軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第42話 拠点変更(アクロ→ボムズ)

水宮のダンジョン制覇のあとは少しゆっくりしている。

魔法学校の記述試験の勉強をしたり剣術と盾術の鍛錬。3日に1回は水宮ダンジョンの1〜3階層に行ってレベル上げとミカのギルドポイントを貯めていた。

ミカも既にCランクに上がり、水宮のダンジョンにちょこちょこ行っていればBランクにはすぐになれそうだ。それにしてもCランク冒険者が奴隷で良いのだろうか? 戦争奴隷だからこの国では解放できないしな。

そういえばミカは魔法学校についてくる。貴族は従者を連れていけるんだよね。僕の場合は奴隷だけど。

僕の今の立場はファイアール公爵家の貴族と冒険者ギルドのBランク冒険者の貴族待遇の2つになっている。まぁファイアール公爵家からは家出だったから勘当とかはされていないんだよね。ファイアール公爵家には僕に見合いの申し込みが殺到しているらしい。

ファイアール公爵家の本家の息子でBランク冒険者の15歳は人気があるとのこと。ただしファイアール公爵家から僕には干渉しない約束なので僕のところまで見合いの話は来ないけどね。

王都の魔法学校のパンフレットを取り寄せた。入学試験は3月1日。内容が記述テストと魔法実技テストと面接。

記述テストはもう問題無いレベルになっている。面接も大丈夫だろう。魔法実技テストをどうすれば良いのか?

僕は蒼炎しか使えない。ダンジョン外で使用して大丈夫だろうか?

設備を壊すのも怖いし、不合格になっても困る。

ダンジョン内でやらせてもらえないかな?

ウォータール家宗主のセフェム・ウォータールさんが魔法学校への推薦状を書いてくれると言っていたから、その推薦状にダンジョン内で魔法実技テストをやったほうが良いと記載してもらうか。

取り敢えず魔法学校に僕から問い合わせの手紙を書いてみよう。

蒼炎系の魔法は他に何かあるのだろうか?通常魔法はその属性に適性があり魔力が足りていれば詠唱を唱えれば発動する。

僕は10歳の時にファイアーボールの呪文詠唱をしたが魔法は発動しなかった。水色の髪色だったため水属性のウォーターボールの呪文詠唱でも駄目だった。あの時は結局、無能の烙印を明確に押された。

蒼炎の魔法には他に魔法があるのかな?

だれか研究とかってしてないかな?

魔法学校に併立されている魔法研究所に期待かな。

ミカの髪色は黒い。ミカの出身は北のカンダス帝国。リンカイ王国の北の守護者はアイアール公爵家。金属を司り。髪色は黒。

ミカのエンジバーグ公爵家と北の守護者のアイアール公爵家は血縁関係でもあるのかな?

ミカの使える魔法は金属属性だ。もっとなんか有用な魔法は無いのかな? 探してみるか。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

アクロから行ける主要なダンジョンは封印ダンジョン以外全て制覇した。街を変えるべきかな?

ナギさんと離れることになるのは寂しいけど永遠の別れではないしね。他の街でも新たな出会いがあるし、旅をするのが冒険者って感じだね。

よし、思い立ったらミカに相談だ。

いつも通りミカはリビングでくつろいでいる。いつでもリビングでくつろいでいるなぁ。

「ねぇミカ、提案があるんだけど」

「なぁに?」

「僕達はアクロ周辺の主要なダンジョンは全て制覇した。そろそろ他の街に行って、そこのダンジョン探索しない?」

ミカは柔らかい笑顔を向けてくれた。

「あら唐突ねぇ。私の居場所はアキくんの側だからどっちでも良いわよ。あ、やっぱり冒険者なら移動かな」

「よし、それなら準備ができ次第移動しよう。これから寒くなるね。だったらボムズで冒険者活動してみる?こないだ行ったから新鮮味はないけどね」

「良いわよ。そうしましょうか、冬の間はボムズにいるのが良いわね」

こうしてあっさりと僕らの拠点移動は決まった。

ナギさんに言ったら驚かれた。そしてギルド長に言ったら引き留められた。セフェム・ウォータールさんに言ったら魔法学校への推薦状を書いてくれた。

アクロから移動しようと思い立って3日後、僕とミカは馬車を借りてボムズに向かって進んでいた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

特に問題無くボムズについた。まずは冒険者ギルドに挨拶だね。真っ直ぐ冒険者ギルドに行く。せっかくだからギルド長のインデルさんに直接拠点移動の挨拶をしよう。

受付でギルドカードを見せてギルド長の面会を希望する。来客中という事で少し待たせてもらった。来客者が帰るとすぐにギルド長室へ案内される。

「お久しぶりです。この間はお世話になりました。この度数ヶ月ですがボムズを拠点にダンジョン探索をする予定です。まずはギルド長に挨拶と思い面会をさせていただきました」

ギルド長のインデルさんは満面の笑みを浮かべた。

「おぉ! そうか、数ヶ月でもBランク冒険者が活動してくれるなんて嬉しいよ。全力でサポートさせてもらうよ。早速だが住むところと家事などをしてくれる人を派遣させてもらう。住むところは一軒家が良いのか?」

「できれば剣術などの鍛錬が出来る庭があると嬉しいです」

「そっか。それならば冒険者ギルドから50メトル離れたところに一軒家があるんだ。そこは小さな庭で鍛錬はできないけど、ここの裏に専用の鍛錬場があるよ。そこを使ってもらえれば良いかな?」

「それなら問題ありません」

「君ら2人は料理できるかな?」

「どちらもしないですね」

「よし分かった。料理上手の職員を担当にするから期待してくれ。今呼んでくるよ」

そう言ってインデルさんは人を呼びに行った。

インデルさんは30歳くらいの女性を連れてきた。

眼鏡をかけた細身のインテリ風だった。髪色は薄めの赤だった。

「こちらは冒険者ギルドボムズ支部受付主任のリーザだ。今からアキさんの専属職員にする」

「リーザです。よろしくお願いします」

「アキ・ファイアールです。こちらがパーティパートナーのミカになります。こちらこそよろしくお願いします」

挨拶が終わるとインデルさんが言った。

「じゃあとはリーザに任せるな。リーザよろしく頼むぞ」

「わかりました。お任せください。早速住む家に行きましょう」

そうリーザさんは言って、すぐに家に案内してくれた。

家を見て僕は口を開く。

「冒険者ギルドが本当に近いですね」

「そうですね。ここは一等地ですし買い物もなにかとしやすいですね。今から食材を買ってきますので嫌いな食べ物があったら教えてください」

「二人とも嫌いな食べ物は無いですよ」

「それでは今日より腕によりをかけて料理をさせていただきます。私が買い物に行ってる間に朝食、昼食、夕食の希望時間を決めてくださいね。後から確認させていただきます。それでは行ってきます」

リーザはすぐに買い物に出かけた。

ミカがポツリと言う。

「リーザさんって有能な人みたいだね」

「受付の主任だからね。有能じゃないと勤まらないよね」

「早速、今日の夕食が楽しみだわ」

「ボムズの家庭料理あたりが出るかな。僕も楽しみだね」

部屋は4部屋とリビング、お風呂も付いている。

問題無い家だね。

リビングでくつろいでいるとリーザさんが帰ってきた。

「それでは今日の料理を作らせていただきます」

僕はミカに耳打ちした。

「本当にしっかりしている人みたいだね」

半刻ほど待つと夕食が出来上がる。

夕食をみてミカがビックリした。

「なんで夕食がカンダス帝国の名物料理なの!」

リーザさんが優しく微笑んだ。

「ミカ様はガンダス帝国の出身ですので久しぶりに食べてみたいのではと推測致しまして」

「ありがとう。リーザさん。でもなんで私がガンダス帝国出身と知っているの?」

「失礼ながらBランク冒険者のアキ様がいつボムズに来ても良いように情報を仕入れております。パーティパートナーであるミカ様の情報も同じです。ミカ様もCランク冒険者ですから」

「リーザさん、貴女は仕事がとても出来て素敵な女性ですね」

「これくらいで喜んでもらっては困ります」

そういうと後ろからワインを取り出した。

「アクロ支部のナギより、ミカ様はワインが好きと聞いております。今日はボムズへの引っ越し祝いに軽く飲みましょう!」

「素敵なプレゼントだわ。ありがとうリーザさん」

「それでは冷める前に食べましょう。ボムズへようこそ!」

リーザさんのおもてなしは最高のスタートだった。