軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

飯富兄弟の涙と六三郎の驚きと仕事

「それでは六三郎殿は勿論、源太郎殿と源次郎殿に軽殿達家族の事を伝えるが、実はこちらの軽殿は

かつて武田家嫡男であった太郎義信公の男児に嫁いで、武達四人を産んだのじゃ。つまり武達四人は義信公の孫にあたる

そして、義信公の子、東光殿を身籠った娘じゃが、幼い頃の源太郎殿と源次郎殿を保護してくださった佐野殿の娘の虎殿であったのじゃ

義信公は切腹する前に子を身籠った事を知ったのじゃが、佐野殿はその事を知っておったのか、今となっては分からぬ

それでも虎殿は義信公の遺言を守る為、佐野家を出て行ったのじゃろう。虎殿は東光殿を抱えながら百姓暮らしの中

子育てを頑張って、東光殿が大きくなった時に軽殿と出会って、そこから東光殿と軽殿は夫婦になり四人を産み、育てていたのじゃが

五年前に東光殿と虎殿が亡くなった事により、二人の遺言で「武田家を頼れ!」と言われた事と

二人の遺書と義信公の遺書を携えて、この躑躅ヶ崎館まで来たのが、三年前の六三郎殿達が遠江国へ出立した後だったのじゃ

つまり、何が言いたいかと言うと、この四人は義信公の孫であり、佐野殿の孫でもある。そして、長男の田之助じゃが」

典厩がこれまでの流れと田之助の嫁取りの件を説明しようとしていたが、源太郎と源次郎は

「我々兄弟の事をお守りくださった、佐野様の孫が生きておったとは」

「しかも、父上が命をかけても守ろうとしていた、太郎様の子供が、、更に孫まで」

幼い頃の記憶を思い出して、泣いていた。そんな2人に典厩は

「六三郎殿、源太郎殿、源次郎殿。御館様が戻る前に伝えておかないと、二度と伝える機会が無いと思ったからこそ、伝えたのじゃ」

軽達家族の事を話した理由を説明する。説明を受けた源太郎は

「典厩様、この事を父上の墓前に報告したいのですが、よろしいでしょうか?」

父の虎昌に伝えてやりたいとリクエストすると、典厩は

「是非ともやってくだされ」

了承した。こうして、源太郎と源次郎にとっては涙を流す程、喜ばしい事だと判明したが、六三郎は

「典厩様、とても素晴らしい事を教えていただき、忝うございます。ですが、先程の話の途中で田之助殿の事で何かありそうな素振りを感じたのですが、何か早めに解決したい問題でもあるのですが?」

やめておけばいいのに、典厩に対して質問した。六三郎の質問に典厩は

「流石、六三郎殿じゃな!実に洞察力が鋭い!実は、この田之助じゃが、右府様が取りまとめた北条家との縁談にて

幻庵殿の三男の孫娘を嫁がせる事までは、話が進んでおるのじゃか、その嫁取りの条件が元服を済ませる事なのじゃがな

六三郎殿も知ってのとおり、御館様は右府様と共に甲斐国を離れておるから、元服させるにしても御館様抜きと言うのは流石に良くないとの事で、棚上げ状態なのじゃ

ああ、先に言っておくが六三郎殿に烏帽子親になってくれと言うわけではない。六三郎殿に少しばかり知恵を借りたいのじゃ」

「六三郎の知恵を借りたい」と答える。典厩の言葉に六三郎は

「大した事は出来ないと思いますが、どの様な事で、拙者の知恵が必要なのでしょうか?」

「大した事は出来ない」と予防線を張る。そんな六三郎に対して典厩の答えは

「そんな難しい事ではない。筈じゃ」

とてもあやふやだった。しかし六三郎へちゃんと説明する内容は充分に難しい内容だった。その内容とは

「実はな、田之助の元服の際の仮名と諱で何かしらの知恵を借りたいのじゃ。六三郎殿は御館様の元服の際も、話を聞いてから

どの様な仮名が良いや、諱はこれが良い等の提案をしてくれたのでな、田之助も躑躅ヶ崎館に来た時よりも武士としての教養は勿論

理財を含めた内政も覚えて来ておる。それで御館様も田之助に幻庵殿の曾孫を嫁に迎えても良いと判断したのじゃが

その御館様が戻ってくるのが、いつになるか分からない以上、仮名と諱くらいは候補を絞っても良いと思って六三郎殿に知恵を借りたいのじゃ」

「直ぐに決定しないけど、候補を挙げてくれ」との事だった。それを聞いた六三郎は

(いやいやいや!勝四郎くんの時も、伊達家の隆次郎くんの時もそうだったけど、何で俺に「何か良い名前を」と話を持ってくるのですか?

俺は「名付けジジイ」になるつもりはないんですが?でもなあ、これで元服を後回しにして、

武田家と北条家の関係に緊張感が出る可能性も少しはあるし、そんな事になった場合間違いなく江と勝四郎くんは俺に「どうにかしてくれ」と頼る可能性は更に高い!

そうなると、俺のこれからのお気楽殿様ライフの為、出張しない為、かなり頑張らないといけないなあ!仕方ない!)

六三郎は作者と読者から「お前にお気楽殿様ライフが来るわけないだろ!」と突っ込まれる事を知らずに考えた結果、田之助の元服を手伝う決断をくだす

「典厩様、田之助殿。拙者の知恵で良ければ、出来るかぎり貸しましょう!武田家の血族が嫁を迎えて、子を持てば武田家の土台が更に強固になりますからな!」

六三郎のこの言葉に典厩は

「六三郎殿、忝い!」と言いながら、頭を下げて、田之助も

「柴田様!誠にありがとうございます!」と頭を下げていた。こうして、六三郎はまた元服後の名前を考える事になった。