発打倒には至らない。

そうなれば数に勝る敵に、挟み撃ちされるような形にもなってくるだろう。

「跳んだぞ!」

ダメージを受けた町人トカゲは大きな跳躍で、その手に大型の戦斧を掲げる。

輝くエフェクトは、地面を割るタイプの範囲攻撃。

「【誘導弾】【フレアストライク】!」

レンはすぐさま援護射撃で、トドメを刺す。

「ここはメイとツバメに任せて、私たちは町の方で共闘しましょう!」

「はひっ!」

レンはまもりと共に、町の中へ駆け込むことを選択した。

「高速【連続魔法】【フレアアロー】!」

放たれた速い魔法は曲がり、町人トカゲを撃ち付ける。

「【斬空断】!」

すかさず掲示板組剣士が速い踏み込みから、大技を叩き込む。

これなら二撃で一体の打倒が可能だ。

「っ!」

しかし掲示板組剣士のスキル使用直後を、町人トカゲは狙っていた。

古いデザインの短剣を持ち、高速移動攻撃で必殺を狙う。

「【かばう】【地壁の盾】!」

割って入ったまもりがこれを防御し、空いた手に持った剣を引く。

「はああああ――っ!!」

そのまま【魔神の大剣】を叩き込み、しっかりとクリティカルで打倒寸前に持ち込めば。

「【投擲】!」

掲示板組忍者の毒クナイが刺さって、トドメとなる。

「さあこっちよ! 【誘導弾】【フリーズボルト】!」

レンの魔法は誘導が効いているため、魔法弾ならトドメにもターゲットを引き寄せるのにも有効。

こうしてトカゲを引っぱり出してやれば、本物の町人たちは逃げることが可能となる。

見事な流れで、町民の犠牲なしのまま戦いを進めていくレンたち。

「お、おい、マジかよ……」

しかし掲示板組パーティの一人が、突然その足を止めた。

「これは、どういうことだ……!?」

まさかの事態に、硬直する掲示板組パーティ。

町中に先んじて設置されていた荷車を降り、レンたちの前に現れたのは、見覚えのある聖騎士の姿。

「……ア、アルトリッテさん」

現れたのは、【エクスカリバー】を腰に下げた金髪の少女、アルトリッテだった。

「これもトカゲの化けた姿のはずよ。本物ほどではないにしろ……間違いなく簡単にはいかない相手だわ」

レンの言葉に、掲示板組パーティは気合を入れ直した。