軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

披露パーティー3

「欲張りですか? 聞いても?」

「……ジェイ様が一緒にいてくれるのが当たり前に思っていました。私は……アンナさんに声をかけられているジェイ様を見て、ディートの事を思い出してしまいました……また私は置いていかれるって。でもジェイ様は私がいるからご友人からのお誘いを断ってしまって……私がいたから」

「一緒にいて当たり前ですよ。私はこの旅でルビナ嬢に少しでも私の事を好きになってもらいたいと思っていました。どうしたら貴女が喜んでくれるか、退屈しないか、一緒にいすぎて飽きられないか……それはもういっぱいいっぱいでしたよ。貴女を置いていくなんてあり得ません! あんな男と一緒にして欲しくありませんが、ミスをしてしまいました」

……この旅は謂わば、私という男を知ってもらいたいというプレゼンの場だったのに。

「今日はこれから一緒にいてくれますか?」

……これから一緒、ずっと? ルビナ嬢の上目遣い……いや、違うな。言いかた!

「……ジェイ様?」

「あっ……それはもちろんですが、ちょっと誤解をしてしまう様な言い回しがあったので……」

首を傾げるルビナ嬢、まだ酔いが覚めてないのかもしれない……

「ねぇ、ルビナ嬢」

「はい」

「私は結構頑張ったと思いませんか? 少しは良いところを見せられましたか?」

「はい。凄く楽しかったですし、ジェイ様は素敵な人です……でも……こんな小さな事でジェイ様を困らせてしまいます。きっとこの先も」

「え! 困らせてください! 喜んで!」

っと。これでは尻尾を振る犬ではないか!

「……ジェイ様の事を好きになっても良いですか?」

「何故疑問形なんですか……是非お願いします。私はルビナ嬢に恋をしました。あんな風に彼を待っている貴女の姿が目に焼き付いて離れませんでした。怒っても泣いてもいいのに決して泣き事は言いませんでした。そんな貴女の優しさに惚れました。貴女の笑った顔が好きです。どうしたらその笑顔を私に向けてくれるか、それを考えるのが楽しいです。私は欲張りで、貴女が私を好いてくれていると聞いた今ただのお付き合いでは足りなくなります。いつかは結婚を前提としたお付き合いを考えて欲しいです」

ジェイはルビナの手をそっと取り優しく握った。

「はい」

「……え?」

「ジェイ様……ロマンス小説の主人公の様な口説き方をするんですもの……嬉しいです」

ロマンス小説? ルビナ嬢はロマンス小説が好きなのか……もっと勉強しなくては!

「なるほど……小説の主人公の気持ちが今、分かりました」

「…………?」

分からないと言う顔をするルビナ。

「好きな人のためなら何でもしたくなると言う事です。先ほど言った言葉はセリフではありません。心からの気持ちです、でも……」

「でも?」

「もしこれが小説なら物語の主人公は私とルビナ嬢ですね」

「……っ!」

ちゅっ。とルビナの手に軽くキスをするジェイ。

「ずっと一緒にいましょう」

「……は、い」

顔が真っ赤になっている。可愛い……

「約束ですよ」

と言うとルビナ嬢は頷いた。

すぐに戻ってくるといい残して、二人分の果実水を持ってきた。私も限界……喉が渇いた。急いでテラスへ戻る。

「ありがとうございます」

「一人にしてしまってすみません」

誰も来ない様に目は光らせておいた。

「ふふっ、大丈夫ですよ。ジェイ様はすぐに戻ってくると信じていました」

……その笑顔は反則だろ。

「? ジェイ様?」

「……想いが通じると言うのはうれしいものですね」

果実水を渡して、断りを得てルビナ嬢の隣に座った。

「……お酒の力も有ります。少し酔ってしまいました」

あの酒か……

「それであれば友人達に感謝をしなくてはいけませんね。ルビナ嬢は初めてお酒を口にしたのはいつですか?」

弱いという事は、口にしたことがあるんだよな。

「十六歳の誕生日です」

「社交界デビューだったんですね。その場に私も居られれば良かった」

「その日に婚約が解消となって……その後に家族でシャンパンを飲みました。ですから今日が二回目です」

……酔ったルビナ嬢を他の男に見せたくない。可愛過ぎる。

「お酒は私といる時以外は飲んで欲しくないです。心配になります」

ルビナ嬢の手を取り繋いだ。目を大きく見開いて私の方を見てきた。急過ぎたかな……

「はい。お父様にも言われていますもの」

酒に呑まれた令嬢なんて正直言って見苦しい。何事も程々に……

「とても惜しいのですが……そろそろ会場に戻らないと……」

あぁ、無念。もっとこのまま二人でいたい。

「そうですね。レオ様のパーティーなのに……ジェイ様も久しぶりにご友人とお会いしたのに」

「ふふっ。ご心配いりませんよ。私はたまにこちらにきてますし、逆も然りですから」

……小さくて温かい手だ。