軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

六三郎はやりたい事の理由を問われると

六三郎が何かを閃いた事により、赤備え達は武を乗せた駕籠を担ぎながら全速力で躑躅ヶ崎館まで走り

田之助達3人も離されまいと頑張って走った事により、推定昼2時頃に出発した一行は、往復12キロをおよそ3時間後の昼5時頃に帰って来た

到着した六三郎と共に田之助達が大広間に到着したが、典厩は

「田之助、義衛門、新三郎。赤備えの面々と共に走れば疲れ果てる事は分かるが、もう少し、シャキッとせんか」

「て、て、典厩、様。申、し、訳、あり、ま、せぬ」

疲れ果てて、汗が止まらないだけでなく、正座も出来ない程足が震えているだけでなく、口も回らなくなっていた田之助達を注意していた

そんな典厩に六三郎は

「典厩様、三人は我々について来ようと必死だったのです。此処は何とかついて来た三人の根性に免じて、お許しくだされ」

「3人を少しは許してやって」と、フォローした。六三郎に言われては典厩も

「六三郎殿がそこまで言うのであれば」とそれ以上の言葉を抑える。そして六三郎へ

「改めてじゃが六三郎殿。慌てて戻って来たと言う事は、何かしら見つかったと見て良いのですかな?」

「何か見つかったんでしょ?」と質問する典厩の質問に六三郎は

「典厩様、これは確定ではないのです。確認の為に挑戦してみたい事。とでも言えば良いでしょうか

それでも新たな特産品、もしくは特産品の原材料になるかもしれませぬ!」

「まだ明確な答えは無い」と答えながらも新たな特産品の可能性を示唆する

それを聞いた典厩が

「此度はどの様な物に特産品の可能性があるのですかな?」

どの様な物が特産品になるのか質問すると

「典厩様!特産品になる可能性のある物はこちらです」

六三郎は持って来た松の葉を見せる。それを見た典厩は

「六三郎殿、これは松の葉ではないか。この松の葉がどの様に特産品に変わるのか、教えてもらいたい」

当然、どう言う事か分からないので六三郎へ再度、質問する。その質問に六三郎は

「典厩様!この松の葉だけでは何も出来ませぬ!この松の葉をワインの樽の中に入れて、拙者の想定通りの結果になれば

甲斐国のワインにおいて、新たな一品が出来るのです!勿論、ワインだけでなく、甲斐国内にて育っている果物の果汁でも同じ事が出来る事になります!

なので、先ずは既に製造済みのワイン樽を4樽、試しに使わせていただきたく!」

ワインに新たな一品、更には果物の果汁も特産品になると説明しながら、典厩に頭を下げて頼み込む

六三郎のその姿に典厩は

「分かりました。六三郎殿、挑戦してみてくだされ」

チャレンジする事を了承した。そこから典厩は六三郎へ

「色々と挑戦してくれて、誠にありがたい事じゃが、六三郎殿。何故、そこまで色々と甲斐国に対してやってくれるのか教えてくれますかな?

甲斐国の復興は、御屋形様と江姫様の婚姻の為である事は拙者を始めとした家臣達は知っております

ですが、此度の事は、御屋形様と江姫様の婚姻が決まった後の事ですので、どの様な狙いがあるのですか?」

「何で、此処まで働いてくれるんだ?」と質問する。質問に対して六三郎は姿勢を正して答える

「典厩様、数年前に話したと思いますが、勝四郎殿に嫁ぐ江、長宗我部家の弥三郎殿に嫁いだ初、上杉家の喜平次殿に嫁いだ茶々は

実父の浅井備前守殿が織田家によって自害に追い込まれました。母上が嫁いで婚姻による同盟だったのですが

それもちょっとした考えの食い違いで手切になりました。その話を母上から聞いた拙者は

失礼ながら江の嫁ぐ武田家の領国の甲斐国の財政の状況次第では甲斐国が内乱状態になる可能性が妹達の嫁ぎ先で最も高いと

思ったからこそ、そうならない為に動いております。典厩様や仁科様が生きて睨みを利かせている状態ならば、何の問題も無いでしょう!

ですが、典厩様や仁科様が100歳を超えても生きる事を期待しては、勝四郎殿や勝四郎殿の子達の統治が不安しかありませぬ!

だからこそ拙者は、後顧の憂いを無くす為に、動いているのです!勿論、拙者が何度も何度も甲斐国へ来ては、勝四郎殿の為にならない事も承知です

なので典厩様、拙者が帰った後、若い家臣の方々へ色々と挑戦させる事を勝四郎殿へ申し出てくだされ。この通り!」

六三郎の表向きは「甲斐国が内乱状態にならない為」、実際は「甲斐国へ何度も来たくない!」を聞いた典厩は

「確かに、六三郎殿に頼ってばかりでは、御屋形様が江姫様に愛想を尽かされてしまいかねぬか

六三郎殿の江姫様を思う気持ちを受けて、我々もしっかりしないといかぬな!」

そう納得してくれた様で

「分かりました。六三郎殿、ワイン樽は四つ程になりますが、果物に関しては多く使ってくだされ」

六三郎に「色々とやってみてくれ」と伝える。典厩の言葉を聞いた六三郎は

「忝い!それでは典厩様!松の葉を大量に収穫する事は勿論ですが、ワイン樽の他に酒用の徳利も準備してくだされ!我々は松の葉を収穫して参ります!」

そう言って、大広間を出て行った。そんな六三郎達の後ろ姿を見送った典厩は田之助達へ

「ほれ!田之助、義衛門、新三郎!お主達も手伝って来い!」

「六三郎達を手伝って来い!」と、無茶振りをするが、六三郎の話を聞いた田之助達は

「はい!柴田様が仰っていた、安全で平和な甲斐国を作るには、拙者達の様な若者が頑張らないとといけませぬ!それでは行ってまいります!」

とても気合いの入った顔になっていて、そのまま六三郎達を追いかけて行った

その様子に典厩は

「二郎殿にも、この事を伝えたら喜ぶじゃろうな。武田家の長老として、儂もまだまだ老いぼれるわけにはいかぬな」

自らもまだまだ頑張らないといけない決意に溢れていた

そんな状況の中、六三郎達が松の葉を収穫し終えて、躑躅ヶ崎館の大広間に戻ると

「六三郎殿、ワイン樽四つと、果物の果汁を入れる徳利を五つ、準備完了しておりますぞ」

典厩が六三郎のリクエストしていた物を準備しておいていた。それを見た六三郎は

「典厩様、誠にありがたき!それでは早速始めたいので、桃の果汁を絞る皿と松の葉を洗う為の水と桶をお願いします」

更に必要な物をリクエストする。リクエストを聞いた典厩は、女中に命令して皿と水と桶を持って来させた

全ての物が揃うと六三郎は

「それでは、先ず松の葉を洗います。付け根も取りまして、松の葉だけにして水気を拭きます。ワイン樽には50本程、投入します」

ワイン樽に洗った松の葉を投入した。その後、桃を絞って果汁を徳利に入れると、そこに松の葉を5本程、投入する

これを複数回繰り返して、全てのワイン樽と徳利に蓋をすると六三郎は

「典厩様!これで完了です!あとは3日から5日程熟成させたら、新たな特産品になるでしょう!」

と、典厩に伝える。それを聞いた典厩は

「それでは5日後に呑んでみよう。出来れば御屋形様と江姫様もそれくらいに到着してくれたら良いのじゃがなあ」

勝四郎と江がそれくらいのタイミングで到着して欲しいと祈っていた。そんな典厩を見た六三郎は内心

(前世で見た水に綺麗な松の葉と砂糖を入れて、蓋をした状態で3日寝かせたら松の葉サイダーが出来た話を聞いた事があるからやってみたけど

これで成功したら、スパークリング赤ワインと桃の炭酸ジュースが完成する筈だ!

完成したら、これを武田家名義で殿と大殿に試飲させて、オッケーが出たら京や堺で売って武田家の利益にしてもらおう!

上手く行けば、俺が甲斐国に行く理由が無い金持ちな国になるに違いない!)

前世の何となくの記憶から作り出した、自然由来の炭酸をワインや果汁に合わせて

スパークリング赤ワインや桃の炭酸ジュースを作って、それが更に武田家に銭をもたらす事を祈っていた。