軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第92話 救出作戦

ゾンビ軍団をサキュバスのアナミスのもとに差し向けた。

《これで正門付近の障害を増やせるだろう。すぐに都市の外から攻め込まれる可能性もあるからな・・》

ゾンビが歩いて行くのを確認して、ポール達を護衛しているギレザムに無線機で連絡をとる。

「ギル!そっちの状況はどうだ?」

「はい、まもなくポール殿のお屋敷につくところです。」

「じゃあ中に入る前に、屋敷の中をジーク、ティラ、タピに探らせろ。安全を確保したらポールさんと使用人たちを中にいれるんだ。終わったら連絡しろ。」

「はい。」

ギレザムに指示を出し、すぐに俺達はガザム達の救出作戦に移る。

マクミランTAC-50 スナイパーライフルを召喚した。

「マリア。この武器を使ってくれ。」

FWS-Sスコープを取り付けてマリアに渡す。

「ENVG-B暗視ゴーグルとこれを連結すればハッキリ見えるはずだ、上空から狙撃してもらう。」

「わかりました。」

マリアはスナイパーライフルを受け取りENVG-B暗視ゴーグルをかぶって、狙撃用のFWS-Sスコープに連結した。俺は次に軍用の救助ストレッチャーを召喚した。

「シャーミリアとマキーナはこれにマリアを乗せて飛べるか?」

「問題ございません」

ストレッチャーを土台にして上空からの狙撃をさせる作戦だった。

「今、ガザム隊が広場付近の岩壁に足止めを食っている、前進も後退も出来なくなってしまったらしい。原因はファートリア魔法師団に待ち伏せをされていたからだ。すみやかにこれを排除して仲間を救出する必要がある。上空の安全圏から狙撃して魔法使いを各個撃破していく。」

「「「はい!」」」

「ルピア、バックパックを降ろしてくれ、そろそろカラになる。装填済みのバックパックと交換だ。」

「はい」

俺は新しいバックパックを召喚して、ルピアのカラになりそうなバックパックと取り換えてやる。

「マリア!上空に飛んだ後で、地上にいる魔法師団を攻撃する。」

「はい」

俺はさらに作戦を追加した。敵の攻撃が単純で分かりやすすぎる、確実に敵の罠が張られているはずだからだ。

「しかし、その前に岩壁上のグラドラム墓地を確認する必要がある。間違いなくいま相対している魔法師団はおとりだ。敵が岸壁の上に潜んでいると考えられる。グラドラム墓地に敵兵がいた場合はこちらを先に遠距離狙撃で仕留めろ、こちらの攻撃で敵の陣形が崩れるのを確認したらルピアが上空から、M240中機関銃で掃討する。ここまでの作戦で質問は?」

「「「「ありません」」」」

マリア、シャーミリア、マキーナ、ルピアの返事が来る。

「お前たちが岩壁上のグラドラム墓地を掃討している間に、俺はファントムと一緒に南側の岩壁まで進み、壁伝いに魔法師団部隊の側面に向かう。俺達が攻撃可能な範囲まで到達したら合図をする。即時、地上の魔法師団を攻撃開始する。質問はあるか?」

「「「「ありません」」」」

「よし。」

全員に作戦の確認をして、ガザムに連絡をする。

「そちらの様子は?」

「狙われているのは分かりますが、魔法の攻撃は止まっています。おそらくこちらが動くのを待っているのでしょう。」

「よし、これから俺達が魔法師団排除作戦に移行する。ガザム隊は魔法師団を黙らせるまで待て。」

「は!」

通信を通して話していると、ギレザムから報告が入る。

「ポール邸には見張りが4名ほどおりましたが、すみやかに排除しすべての人員を館内に入れました。次の作戦はいかがなさいますか?」

「よし!ではティラ、タピ、スラガをガザム隊のいる広場東の岩壁によこせ。俺たちの攻撃が終わるまで一番東側の家の陰に隠れていてくれ。俺達が敵を制圧した後で負傷したマズルを救出し、ティラとタピで負傷したマズルをポール邸まで連れていけ。スラガにはそのままマズルの代わりに作戦行動に参加してもらう。ギレザム!そこにポール王はいるか?」

「はい」

「代わってくれ」

「ラウル殿!無事に避難する事が出来ました!ありがとうございます!」

ポールが無線機越しにお礼を言ってきた。

「いえ、無事で何よりです。それで・・魔人が一人負傷しました。これから救出してそちらに連れていきます。治療をお願いできますでしょうか?」

「もちろんでございます!全霊をもって治療にあたります。来るまでの間に教会の神父を連れてきたいのですが・・」

「わかりました。ギル!ジーグ!ポール王を護衛して教会から神父を連れて来てくれ」

「「は!」」

「それでは全員作戦開始だ!」

「「「「「はい!」」」」」

全員から返事が来た。

俺が召喚した兵器でかなりの兵を殺したため力がみなぎっていた。おかげで凄いスピードで走る事が出来ている。一気に南側の壁に到達したが、ここまでは敵兵らしきものはいなかった。家の中に潜んでいたかもしれないが攻撃はされなかった。かなりのスピードで走ったから発見できなかったのかもしれない。

「よし、マリア!グラドラム墓地の敵兵攻撃に移ってくれ!ファントム。俺の後ろをついてこい」

壁伝いに東側の魔法師団がいる方向へと走っていく。この先に魔法使い部隊がいるとガザムが言っていた。

マリアをベルトで固定したストレッチャーがシャーミリアとマキーナによって、かなりの高高度に飛びあがっていた。

「はい、ラウル様」

ラウル様から攻撃指示が来た。

「シャーミリア、少し前方を下ろして」

「ええ」

角度がついて墓地の地表がすべて見える位置についた。

「人がいる・・」

「敵かしら?」

「グラドラムの人の可能性もあるかも・・」

「では、当てないように1発撃ち込んでみてはどうでしょう?」

「そうね。」

墓地の地表には30人ほどの人間がいた。ENVG-B暗視ゴーグルのおかげで灯りで縁取りされた人間が動き回っている。

ズドン!

立てかけてあった盾のようなものにスナイパーライフルを撃ちこんでみる。

ガコン!

盾に穴が空いて、周囲の人間が右往左往しはじめて手に火の玉や雷が煌めいた。大きい魔法陣が3ヵ所に浮かび上がる。結界がはられて防御の隊形を取り始めた。

「敵だわ。」

「どうしてわかるの?」

「あんな高等魔法を使える人は、ファートリア神聖国にしかいないから。」

「そうなのね。」

「じゃあ始めるわ。固定して」

ズドン

ズドン

ズドン

ズドン

ズドン

ズドン

やはりマリアの腕は神クラスだった。この距離で不安定な上空からの狙撃、暗闇の中で暗視スコープ越しの攻撃だが1発も外さず、マクミランTAC-50 スナイパーライフルから発射される徹甲弾は、結界をはる魔法使いを1人残さず殺していく。火の玉や雷を手に浮かべた魔法使いも脳天を撃ち抜かれ死ぬ。

マリアが無線でルピアに連絡を取る。

「ルピア、魔法使いは黙らせたわ。機銃掃射して。」

「はい。」

ルピアに無線でマリアから指示が来たので、ルピアは暗黒の上空から地表に向けて機銃を撃ちこんでいく。ENVG-B暗視ゴーグルごしなので人間が光の輪郭を浮かべて、左へ右へ蜘蛛の子を散らすようににげるが、この墓場には隠れるところなど一切なかった。

ガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガ

M240中機関銃の掃射が、容赦なく地表にいる兵士たちを倒していく。

「な・・なんなんだ!」

「おまえ!な・・死んでる!」

「どんどん‥死んでいく!!」

「に・・にげろぉ!!」

「うわああああ」

グラドラム墓地で罠をはっていた兵士達はどこから攻撃されてるのかもわからず、なすすべもなく死んでいくのだった。逃げまわり崖から転落してしまうものもいた。

上空での攻撃の音を聞きながら、俺とファントムはまもなく所定の位置に到着した。ラウルは目の前の魔法使いたちが、上空からの戦闘音に動揺し動き始めるのを確認した。

「よし!マリア、地表の岩陰に隠れているやつらが見えるか?」

「はい、はっきりと見えます。」

「銃の攻撃を知らん奴らだ、容赦なく片付けろ」

「はい!」

ズドン!

地表でもまた魔法使いのひとりが、頭を撃ちぬかれ即死した。

「な・・何だ!」

「死んだぞ!」

ズドン!

「お・おい!」

「し・・死んでる」

ズドン!

「うわぁあぁあ」

「ま・・魔法の攻撃だ!魔法で反撃しろ!」

「どこからだ?さっきまで俺達が攻撃してた奴らか?」

「どこだ‥!」

ズドン!

数人の魔法使いが結界をはろうとしているところを、マリアが的確に撃ち抜いて行く。

ズドン!

「よし、じゃあ俺も攻撃に参加するか。」

マリアが攻撃したことで、相手の位置がしっかりと特定できた。狭い岩場に隠れているらしいが・・動けなくなってしまったらしい。俺は、M224 60mm軽迫撃砲を2脚で立てられるようにして、2本用意した。

「方角も距離もだいたいわかった。」

微調整して2本のM224 60mm軽迫撃砲の狙いを定めていく。

「試しに1発撃つか。」

砲弾を用意して迫撃砲に入れると同時に、

シュパン!

軽い音を立てて敵のいる方向へ砲弾が飛んでいく。

ズガァアーン!

《あ・・5メートルぐらいズレちゃった。微調整っと。》

シュパッ!

ズガァーアン!

直撃した!よし、この方向で問題ないな。これなら上空から降り注ぐように攻撃できるだろう。

シュパッ!!シュパッ!!シュパッ!!シュパッ!!

シュパッ!!シュパッ!!シュパッ!!シュパッ!!

砲弾を次々と放り込んでいく。

ズガァーアン!ズガァーアン!ズガァーアン!ズガァーアン!

ズガァーアン!ズガァーアン!ズガァーアン!ズガァーアン!

2本の迫撃砲で連続し絨毯爆撃的に砲弾を撃ち込むと、凄い爆炎と煙で敵がいた周辺が見えなくなってしまった。

「ラウル様・・敵の様子が見えなくなりました。」

マリアから無線が入る。

「すまん・・」

「次はどうしますか?」

「少し待て」

俺は無線をティラとタピ、スラガにつなぐ。

「ティラ、どこにいる?」

「所定の位置についています。」

「おそらく敵の攻撃はない、スラガと3人でガザムのところまで走ってくれ。」

「はい」

マズルを優先して救出する事にする。

「マリア、シャーミリア、マキーナ!俺のところに降りて来てくれ!」

「「はい!」」

待っていると、マリアとシャーミリア、マキーナが俺のところに降りてきた。

「ファントム!マリアとマキーナの護衛につけ!マリアとマキーナはファントムと一緒に敵の場所に切り込んで、敵の生存者状況を確認してくれ。」

「「わかりました」」

「十分注意しろ、動くものがいたら容赦なく撃て」

「はい!」

「行け!」

マリアとマキーナがファントムに隠れるように、魔法師団の隠れていた場所に切り込んでいく。

そのとき、ガザムから連絡が来た。

「ティラとタピが来ました。こちらに魔法の攻撃は来ないようです。」

「わかった!ティラとタピはマズルをポール邸に連れて行け!」

「「はい」」

「ガザムとゴーグ、ダラムバはすぐに、魔法師団の方に向かって戦闘に加勢してくれ。」

「「「は!」」」

するとその時マリアから通信が入った。

ガガッ

無線がつながった。

「ラウル様、加勢を急ぐ必要はありません。」

マリアからの通信だった。

「どうした?」

「すでに、動ける人間はいません!ほとんど死んでいます・・というよりもほとんど原型をとどめてないようです。」

「わかった。ならばガザムとゴーグ、ダラムバ、スラガは俺のところに来い。」

「はい。」

「スラガは巨人化して、マズルに持たせていたミニガンを2門装備してくれ。」

「わかりました。」

救出は無事に終わった。あとは急いでマズルを治療してもらう必要がある。

「シャーミリア。なんか簡単すぎるように思うんだが・・こんなもんかな。」

「そうですね・・ご主人様。3年前の用意周到にバルギウス帝国がしいた罠に比べ、かなり稚拙な感じがいたします。ファートリアの魔法師団も一緒になっているとすれば・・もっと苦戦を強いられてしかるべきかと。」

「ちょっと気になる事があるんだが・・俺を抱いて上空へ飛んでくれ。」

「はい、かしこまりました。」

俺はシャーミリアに抱かれぐんぐんと夜の空に浮かび上がっていく。

すると・・あるものが見えてきた・・

これは・・

なんだこれは・・