軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第09話:武器データベース

昨日俺は玉なしになる寸前だったが、大きな進歩だ。

しんぽ、ね。

やはり魔力も増えてるし、武器も呼び出せる。

そしてナイフを召喚してある程度、俺の魔法についてわかってきたことがある。

まず、魔法は子供の頃の出来事や、精神的に深く刻まれたことに関係している。そして魔力の強さや量によって呼び出せるものの質量が増やせそうだ。

そして重要なのがイメージしきれるかどうかだ。

イオナもマリアも水や火を出せるイメージがあるらしいのだ。俺には水や火が出せるイメージが全くない。人は水を出したり火を出したり出来ないと思いこんでるからかもしれない。そんな日本人は見たことがない。

《間違いなく俺の精神には、人には水や火を出せないと擦り込まれている》

だから子供の頃の経験が大事なのだ。出せるかもしれない!と本気で思ったかどうかが、起因していると思うのだ。

あくまでも俺の仮説だが。

俺は子供の頃から武器を描いたり、データにしたりしてきた。特に子供の頃は手元に武器があるのを想像して、ババババーンと遊びまくっていた。いろんな武器をイメージして想像を膨らませて遊びまくっていたのだ。

さらに俺の場合は、弾丸も一緒に転生して来たという事実がある。これが非常に重要なポイントになってくる。あちらの世界からこちらに物を持って来れるということなのだ。

これは想像ではない。事実だ。

前世の物をこちらに出せるということだ。その事実は俺の潜在意識に少なからず「出来る」と思わせるには十分だった。

さらに前世での武器の知識はデータベースにしてパソコンに大量にあった。名前、性能、画像とその武器に関するURLがひとつひとつ一覧にしてあった。

イメージと正式な名前とが一致して、精巧な形を思い浮かべることができた時、武器が召喚できると考えて間違いなさそうだ。となると、前世であれほど恋焦がれた本物の武器を手にすることが出来る。

ワクワクが止まらない。

しかも日々、前世での詳細を思い出すたび、魔力量が上がっているように感じる。魔力量は知力で増えているのだと思うのだ。

ファイティングナイフを呼び出しても余裕だった。

ただ困ったことがある。

俺はまもなく4才らしいが、そんな子供には武器は持て余してしまうほどデカいと言うことだ。ファイティングナイフも俺にはデカくて扱えなかった。

もっと大きな武器を呼び出したいのだが…隠す場所やその後の処理を考えると出来ないのだ。大きい武器は出したはいいがその場から動かせなくなる。

大好きな武器を呼び出してみたい。しかし見つかったら間違いなくおかしいと思われるだろう。そもそもこれらはなんだ?と聞かれた時に説明がつかない。

今だって、ナイフと弾丸はクローゼットに隠してある。まだ召喚で試していないのは、複雑な銃などの武器が呼び出せるかどうかだが、あまり大きいのは見つかりやすい。

ならばどうするか?

前世の記憶を風化させないようにすることだ。

前世の子供の頃を思い出す。子供の頃は武器大百科をノートに書き写していた。大人になっても武器データベースを作っていた。

この世界にも本があるということは、紙と書くものがあるということだ。本のようにまとめられるかはわからないが、武器データベースを紙にして残すのだ。

イメージとなる絵

正式名称

その武器の効果

カッコイイポイント

それらを記していくしかない。

紙と書くものが必要だ。

まずはイオナに甘えてみよう。おそらくこんな時代だ紙も書く物も高いに違いない。ダメ元で聞いてみよう。

善は急げだ。

俺はすぐに行動に移しイオナのところに行った。

「いいわよ。」

「えっ!いいんですか?」

「羽根ペンとインク、羊皮紙をあげるわ。好きなだけ描きなさい。」

「ありがとうございます」

さっすがーお金持ちぃ!

「何を描くのかな?」

「はい。思いついた事をいろいろ描きたいと思ってます。」

「ラウルは有名な画家さんになったりしてね」

「ははは…」

といった後。マリアが羽根ペンとインク壺に羊皮紙の分厚い束をくれた。これで書ける。

時間がある時になるべく書き進める事にしよう。

すぐに部屋にもどってきた。

ナイフを隠して3日もたつ。禁断症状がでているが今はそれを、この羽根ペンと紙にぶつけてストレス発散しようと思う。

俺は部屋に戻り、おもむろにペンを走らせてみた。

まずはじめに呼び出した弾丸からである。

次にナイフ。

呼び出したものなので描きやすい。ただ完璧な絵にすることが目的じゃない、イメージ出来ればいいのだ。

「ああ…パソコンが召喚出来れば楽なのになあ…」

パソコンのイメージは着くが、子供の頃にパソコンを出して戦う妄想をした覚えはない。とはいえ思いたったが吉日!イメージはハッキリしているし召喚してみよう。

俺は隠す場所の事も考えずに、パソコンを想像してみた。

簡単に思い浮かべることができた。しかし暗い風景ではなく部屋のデスクに置いてあるパソコンだ、ふと次の瞬間には職場のパソコンが思い出される。なぜかイメージが全く定まらない。弾丸やナイフの時ははっきり思い浮かべられ、さらに背景は真っ暗闇だった。

《しかし、パソコンは前世の背景とセットでイメージされるな。》

「なんだろ?集中出来ない。」

いくらやってもいろんな記憶と一緒に呼び出されるだけだ。

んー?なぜだ?それならば大きさの問題かもしれない。スマートフォンにしよう。それなら毎日肌身離さず持っていた、イメージもしやすいはずだ。

しかし…

「パソコンの時と同じだ…全く出る気配がない。」

スマホだけが浮かびあがってこない。場面としての記憶が思い起こされてるだけだ。現実の物のように質感を持って浮かばない。まあそうだよな俺が立てた仮説なら魔法は子供の頃に起因しているはず。パソコンなんて欲しくなかった。

そしてあることに気がついた。

この世界には電気もインターネットもない。呼び出せたところで使えないかもしれない。あと、もしかすると召喚出来るのはハードだけで、OSやアプリは入ってないかもしれない。

いずれにしても質量的にも呼び出せそうなスマホも出てこないんじゃ、これ以上やる意味ないな。やはり自力で知識を呼び起こして紙に記録していくしかないか。

と言うわけで、再び羽根ペンを握り、思いだす限り武器を描いてみることにする。

まず思い浮かべるのは、俺を撃ち殺したあの銃だ。忘れもしない、はっきりと最後の瞬間が焼き付いている。スローモーションで手元が見える。

その瞬間背景が暗闇になり浮かび上がる。血がたぎるような目眩のような感覚だ。間違いなく魔力が回っている。しかもかなり激しく大きい波だ、初めての時とはまったく違う。

ただ、浮かびあがった拳銃に手を触れる事はしない。こんなの隠しておけないし、鉄の塊に見える弾丸やこの世界にもある、刀にも見えるナイフとも違う。こんな構造物が見つかったら言い訳がたたない。

なので手を触れることはしない。

とにかく俺の命を奪った銃をマジマジと眺める。

「マジかっこいい」

ザウエル&ゾーン社 フルサイズのP320 自動拳銃だ。9×19mmのパラベラム弾なら、17発装填可能だ。

焦茶色のボディがカッコ良すぎる。セクシーであるとさえ言える。

モジュラー式の拳銃でグリップなどを交換でき、消音機能もつけられる。グリップを交換する事で、手の小さな女性でも扱うことができる。

思わず手が伸びる。

「いかんいかん」

手を引っ込める。召喚してしまうところだった。とりあえず詳細とイラストを描いて、紙にデータとして残していく。

P320の他のサイズに関しても記していく。

キャリーコンパクト 、サブコンパクトっと。

この銃は米軍が新たに採用した銃だ。

と、いうことはそれ以前に軍に採用されていた銃についても書いていくことにする。

ベレッタ社製 モデル92 自動拳銃

米軍で以前使われていた拳銃である。M9といわれている銃だ。これもサイズがあり、銃身が125mm 119mm 109mm がある。これも紙に記していく。

まてよ…汎用性のある自動拳銃を書いたらあれも描かないとな。

憧れの銃をイメージして描く。

マグナムリサーチ社、イスラエルのIMI社のデザートイーグル 357口径 41口径 44口径 50口径 があり

357マグナム弾や41マグナム弾44マグナム弾50AE弾 が装填出来る。

さまざまな映画にも登場し、拳銃の花形とも言うべき最強の自動拳銃である。

9発から7発と弾数は少ないが有り余る破壊力で、この拳銃はロマンでしかない。

その後も自動拳銃ばかり描いてたらいつの間にか、外が暗くなっていた。

どれもこれもつい手を伸ばしそうになるが、これこそ隠すとこが無いのでやめておこう。

あとは…サバゲと言えばメインで使う武器を描いておこう。

それは自動小銃だ、アサルトライフルと言えばサバゲの主役である。そういえば俺の命を奪ったのは、拳銃だったな。なぜあの局面で拳銃だったのか…わからない。

とにかく小銃といえばサバゲのメインだった。

人気のアサルトライフル…

最初に買ったのはM16だったな。アーマライト社の製品名はAR-15だ。5.56口径のM16ライフルのエアガンで、ここから俺のサバゲーライフが始まった。やはりテレビのニュースでよく見たのが印象的で惚れ込んで買ったものだった。

20発から30発のマガジンを装填でき、毎分900発の速度で弾が打ち出される…

次に思い出されるのは

AK-47、これも名機だ…世界で最も多く使われた軍用銃としてギネス認定されている。

といった具合にまた止めどなく書き記していく。

俺はこのマニアックな趣味が将来の俺の人生を、大きく変える事にこの時は全く気がつかなかった。

そうしているうちに「コンコン」とドアがノックされた。ドキっして慌てて紙をふせた。

「どうぞ」

するとマリアがドアを開けて、旦那様がお戻りになられました。と声をかけられた。俺は描いた物をベッドの上に置いて部屋をでた。なんだかいけない物を見られた気分で恥ずかしい。

リビングに行くとグラムがいた。

「父さん、おかえりなさい。」

俺は側によった。

「ラウル!いい子にしてたか?」

にこにこで答えが帰ってきたが、心なしグラムは疲れているようだった。

「父さん!冒険の話を聞かせてください。」

「おっ、おおう。約束だったな。」

するとイオナが言った。

「ラウル。お父様は少しお疲れのご様子よ、またお時間のある時にいたしましょう。」

あ、やっばりお疲れなんだね。大丈夫!俺は子供のように駄々はこねないよ。データベース作りの続きがしたいしね。

「はい、わかりました。」

「おう、すまないなラウル。」

なんと良い父親だろうか。

「じゃあラウル一緒にご飯を食べながら、家族にお話がある。それでいいか?」

「はい。」

話ってなんだろう?

食事の用意ができ、皆が席について食べ始めたら、グラムが話し始めたのだった。

「今の状況なんだが…」