軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第347話 進軍

山頂からフラスリア基地に戻りデモンの襲撃に備えて兵を集めた。

フラスリア基地に駐屯している魔人軍は3000、俺の直属の配下はファントム、シャーミリア、マキーナ、ギレザム、カララ、ルフラ、ゴーグ、セイラ、ルピア、ドラグの10名、更に転生組の4人とそのお付きの面々だ。

国境沿いに現れたデモンがどれほどの強さか分からない。敵がまだこちらにやってきていないのはドローンMQ-9リーパーからの映像で確認済みだった。

「デモンが来るのか?」

オージェが軽く口に笑みを浮かべながら言う。どうやらオージェはデモンと戦うのを楽しみにしてる様だった。

「こっちに来るかはわからない。」

「本当にデモンなんですか?」

グレースがビビりながら聞いて来る。

「訳の分からない双頭のドラゴンにまたがったイケメン風の天使だったけど、間違いない。あの瘴気と気配は間違いなくデモンだよ。」

「それでどうする?」

「ああエミル。敵がどこから攻めて来るかは分からないが、まだ相手はこちらに向かってはいないようだ。全軍を率いて前進しようと思う。」

「しかし…魔人軍…凄い部隊だな。」

オージェが魔人軍を見てあっけに取られている。

「自衛隊では何度も見た事ある光景だろ?」

「いや、あっちは人間だろ?しかも日本人。この人たちと人間はスペックが違うじゃないか。それにこんな重武装させちゃって。」

「備えあれば憂いなしだよ。さらに魔人は系譜の能力により俺を絶対に裏切らないようになっているからな、確かに最強の軍隊だとは思う。」

「こんなん、前世にいたら地球はあっというまに征服されるんじゃないか?」

「前世はどうかわからんが、ここは異世界で敵は得体のしれないデモンと言うバケモンだ。この戦力で足りてるのかも分からない。」

「まあデモンと戦った事のあるお前が言うならそうなんだろう。デモンと言うのはそんなに凄いのか?」

「ああオージェは初めてだもんな。戦ってみれば分かるけど、厄介だし物凄い強いドラゴンとか呼んだりするからな。今回は双頭のドラゴンに乗ってたぞ。」

「わかった。心してかかるとしよう。」

魔人軍にはすでに装備を装着させていた。

大型の魔人には既にM134ミニガンとバックパックを装備させていた。腰にRPGをぶら下げてホルスターにはデザートイーグルと予備のマガジンを装着している。

中型の魔人や飛べる魔人にはM240中機関銃を装備させた。ホルスターには357マグナムオートと予備のマガジンを装着している。

ゴブリンにはAK-47自動小銃と予備のマガジンを装備させ、ホルスターにはP320ハンドガンと予備のマガジンを装着している。

更にアメリカのPOST型スティンガー携帯ミサイルを持ったダークエルフが100名。

既に20名の中隊規模をそれぞれの隊長が率いていく事になっている。

更にすでに基地に配備してあった、陸自16式機動戦闘車 通称ひとろくしき 武装(52口径105mmライフル砲 副武装12.7mm重機関銃M2)100台、87式偵察警戒車 愛称ブラックアイ 武装(25mm機関砲KBA-B02 副武装74式車載7.62mm機関銃)100台、87式自走高射機関砲 愛称スカイシューター 武装(90口径35mm対空機関砲KDA×2)100台 19式装輪自走155mmりゅう弾砲50台がずらりと揃っていた。

それらの兵器と2000の魔人達が進軍する手はずとなっていた。その先を進むのが俺と異世界組そして俺の直属の配下となる。

基地にはそれと同じ種類と数の車両を残しており1000名の魔人が残留。フラスリアに侵入する敵を迎撃する手はずだ。また各所に12.7ミリ重機関銃を設置し、対空機関砲VADS-1改を20カ所に配備している。すでに軍事訓練により魔人達は十分に使いこなせ、さらに車両の操縦も得意なものがするようになっている。

「魔人軍のみんな!いよいよ皆にもデモンと戦う時が来た!」

俺は集まった魔人に向かって言う。

「「「「「オー!!!!」」」」」

魔人達が沸き上がる。

「全て訓練通りに動けばいい。しかしこれは実戦であり演習ではない!死と隣り合わせの戦場になると思え!ファートリアとの開戦の火蓋が切って落とされた!みな心してかかれ!」

「「「「「は!!!!!」」」」」

魔人の士気が滅茶滅茶高い、今まで死ぬほど訓練して来たのが初めての実戦で試せるのが嬉しいらしい。

「今回戦うのはデモンだ。今までの経験からデモンを討伐すれば、みんなに進化が訪れるだろう。もっと強さを求めるならこれはいい経験だと思っていい。」

「「「「「ワーワー!!!!!」」」」」

めっちゃ盛り上がってる。先に進化したのは俺の配下達や先行して出て行った魔人達だ。自分達にはその恩恵が無かったので悔しがっていた者もいる。今回のこの戦闘でぜひ自分も進化したいと思っている魔人がたくさんいるのだった。

「だがデモンは危険だ!みんなが訓練通りに動いたとしても、予想以上の攻撃力と耐久力を持っている!十分に敵を見極め組織で追い詰めるんだ!単独行動は控えるように!」

「「「「「わかりました!!!!」」」」」

素直だな。

とにかく俺の言う事を良く聞いてくれている。俺の采配ひとつで大きな被害が出る可能性がある為、作戦は慎重に進めようと思うのだった。いつものような遊び心はそっと奥にしまっておこう。

「ラウルさん、鎧を出しますか?」

グレースが声をかけて来る。

「ああグレース頼む。魔導鎧小と魔導鎧大をどっちも出してくれ。」

「了解です。」

俺の前に魔導鎧小と大が現れる。俺がそのまま前に進み出て小の魔導鎧に魔力を流し着こんだ。更に大魔導鎧を装着すると後ろが締まる。

ガシャン!

「いやあ…めっちゃカッコイイな。」

エミルが言う。

「もっとカッコよくなるよ。」

さらにM61バルカンを召喚した。

「ファントム、俺の背中にこのバックパックを背負わせろ。」

ファントムが俺にバッテリーと銃弾ベルトとバックパックを背負わせる。総重量、数百キロを超えているがまったく問題なく持つことが出来た。

「バルカンを軽々と…。」

グレースが驚いてみている。

「まったく重さを感じないよ。レバーを動かせば勝手に先が動くような感じだ。」

「ヘビーなのに。」

「とにかくグレースとエミルは自分の身を守る事に専念してくれ。グレースはスナイパーライフルで遠方から、エミルはケイナと共にAH-1Zヴァイパーヘリコプターで待機。フラスリア領内に侵入してきたデモンを掃討してほしい。」

「もし本丸が攻めてきたら?」

「ミサイルを掃射して敵に効けばそのまま攻撃を続けてくれ。足止めをしてもらっている間に、魔人軍の航空戦力で双頭の龍に乗ったデモンを殺害する。」

「わかった。」

「オージェはミニガンとRPGを装備してくれ。そして弾丸の装填が必要な時は、俺かファントムのそばにきてほしい。」

「了解だ。」

筋肉隆々のオージェがM134ミニガンを装備する。

「おお!まるで戦争映画のヒーロだな!」

「本当だ!カッコいいですよ!」

「めちゃくちゃ様になってるな。」

俺とグレースとエミルが惚れ惚れとした声をあげる。

「ミニガンって本来は物凄い重量だったよなあ…。それがまるで細い枝でも持っているような感覚だよ。」

「素手でそんななのか?」

「龍神を受体してからなんだが、集中しないと物凄い怪力が出てしまう事がある。ミニガンもそっと壊さないようにしなければいけないくらいだよ。」

「そ、そうなんだ。」

オージェが素っ気なく言うが、百キロは超えている武器を持ってブンブン振り回しているのを見ると、こいつに武器とか必要なんだろうかと疑問にすら思えて来る。

トライトンがオージェの脇に立って、まじまじとM134ミニガンを眺めていた。

「トライトン。これは武器なんだよ。」

「これがですか?」

「お前にはまだ使えないだろうな。訓練も何もしていないし。」

「ワイはこれで十分ですよ。」

三又の槍を持って目の前にかざす。

「ああ、だが無理はするな。ラウルが言うにはデモンとは相当恐ろしいバケモノだ。」

「わかりました。」

そして俺は自分の直属の配下に伝える。

「お前たちはいつもの通りだ。俺の動きを見ながら援護を頼む。敵はデモンとその配下だ、戦闘が開始されたら俺は直ぐに魔力の連結のレベルを2にあげる。存分にやってくれ。」

「「「「「わかりました!」」」」」

「ルフラはカトリーヌを頼む。カララはマリアを護衛してくれ!」

「わかりました。」

「かしこまりました。」

「カトリーヌとルフラは怪我をした魔人を回復するように専念してくれ、」

「はい。」

「マリアはカララと一組で遠方から1匹づつ仕留めろ。」

「かしこまりました。」

「はい。」

俺達の戦闘準備がそろったのでトラメルに挨拶をする。

「では、トラメル伯!我々は行きます!あのリュート人の二人が目覚めたらこのことを話してあげてください。」

「はいラウル殿。ところであの二人は牢に閉じ込めたままでいいのですか?」

「ああ。そうじゃないとデモンに戦いを挑んでしまいそうだ。デモンは人間など1滴の水滴ほどにも思わない、一瞬にして弾かれて消し飛んでしまう。この戦いが終わるまで牢にいてもらおう。」

「かしこまりました。」

「では。」

「はい。」

トラメルと握手をして、俺達は再びファートリア神聖国に向けて出発するのだった。

出発して山岳の道にたどり着くまで、俺達の車両は長蛇の列になってしまった。車両が1台すれ違えるかどうかの道のため仕方のない事だった。

「ラウル。デモンの様子はどうだ?」

俺の隣を歩いているオージェが聞いてくる。

俺は魔導鎧を着てM61バルカンを持って歩きながら、車両内で偵察用ディスプレイを見ているセイラに念話で聞く。

《デモンは?》

《動きはないです。》

《変化は?》

《増えているように見えます。》

《目を借りるぞ。》

《はい。》

俺はセイラの視界を共有する。

「MQ-9リーパー(ドローン)を山頂付近に飛ばして監視しているが、麓に居座ったままのようだ。」

「動く気配はなしか…。」

「だな。と言うかまだ増え続けているようにも思える。物凄い群衆になって、まるで渦を巻いているようだ。」

「戦力がそろうのを待っているって感じじゃないですか?」

グレースの言うとおりかもしれなかった。俺達が今までデモンを撃破してきたことは知っているに違いない。警戒して容易に動く事を避けているのかもしれなかった。

「とにかく山頂付近まで急ごう。」

「ですね。」

俺が後ろの道を振り返ると、この先頭に至るまで物凄い車両の列になっていた。

「オージェ。車両部隊が一直線に伸びているが、山間部で戦闘になった場合この戦力はフルには使えないだろうな?」

「ああ、途中がやられたりすれば分断されるだろう。」

「まあ、その場合は後方の車両を全て放棄して徒歩で敵地に向かい、再度戦闘車両を召喚すれば済むだけの話だがな。」

「まったくお前の能力は反則だよ。敵に同情するわ。」

隣を歩いているオージェが言う。

「ほんとそうですよね。前世でラウルさんのそれがあれば、戦争に負ける事なんてないでしょうね。」

戦闘車両の天井に座ったままバレットM82を構えたグレースが言う。

《どう見ても七色の髪をもった可愛い美少女だ…こいつが林田なんて考えたくもない。っていけねえ…そんな事考えてる場合じゃない。とにかく七色の髪の美少女がバレットM82を構えているのが違和感しかない。》

「まあこちらの相手はデモンだ。俺の能力では及びもしないかもしれない。とにかくみんな慎重に頼む。」

オージェとグレースが頷く。

山頂についたのはそれから3時間後だった。