軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第56話 火宮のダンジョンの探索

新年祝賀パーティーの父親のスピーチを聞いて改めてAランク冒険者になる必要性を感じた。焦ってはいないが情報を集めよう。

まずはBランクダンジョンの攻略。ここボムズには火宮のダンジョンがある。取り敢えずリーザさんから情報収集してみた。

Bランクダンジョンである火宮のダンジョンは7階層と言われている。この火宮のダンジョンは記録上は制覇者はいない。7階層というのも確定ではない。

出てくる魔物はBランクモンスターの火の精霊のイフリート。

攻撃的であり敵を発見すると火の魔法を使うらしい。空を飛ぶ事ができ、スピードはそれなりだそうだ。

体長は1.8メトルくらい。身体の作りは人間と同じで普通の二足歩行。顔は馬に似ていて横に巻き角がある。

物理的な攻撃に強い。物理攻撃する場合には魔法剣が良いようだ。

水系統が弱点。

その他に出てくる魔物は火を纏っている火鳥。空を飛ぶがFランクモンスターのためそれほど脅威ではないらしい。

他のモンスターは今のところ確認はされていない。

火の精霊のイフリートかぁ。遠距離攻撃があって空を飛ぶ。なかなかやりにくそうな相手だ。

ただ水系統に弱いみたいなので【昇龍シリーズ】の装備がどれほど有効かどうかで攻略難度が変わるか。

まだ王都に行くまで1ヵ月半あるから本格的に攻略を目指せば制覇できる可能性はある。

だけど今はそんな気持ちではないんだよね。

取り敢えず、1回は探索してみようかな。こういう時にはミカに相談だ。

ミカがいつも 寛(くつろ) いでいるリビングにいない。どこか行ったかな?

「リーザさん、ミカ知らない?」

「 1刻(2時間) ほど前に、ギルド長に呼ばれて冒険者ギルドに行きましたよ。そろそろ帰ってくると思いますよ」

「分かった。ありがとう」

ギルド長?何の用事?

数分後、ミカが帰宅した。

「お帰りミカ。ギルド長と何の話?」

「以前にもあったBランク冒険者になった時の注意点の補足ね。大した内容ではないわ」

早速ミカに相談する。

「本格的な攻略では無いけど1度火宮のダンジョンに行ってみないか? 出てくる魔物を見に行かない?」

「良いわね。私も焦土の渦ダンジョンに飽きたし、早速明日にでも行ってみましょうか?」

「了解。火宮のダンジョンは南門から出て3キロルくらいだから明日は馬じゃなく徒歩で行こう」

こうして明日の火宮のダンジョン見学が決まった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

朝ご飯を食べて装備の確認をする。イフリートは火の魔法の遠距離攻撃をしてくるから【昇龍の盾】は必須だな。火属性の精霊であるイフリートに僕の蒼炎が効くかどうかがポイントだね。できれば接近戦で【昇龍の剣】が効くのか試してみたい。

リーザさんからお弁当を受け取り家を出る。天気は快晴。気温は僕には少し寒い。ミカの装備は全部【昇龍シリーズ】だ。インナーは白いシャツと白いスカート。レギンスは黒である。【昇龍シリーズ】の青色が映えて凛々しい。すれ違う男性がミカを見て、目で追ってしまうほどだ。

南門を出た。Bランクダンジョンの火宮のダンジョンはファイアール公爵家の屋敷への道を途中で逸れたところにある。歩いていると寒く無くなってくる。

しばらく進むと火宮のダンジョンの入り口が見えてきた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

火宮のダンジョンに入ってみて驚いた。ダンジョンの造りが水宮ダンジョンと瓜二つ。同じように宮殿の中みたいだった。

ただ色が違う。壁は煉瓦風で赤く光っている。水宮のダンジョンと同じで通路はとても広い。

高さは10メトルほど、幅は40メトルくらい。この辺も同じく。

違うところが水宮のダンジョンの両脇の水路が溶岩になっていた。溶岩路の幅が10メトルくらい。歩ける通路は20メトルほど。壁には上から溶岩が流れている。

水宮のダンジョンと火の宮のダンジョンの違いは壁が赤く光っているところと、水が溶岩になっているところくらいだ。

戦えるスペースの幅が20メトルと広いことは良い事だ。ただ両脇の溶岩に落ちないように注意は必要だ。

【昇龍の盾】をしっかりと構えて前に進む。40メトルほど先に進んだところが曲がり角になっている。その曲がり角から人影が現れた。

人間のように普通に歩いている。体長は1.8メトルくらい。全体的に黒い身体。下半身は毛に覆われている。顔は馬に似ていて横に巻き角がある。こちらに気がつくと身体から炎が湧き出した。

【ドン!】っと蒼炎が当たる音がした。イフリートらしき魔物は白い灰に変わった。僕は発見した瞬間に蒼炎を詠唱して打ち込んでいた。

卑怯というなかれ。先手必勝がダンジョンで生き残るコツなのだから。

取り敢えずイフリートにも蒼炎の魔法は有効だった。

あとは接近戦が可能かどうかの確認と、イフリートの攻撃魔法が【昇龍の盾】や他の防具で防げるかどうかの確認。この確認はどちらもミカが向いている。

僕は自分の防御を固め、いつでも蒼炎が詠唱できるように準備した。

倒したイフリートから出てきた魔石を拾う。B級魔石だ。背中のマジックバッグに入れ、先に進んだ。

イフリートとの接近戦と【昇龍の盾】の防御力の確認だが、直ぐに終わった。

次に現れたイフリートにミカが突っ込んで行った。

虚を突かれたイフリートが火の魔法を使う。

ミカはそれを回避と【昇龍の盾】で防ぎながら【昇龍の剣】でイフリートを斬りつける。

物理攻撃に強い精霊のイフリートではあるが、弱点属性の水である【昇龍の剣】は効果的な攻撃だった。

最初の斬撃で右腕を切り落とし、次の斬撃で左脚を切り落とした。最後に首を切り落として討伐終了した。

ちょっと僕にはできそうもない芸当だった。剣術の鍛錬を頑張ろうと思った。

その後はミカの独擅場だった。

高い身体能力で飛行するイフリートにも対応していた。

ミカの攻撃にイフリートは防戦一方であり、イフリートの火の魔法は全て防がれた。ミカの戦闘は芸術品だ。華があった。

たまに出現するFランクモンスターの火鳥は一刀両断にされていた。

この日、イフリートを11体倒した。