軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

007_装備選び

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007_装備選び

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「ダンジョンのことを教えてくれるか」

転生4日目の朝食後、アンネリーセにダンジョンのことを聞いた。

「ダンジョンは危険です」

「それは分かっている。その上で、心構えや準備するものなど、ダンジョンの中で俺が死なないためのアドバイスが欲しい。一応言っておくが、俺はダンジョンのことをまったく知らない。そう思ってアドバイスしてくれ」

アンネリーセは頷いて、少し考えた。

「ダンジョンとモンスターの特徴を事前に把握することでしょう」

「その情報を教えてくれ」

「私に聞くよりも探索者ギルドで資料が手に入りますから読んだほうがいいでしょう」

「了解だ。他には?」

「罠を発見することです」

「どうやって?」

「斥候系ジョブを連れて行くのが一番です」

「俺1人でダンジョンに入るつもりだから、それを踏まえて対策を教えてくれ」

「私が一緒に入ります」

「いや、それは……」

アンネリーセを背負ってダンジョン探索とか、どんな苦行だよ。

「大丈夫。私は強いし、罠も発見できます」

そう言われてもなぁ。

「それじゃあ、罠の発見方法や解除方法を教えてくれ」

「魔法ですから、ご主人様には無理でしょう」

魔法で罠を発見して解除するのか。俺のジョブに、魔法が使えるのは転生勇者しかないからな……。しかも罠関連の魔法はない。

アンネリーセは頑固だった。年を取ると頑固になると聞いたことがあるが、その通りだな。最悪は背負って歩こうと覚悟を決め、アンネリーセを連れて行くことにした。

俺はアンネリーセが言うように、ダンジョンに入るための準備を進めた。

武器は予備も持っていくこと。防具は消耗が激しい戦い方なら予備が要る。もしもの時のために水と食料は予定よりも多めに持っていく。野営する場合は厚手の毛布は必須。

食料と水は凄く重かった。そこでアイテムボックスに全部放り込んだ。幸いなことにアイテムボックス(低)になったことで、40枠あるから全部入った。

入らなくても複数のものを1つの布袋に詰めてまとめれば、アイテムボックスの使用枠は1枠で済む。これ裏技じゃないけど、便利。

「アイテムボックス……? ご主人様は運搬人ですか?」

なんかめっちゃ驚かれた?

「いや、俺は村人だよ。レベルは1」

「レベル1の村人?……アイテムボックスのユニークスキル持ちでしたか」

アンネリーセが微妙な表情をした。なんだろう、村人がそんなに珍しいのかな? それともユニークスキル持ちはそんなに数が少ないとか?

「どうした?」

「ユニークスキル持ちは滅多に居ません。大都市と言われるこのケルニッフィにも数人居るかどうかだと聞いたことがあります」

ケルニッフィの人口は20万人くらいってゴルテオさんは言っていた。20万分の数人は少ないと思うが、世界全体で考えればそこまで珍しくもないんじゃないか?

「あまり知られないほうがいいのかな?」

一応、アンネリーセ以外には見せてない。 ラノベ(バイブル) がそう教えてくれたからね。

「ユニークスキルは普通のスキルよりも効果が高く、ユニークスキルのアイテムボックスの収納量は運搬人の倍になります。貴族や商人、それに大量の荷物を運ぶ探索者には羨ましがられるスキルです」

アイテムボックスのおかげで手ぶらで移動できるのは、たしかに大きいな。

「運搬人は一定数存在しますが、数はそこまで多くないです。戦闘では運搬人のレベルが上がらないのですが、探索者からは特に重宝がられます。下手をすると拉致されて奴隷にされることもあるでしょう」

拉致とかヤバいだろ。

「なるほど……人前では使わないほうがいいか」

「はい」

こういう常識が聞けるだけでも、アンネリーセを買った甲斐があった。その少ない寿命が尽きるまでに、できるだけ多くの知識を俺に与えてくれ。

それと詳細鑑定のことは誰にも言わないでおこう。これを知られるのは、かなり危険な気がする。何がどうかと言われると、なんとなくとしか言えないのだが。

「それと……」

「うん? どうした? 遠慮なく言ってくれ」

「村人でレベル1はとても珍しいです」

「え?」

「村人はどんなことをしていてもレベルが上がります。ご主人様の年齢でレベル1はこれまでに何もしてこなかったことを示します。これはとてもおかしなことです」

「な、なるほど……」

これは盲点だった。旅人にしておけば問題なさそうだから、変更しておこう。

「そう言えば、探索者登録はアンネリーセも必要かな?」

「奴隷の登録は不要です。ご主人様だけで構いません」

そんなわけで俺だけ探索者登録することにした。

アンネリーセの首には無骨な奴隷の首輪が嵌っているから、これで奴隷だと分かるらしい。

こんな老婆に首輪をつけるとか、日本なら老人虐待で通報されるんじゃないか。

「アンネリーセは魔導書を使って魔法使いになったの?」

「そうです」

「魔導書はダンジョンで手に入れたの? それとも買ったの?」

「ダンジョンで手に入れました。魔導書はかなり低い確率でモンスターからドロップしますから、運が良かったのでしょう」

モンスターからドロップする確率は1万分の1だから、かなりの確率だ。しかもモンスター1万体を倒すのは、1人ではない。毎日多くの探索者がダンジョンに入っているから、その探索者全員に可能性がある。

話を聞いて、俺はアンネリーセを連れて探索者ギルドに向かった。

町中で行きかう人たちを鑑定し、そのジョブを確認させてもらう。

▼詳細鑑定結果▼

・剣士 : 剣を扱う者。スキル・スラッシュ(微)、見切り(微)が使える。取得条件は本気の素振りを連続で100回1セット、100セット行うこと。またはモンスターを剣で100体倒すこと。

・槍士 : 槍を扱う者。スキル・三連突き(微)、打ち下し(微)が使える。取得条件は本気の突きを連続で100回1セット、100セット行うこと。またはモンスターを槍で100体倒すこと。

・神官 : 神に仕える者。スキル・祈り(微)が使える。取得条件は500日間祈り続けること。またはモンスターを素手で100体倒すこと。

・騎士 : 仲間を護る者。スキル・挑発(微)、シールドアタック(微)が使える。取得条件は盾で攻撃を1000回受けること。

・モンスターテイマー : モンスターを使役する者。スキル・テイム(微)、モンスター強化(微)が使える。取得条件はモンスターと1対1で戦い100回勝つこと。

歩きながらチェックしていて、主立った戦闘系のジョブを確認した。

剣士ならなんとかなりそうだけど、実際にモンスターの強さを知らないからやってみて考えるしかない。

「そう言えば、アンネリーセの武器と防具を買わないとな。あと服も」

「武器は杖。防具はローブ。服はワンピースがほしいです」

アンネリーセはちゃんと自己主張をする。ただ歩くのがとても遅い。俺が10メートル歩く間に、アンネリーセは5メートルくらいしか歩けない。年寄りだからしょうがないが、先が思いやられる。

アンネリーセの歩く速度に合わせて、服屋、武器屋、防具屋と回った。

服屋では服と下着と靴下を10分もかからず選んだアンネリーセだったけど、武器屋では杖の前に陣取って動かなかった。電池がきれたように動かなかったから死んでしまったのかと思って焦ったが、杖を選ぶのに考え込んでいた。

「そんなに考え込んで何を気にしているんだ?」

「手に馴染むものを選んでいました」

馴染む前に持ってないし。それで馴染むとか分からないだろ。

・魔法使いの杖A : MATK+4 耐久値13/13

・魔法使いの杖B : MATK+5 耐久値13/13

・魔法使いの杖C : MATK+5 INT+1 耐久値14/14

・魔法使いの杖D : MATK+3 耐久値12/12

・魔法使いの杖E : MATK+4 MIN+1 耐久値13/13

「これにします」

アンネリーセが選んだのは魔法使いの杖Cだった。

「なんでそれにしたんだ?」

「杖が私を呼んでいました」

アンネリーセはヤバい系の人か?

「これなんかどうだ?」

あえて効果の低い魔法使いの杖Dを勧めてみたが、首を振った。

「その子は主張が弱いです」

どうやら杖の良し悪しを感覚で分かる天才系の人のようだ。

防具屋でも同じようにローブを選ぶのに時間がかかった。

それでも複数の中から一番いいものを選んだ。

アンネリーセのステータスには、鑑定や目利きのようなアイテムの良し悪しを確認するスキルはない。長い経験による勘のようなものなんだろう。

・魔法使いのローブ : MDEF+3 MIN+1 耐久値10/10

アンネリーセは魔法使いだから、胴装備はローブがいいそうだ。

そして俺が持っている武器と防具はこんな感じになる。

・鉄の片手剣 : ATK+10 STR+2 耐久値31/31

・鋼鉄の片手剣 : ATK+15 STR+3 耐久値45/45

・ミスリルの両手剣 : ATK+35 STR+7 DEX+6 斬撃強化(低) 自動修復(低) 耐久値85/85

・鉄の盾 : DEF+10 VIT+2 耐久値30/30

・鋼鉄の盾 : DEF+15 VIT+3 耐久値47/47

・鉄の胸当 : DEF+10 VIT+2 耐久値31/31

・鋼鉄の胸当 : DEF+15 VIT+3 耐久値46/46

ステータス画面を見ると、各能力値が分かる。ゲームで馴染んだ各能力表示だったから、迷わずに受け入れることができた。

HP=生命力(Hit Point) MP=魔力(Magic Point) STR=腕力(Strength) VIT=体力(Vitality) AGI=素早さ(Agility) INT=賢さ(Intelligence) MIN=精神力(Mind) DEX=器用さ(Dexterity) ATK=攻撃力(Attack) DEF=防御力(Defence) MATK=魔法攻撃力(Magic Attack) MDEF=魔法防御力(Magic Defence)

こういった能力はレベルに比例して上がっていくようだが、ジョブによって上がり方が違うというのがゲームの常識だ。あとは種族によっても上がりやすい能力とそうでない能力があるはずだが、この世界のシステムがどんな感じなんだろうか。

俺の能力はこんな感じになっている。

ジョブは旅人にしている。詳細鑑定が教えてくれたのだが、旅人、料理人、商人、運搬人は戦闘でレベルが上がらないらしい。復讐者と転生勇者は戦闘でレベルが上がるけど、セットする気はない。残る選択肢は村人だけだったが、村人Lv1はおかしいとアンネリーセに指摘されている。だから旅人にしている。

村人のレベルが4くらいあれば、村人にしていたんだけどね。

あとレベル7の村人とレベル1の剣士の強さがほぼ同じくらいらしい。これは剣士がスキルを使わない前提で、スキルを使ったら剣士が圧勝するらしい。それだけ村人は弱いが、何をしても成長することから成長速度は速いと詳細鑑定が教えてくれた。

【ジョブ】旅人Lv1

【種 族】ヒューマン

【能 力】

HP=30

MP=30

STR=5

VIT=5

AGI=5

INT=5

MIN=5

DEX=5

ATK=15

DEF=15

MATK=15

MDEF=15

STP=0

ジョブを変更すると能力値も変わる。特に地雷の2つのジョブの能力値はそこそこ上がるが、セットするつもりはない。また、武器と防具を装備していると補正値込みの表記になる。

さらに俺の能力画面には、STPという項目がある。これはステータスポイントの略で、レベルが上がるとポイントが入るらしい。

ジョブのレベルアップによる成長がある上に、ステータスポイントを自由に割り振られるらしいのだ。

それと昨夜のことだが、俺のステータス画面からアンネリーセのステータス画面が見えた。奴隷のステータス画面は俺のステータス画面に繋がるらしい。

これがアンネリーセの能力値だ。

【ジョブ】魔法使いLv21

【種 族】ハーフエルフ

【能 力】

HP=96

MP=126

STR=13

VIT=12

AGI=19

INT=22

MIN=20

DEX=18

ATK=39

DEF=36

MATK=66

MDEF=60

レベルが高いだけあって、アンネリーセは強い。普通に殴られただけで、死ねるかもしれないくらい強いステータスなんだが、歩く速度は俺の半分だ。ステータス値はそういったものには関係ないのだろうか?

さらにアンネリーセには STP(ステータスポイント) がなかった。「ゼロ」ではなく「ない」のだ。

よく分からないが、町中を歩いている人たちのステータスを詳細鑑定してもSTPはなかった。俺だけの特典なのか、召喚されたクラスメイトたちにもあるのか、それとも極稀にSTPを持つ人が現れるのか?

詳細鑑定はそこまで教えてくれなかった。