軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

披露パーティー2

「いいえ。招待頂いて初めて外国に来る事が出来たので……それに楽しいです」

ぽっと顔を赤く染めるルビナ。

「そうか。それなら良かった。ホテル暮らしで困っていることはないか?」

「いいえ。とても良いホテルです。私なんかには勿体無いお部屋です。ありがとうございます」

レオ様は身長が高いから見上げていたら頭が少しだけくらくらとしてきた。

「ジェイとは仲良くしているか?」

チラッとジェイ様の様子を見る。

「あ…………」

女の人に囲まれている……さっきはアンナさんという人だけだったのに、五人もの女の人に……

「またか……注意してこよう」

「また……? ジェイ様はいつもあの様な感じなのですか?」

いつも女の人に囲まれているという事? モテないって嘘、だったんだ……

心臓がキリッと痛む。

「……誤解がある様だから本人に釈明させよう。しかしね、ジェイは全くモテないという訳ではなかった。侯爵令息だし、人当たりもいい。この国ではゴリラがもてはやされる訳だが、人の好みはそれぞれだし、ジェイは鍛えているが体を大きくしたくないだけだ」

「あ、はい」

「友人としてジェイの尊敬できるところは、学生時代は卒業後の為に動いていた。という所だな」

「卒業後? ですか……」

「そう。侯爵令息と言っても爵位は長兄が継ぐだろうし、その後ジェイがどうするかということ。侯爵家には他にも爵位があるだろうしそれを受け継ぐにしても、自分で何かをやりたいという気持ちがジェイにはあった。侯爵家の三男として恥ずかしくない道を歩みたい。と言っていたな……だから職人の話を聞いたり専門家の話を聞くのがあいつは好きなんだ。あいつの店はこの国の影響を受けているだろう? 職人を呼んで皆で楽しみながら仕事をしている。植物園もそうだろう? 学園時代は女に現を抜かすなんて事は全くなかった! これは言い切れる」

なんとなくジェイ様らしい。

「しかしなんだ……ルビナちゃんと来ているのに、あの腰抜けは! ん? ルビナちゃんどうした?」

なんだか体がふわっとしてきました。顔も熱い。ずっと見上げていたから? かな。

「? 何を飲んで……これはアルコールが高い酒じゃないか。なんでこんな酒を飲んでいるんだよ」

それに気がついた友人達。

「ジュースみたいなものだろう?」

「お前らの様に酒も水も分からん様な奴が言うな! 飲みやすく人気は高い酒だがアルコールも高い。ルビナちゃんは酒に……強くなさそうだな……大丈夫か?」

「はい。少し座っていれば大丈夫です」

ふわふわするけれど意識はあるし、立っていられるくらいだもの。

「ルビナちゃんちょっと待ってろよ」

「おい! ジェイ! ちょっとこっちこい!」

女に囲まれているジェイを連れ出す。

「なんだ?」

「ちゃんとルビナちゃんを見てろ! 全く何しに来たんだよ!」

「ルビナ嬢になにか? って私は何を! しまった! ルビナ嬢は」

たった十分でも一人にしてしまった! 私とした事が!

「あいつらがルビナちゃんに渡した酒のアルコールが強くて、少し酔っている。量は飲んでいないからしばらくしたら酔いも覚めるだろうがちゃんと見ておけよ! 何の為にパートナーをしているんだ? 女に囲まれるところをルビナちゃんに見せて自慢でもしたいのか?」

「自慢? そんなわけあるか!」

慌ててルビナの元へ駆け寄るジェイ。

「ルビナ嬢、すみません。大丈夫ですか?」

「ジェイ様……」

頬が赤く染まりうるうるした瞳のルビナに見つめられてジェイは天を仰ぐ……可愛過ぎる。

「……まずは水を」

何とか正気を取り戻しジェイは水を貰ってルビナを連れてテラスへと行く。ガーデンも煌びやかに飾られていて見応えがあるし、外の空気を吸った方が良さそうだ。

「すみません、少し離れてしまって……これは私のミスです」

頭を下げるジェイ。

「いいえ。ジェイ様のせいではありません」

「いえ。私の責任です。ルビナ嬢をしっかりと見ていなくてはいけませんでした」

悔やんでも悔やみきれない……

「私は小さな子供ではありません」

ふん。っと顔を逸らすルビナ。

「子供だとは思っていません。しかしルビナ嬢を一人にしたのは私のミスです」

「……女性に囲まれていたから……私がいた事を忘れてしまったのですね。ジェイ様はモテないなんて嘘」

「……ルビナ嬢?」

「昨日だって早くピクニックを終わらせて、ジェイ様はアンナさんと会っていたんでしょう……」

「昨日……は、アンナさんではなくアンナさんのご主人と会っていました」

「でも……昨日はありがとうって……」

「挨拶くらいはしました。やましい事などありません。ルビナ嬢は一昨日観に行ったバレエをまた観たいと思いませんでしたか?」

「え? はい。それは」

「私の友人は劇場の関係者なんですよ。それでバレエの公演をうちの国でやる気はないのか。と話をしてきました。アンナさんにヤキモチを妬いてくれたんですか?」

目を瞑ってかぁーっと赤くなり下を向くルビナ。

「先ほど囲まれて? いた女性達は劇場の関係者です。服飾担当だったり広報担当だったり……すみません。バレエ団を呼ぶのに話を詰めていました」

「そ、そうなんですね。恥ずかしいです」

「私は嬉しいですよ。こうやって勘違いをしてくれたおかげで、今私は幸せです」

ぽんっと優しく頭に触れた。

「私は……欲張りになってしまいました」

小声でルビナは呟く。