軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

049.テキサスvsジャパン

:テキサススタイルBBQだけでも暴力的だったというのに

:ダウナーニキは一体何を用意しているっていうんだ・・・!?

:それは我らフェチネキの満足するフェチが添えられているのだろうか…!

:あ、フェチネキがだいぶ自認になりはじめてるんですね

「まずは前回、誘ってはみたもののドクターストップが掛かってこれなかったキョウコの為にこれだ」

「ま、まさか……それは……!?」

:キョウコちゃんの大袈裟リアクションww

:いでよ神の雷されてそうな反応で草

「そう。薄切りタンだ」

:キタ――――!!

:前回のタンか!

:そりゃあツカサと二人で食べきれなかっただろうけどさ!

「マンゴーカットのタンステーキも用意してある」

「あの配信、めっちゃ旨そうで食べたかったんだよなー!」

:フウくんのテンションもあがってるじゃん

:いやこれは食べたいよ

:テキサスステーキもすげーけどこっちは明確に味が想像しやすいせいか破壊力が倍くらいある

「さらに、中落ちカルビ。

ガーロのサイズ的には切りそろえられるんだが、中落ちといったら不揃いだろうという個人的なこだわりで、不揃いカットしてきた」

「ワルド殿こだわりのカルビというだけで恐ろしいのは気のせいか……?」

:カルビ!?

:いやまって焼肉セットがでてきてるんだけど!?

:さっきまでテキサス焼肉だったのにここから日本焼肉!?

:嘘だろ。。。こんなコトが許されていいのか。。。!!

:解説のお姉さんがビビってるじゃん!

「さらにこれだ」

「小さなツボがでてきた!?」

「これ知ってる! 焼肉カイザーの名物の壺漬けドラゴンだ!」

:まぁカイザーのはドラゴンとは名ばかりの壺漬けカルビなんだが

:いやでもガーロの壺漬けカルビは相当じゃないか

:SAIから色々と出てきすぎだろw

「確かにチェーン系焼肉店でもちょいちょい見かけるな。

これはクヌギの言う通り、壺漬けカルビだ。ただし、味付けは行きつけの焼肉屋のモノをマネしたやつだが」

言いながら、セイジはトングで中身を掴み持ち上げる。

切り込みが無数に入れられた太くて長いカルビが、染みこませたタレを壺の中へと垂らしながら引き上げられる。

「カルビを一本になるように切り出して、仕込んできた」

:まだ生肉なのにすでに旨そう

:あれを焼いてハサミとかで切り分ける瞬間大好き

:切り分けるの?一本丸々先っぽからガブリが至高では?

持ち上げたカルビを壺に戻したあと、セイジはさらに自分のSAIからモノを取り出す。

「そして肉を彩るのはこれだ」

「まだ何か出てくるのー!?」

「もちろん。まずは岩塩」

:塩でシンプルに食べるのいいよね

「次に、ツボヤのワサビ」

:鎧甲イノシシの時にも使ってたお高めの美味しいヤツだ

「焼肉のタレ。甘口と辛口」

:定番だな

:いやどんだけ調味料でてくるの?笑

:この流れ初回のカツオの時に見たw

「さらにレモン汁にコチュジャン」

:その辺も定番だけどさぁ

:充実しすぎでは??

「ふりかけ状の焼肉のタレ、ワンダーパンチ」

:変化球が来たな

:これ結構好き

「実は意外と悪くないマスタードと、からし」

:意外なのでてきた

:分かる 特にマスタードはかなり合うから好き

:敢えて辛子で食べるのもオツなモンだよな

:わりとコメント欄に経験者がいてビックリ

「前回の配信でも出した、白髪ネギのナムル」

:タンに乗せてたやつか

:これも美味しそうなんだよなー

「あと各種ナムルも少量ずつ」

:致せり尽くせりか!?

:テーブルに置くときの指!って言ってる暇がないくらい出てきて草

「ちゃんとあるぞ、サンチュ盛りにキャベツ盛り」

:肉と葉っぱの組み合わせっていいよな

:サンチュで巻くのもいいけど肉の脂でキャベツを食べるのもいい

:肉に味付けせず塩だれキャベツで肉を食べるのもアリなんだよなぁ

:コメント欄に有識者多過ぎでは??

「お得用ペーパー小皿、100枚入りパック」

:急に現実的なのでてきた

:たしかにこれだけの調味料が用意してあるなら皿はたくさん必要だな

「そして、お徳用割り箸パック、100膳入り」

:日本人的には確かに欲しい

:フォークやナイフよりやっぱ箸だよな!

「いやはやどんだけ用意してるのだ、貴方は」

「自分が食べたいやってみたいを、一気に放出しているだけだ」

:しーちゃん以外が 怒濤(どとう) の調味料攻勢の衝撃から戻ってきてないんだけどww

:みんな驚きすぎでしょ笑

「じゃあ、焼くか」

そうして、セイジは薄切りのタンを網の上に大量に乗せた。

さらに、マンゴーカットのタンステーキもいくつかのせる。

:みんなが目をまん丸にしている中でマイペースに焼き始めやがる

:炙られて少し縮んだり丸まったりしていく薄切りタンの愛おしさよ

薄切りタンはさっと火に掛け、火が通ったのを確認したらすぐに皿の上に盛っていく。

:雑盛り!!

:だがそれがいい!

「薄切りタンの炙りがあがったぞ。下味に軽い塩を振ってあるだけだから、好きに食べてくれ」

それをゲストのいるテーブルのへと置いた。

:横のテキサストレーと迫力に差があるのに負けに見えない

:これはこれで視覚の暴力がすぎる

:さりげに自分の分も焼き場の片隅におく抜かり無さw

セイジはすぐに焼き場に戻ると、コメント欄の言う通り脇に置いてあった薄切りタンに、白髪ネギのナムルを乗せて口に運ぶ。

白髪ネギのシャキシャキ感とごま油のダシの風味、それらがタンの風味と旨味たっぷりの脂と混ざり合う。

しっかりとした歯ごたえがありながら柔らかいタンを噛みしめ、飲み込んでから、小さくうなずく。

「うん。すでに一度食べている味だが、やはり悪くない」

:やっぱ旨そうなんだよなぁ

:先週もタンを食べたのにまた行きたくなっちゃう!

「うわーん、分かってはいたけど美味しいよー!」

「タンはあっさりヘルシーでいくらでも食べれるから誤解されがちだが、意外と脂が多いんだぞ。多いのに、いくらでも食べれてしまう……!」

:しーちゃんが悔しそうに口に運んでて草

:っていうかタンって脂多いの?

:カルビやロース並の高脂質食材だったりするんだよなぁ

:うそ!?タンだけ食べまくってればヘルシーって考えてた私の努力は!?

:努力なの?それ?

「塩もレモンもいいなー! 旨い!」

「フウリュウ、このネギ乗せて喰うのもいいぞ!」

「肉盛りプレートもいいけどこういうのもいいよね!」

「むしろ肉盛りプレートより焼肉の方がためらい感じなくていい!」

「わかるー! 肉盛りはテンションあがったけどこっちのが分かりやすくていい!」

:高校生組はモリモリ行ってる

:そこはほら高校生だし

:分かりやすいっていうのもちょっと分かるw

などとやっているうちに、セイジは中落ちカルビを焼いていく。

熱で脂を滲ませ、ポタポタと薪の中へと落ちていく。

様子を見ていたセイジは、ここだ――とばかりに全てをひっくり返し、もう少し火に掛けた。

良い具合に火が入ったのを確認すると、先ほどのタンと同じ要領で皿に雑盛りした。

:黙々と焼いてたなニキ

:ドローンが火に照らされたダウナーさんの横顔をずっと撮影してて質

:焼いている姿は色々最高ではかどる

:配信なのに沈黙タイムが歓迎されるってすごいよな笑

「中落ちカルビ。焼き上がったぞ」

「来てしまった」

「焼き上がったばかりで脂したたってるぅぅぅ……」

「網焼きしたのにこれか。恐ろしい」

:ダメだイメージの解像度が高いからテキサストレーより殺傷力が高すぎる

:最高の味わいは分からなくても自分の知る最高の味くらいまでは想像できるもんね

:焼肉はずるいんだよ焼肉は

テーブルに置くだけ置いてセイジは焼き場に戻ると、タン同様に脇によけておいた中落ちカルビに軽く塩を振り、ワサビを乗せて口に運んだ。

柔らかくも歯ごたえのある肉。

噛みしめるごとに脂身と肉汁が溢れ出てくる。

その肉から溢れたジューシーな汁気が、ワサビの辛さを中和して、旨味と甘みと風味だけを際立たせる。

そして、その際だったワサビが、肉の味を引き上げて、味あわせてくれた。

「……悪くない。悪くないな」

:特に何も言ってないのに旨そう

:相変わらず黙々と雄弁だなぁ

:飲み込んだ時の喉仏の動きときたら!

マンゴーカットのタンステーキをひっくり返しながら、セイジはしみじみと旨さを堪能して息を吐いた。

「分かってはいたけど美味しい……!」

「テキサスステーキの時点で十分に味わいは理解していたと思ったが……ほとんど味付けしてないカルビでこれほどの旨味があるとはな……」

「うま! 柔らか!」

「噛むほど肉汁でてくる!」

「これ好きだなぁ」

:向こうもすげー盛り上がってる

:そりゃあ中落ちカルビだもん

「塩でもタレでもレモンでも美味しいけど、アレが欲しい!」

「分かる! 肉だけでもいいんだけど、欲しい!」

「確かにボクも欲しいかも!」

:高校生組は何を言ってるんだ?

:いやそうか確かに欲しくなるだろうな

:だけどしょっちゅうダウニキは用意を忘れているイメージがあるなw

「コメントたちよ、甘いぞ。そう何度も失敗するオレじゃあない。今回はちゃんと用意してある」

:お?

:どうしたニキ?

;話しかけてくださってありがとうございますありがとうございます!

:うわあああああん声しゅきぃぃぃぃぃぃぃ

:ニキがドヤってて草

:コメントの反応が両極端だなぁ

マンゴーカットのタンステーキの具合を見て、少し離れても大丈夫だと判断したセイジは、大きめの紙皿を手に取るとゲストテーブルに向かう。

「フウリュウ、クヌギ、タルキ。お前たちが欲しいのはこれだな?」

そう言って、セイジは大きな紙皿の上へと何かを乗せていく。

「まさかワルド殿……」

「嘘でしょ!? おにぎりまで用意してあるの……?!」

:そうか米か!

:ちゃんと用意できて偉い!

「その通りだ」

「しかも可愛いぃぃぃぃ! ちょっと写真とっていい?」

「いいぞ」

:かわいい?

:おにぎりが?

:キョウコちゃんの反応的にガチで可愛いヤツ?

「見て見てみんな! これをダウさんが作ったんだよ!」

言いながら、キョウコが皿の向きを変えた。

:これは確かにw

:ダウナーニキは本当に器用だな

:かわいいぃぃぃぃ!

:これをワルニキが作ってる姿を想像するとさらに可愛い!

:作るときの手が見たかった

:作るときの喉仏が見たかった

:手はともかく喉関係なくね??

などとゲストもコメント欄も盛り上がる。

その原因となる大きな紙皿――そこには、シマエナガの姿をした小柄なおにぎりが、ピラミッド状に重ねて並べられていた。