作品タイトル不明
最上家と武田家と伊達家が出発したら羽柴家が呼ばれる
慶長元年(1596年)五月十三日
播磨国 柴田家屋敷
睦子と栄太郎が最上家の人間として義光に認められてから2日後、義光の引率で甲斐国への出発準備を終えた勝四郎と江が屋敷の大手門に集まっていた
「それでは父上!母上!勝四郎様と共に甲斐国へ行きますが、孫を見せたいので長生きしてくださいね!」
「勿論じゃ」
「江、しっかりと勝四郎を支えて、武田家を支えるのですよ!」
「義父上、義母上。絶対に江に苦労をさせませぬので、ご安心くだされ!」
挨拶を江と勝四郎が終えた事を確認した義光は
「それでは越前守殿!奥方殿!二人を甲斐国まで無事に連れて行きまする!そして徳川様、領地である信濃国を通る許可の書状を書いていただき、誠に忝うございます」
勝家と市に挨拶を終えてから、家康へ信濃国を通る許可を貰った事に感謝を述べていた
その義光に家康は
「なに、勝之尉と竹姫の間の嫡男を見てもらいたい事もそうじゃが、甲斐国へ入るには信濃国が一番の近道じゃろうからな
それに、早く出羽国へ到着して嫡男の太郎殿へ摩阿姫殿を見せてやらないといかぬでしょうからな」
義光の為に速い道を行かせる為だと説明した。それを聞いた義光は
「ご配慮、誠に感謝致します!」
家康に頭を下げて感謝を述べてから、信長へ
「右府様!甥の藤次郎が陸奥国統一の為に立ち上がったのですから、我々最上家も出羽国統一の為、立ち上がります!そして出来る限り早く出羽守統一を成し遂げてみせまする!」
出羽国統一を成し遂げてみせると宣言した。義光の言葉に信長は
「うむ!楽しみにしておるぞ!そろそろ出立せよ!出羽国に到着する頃に冬になってしまうぞ!」
「ははっ!それでは出立します!」
義光に楽しみにしていると伝えて、出発を促すと、そのまま義光達は出発していった
そこから姿が見えなくなるまで見送っていたが、見えなくなると市が
「江が嫁入りなんて、本当に時が経つのは早いですねえ」
と、泣きながらしんみりしていた。そんな市に対して勝家は
「市、とりあえず屋敷内に戻ろう」
「はい」
屋敷内に戻ろうと伝えて、市も了承した。信長と家康も2人に続いて屋敷内へ向かう
しばらくして大広間に到着すると信長は家康へ
「さて二郎三郎!お主の長女の亀姫殿の子供達の件の事で、儂は羽柴藤吉郎の嫡男を末の娘の婿殿に推挙した
その事に関して、二郎三郎の考えを聞かせてくれぬか?」
亀姫の娘の嫁ぎ先候補に秀吉の嫡男を提案した件について質問していた。信長の質問に家康は
「拙者としては、孫娘の昌美の嫁ぎ先に関しては貧乏暮らしをさせないのであれば、とやかく言わないつもりです、
とりあえず亀を呼びましょう。柴田都、娘を連れて来てもらえますかな?」
「ははっ!利兵衛、亀姫様を頼む」
「ははっ!」
とりあえず亀姫にこの事を話すと決めて、勝家に亀姫を連れて来てくれと頼み、勝家は利兵衛を動かす
命令を受けた利兵衛は光三郎や源四郎を動かして屋敷内をくまなく探すが、亀姫の姿は見つからない
そこで源四郎から
「利兵衛殿、もしや亀姫様は寺子屋に居るのでは?」
「寺子屋に居るかも」と提案されると、利兵衛は
「有り得ますな。行ってみましょう」
寺子屋に行く決断をくだす。少し歩いた所にある寺子屋に到着する。そこでは
「九太郎!九次郎!鶴松丸!あなた達と歳の変わらない若者達に負けていては駄目ですよ!しっかりついていきなさい!
昌美!貴女の体躯に合わせた薙刀くらい、しっかり振りなさい!」
亀姫の子供達が鍛えられていた。しかし、初心者なのでついていけてない事に亀姫は叱咤していた
そんな状況だったので、簡単に声をかけられなかったが、利兵衛が意を決して
「亀姫様、お忙しい所、申し訳ありませぬが、徳川様がお子達の件でお呼びですので大広間に来ていただきたく」
そう亀姫に声をかけると
「子供達の事ですか、もしや昌美の嫁ぎ先候補についてですか?分かりました!直ぐに行きます!」
とても良い話だと早合点したが、利兵衛達と共に大広間に向かうと、そこで
「父上!右府様!昌美の嫁ぎ先か決まったのですか?」
即座に本題に入る。そんなテンション高めの亀姫に家康は
「まだじゃ!それよりも亀、昌美の嫁ぎ先候補には織田家家臣でも良いのじゃな?その旨を教えよ!」
「昌美の嫁ぎ先は貧乏暮らしさせなければ何処でも良いな?」と確認を入れる。家康の言葉に亀姫は
「はい!昌美が食う物に困る家に嫁いでしまったらと考えると不安ですので、ちゃんとした家の方、
それこそ領地が奥平家より小さくなければありがたいくらいです!」
「奥平家の領地よりも大きい領地を持っていたらありがたい」と、織田家家臣でも良いと伝える。亀姫の返答を聞いた家康は
「三郎殿。亀は奥平家の領地よりも大きい領地を持っている家を希望しておるそうですので、
先ずは羽柴殿と見合いの形を取らせてみたいので、羽柴殿へ文を書いてくだされ」
秀吉や息子達とのお見合いのセッティングを信長にリクエストした。家康のリクエストに信長は
「そうじゃな!先ずは顔合わせだけでも、という事じゃな。お蘭!聞いておったから分かるじゃろうが、今の内容を文に書け!そして元来、文を藤吉郎の元に急いで送ってくれ!」
「「ははっ!」」
蘭丸に文を書く事、勝家に文を届ける事を命令した。命令を受けてから約1時間後、蘭丸から
「大殿、徳川様。文の内容はこれでよろしいでしょうか?」
書き終えた内容の確認を求められて、内容を確認すると信長も家康も
「見事な内容じゃ」
「この文でよろしくお願いしますぞ」
内容を了承した。その文を勝家が受け取ると、家臣に渡して秀吉の居る備中高松城まで走らせた
託された家臣はかなり頑張った様で
慶長元年(1596年)五月三十日
備中国 備中高松城
「殿!播磨国の越前守様からの文が届けられました」
「親父殿からじゃと!?まさか、倅達に何かあったのか!?ふ、文をくれ!」
信長からの文は、2週間と少しで秀吉の元に届いた。勝家からの文だと思っている秀吉は、慌てて文を受け取り読み出す
「ど、どの様な内容じゃ。「藤吉郎、いきなりの文で驚かせて済まぬ。文を届けた理由じゃが
大殿と徳川様より、藤吉郎の嫡男と徳川様の孫娘で見合いの形で会わせたいとの事じゃ。いきなりの話で驚いておると思うが
この様な話なので、藤吉郎と寧々か来て、双方の親と祖父か居る場として欲しい」との事じゃが、小一郎!どうしたら良い?
もしかしたら、徳川様と縁戚になる可能性が出て来たとはいえ、長望丸に徳川様の孫娘を、いや、それ以前に三乃を長望丸に嫁がせる計画が」
文を読み終えた秀吉は、どうしたら良いのか分からず秀長に聞くが秀長も
「兄上。こればかりは、拙者も良い知恵が出ませぬ。なので義姉上も交えて話し合いましょう」
「自分も分からないから寧々を交えて話し合おう」と答えるしかなかった
こうして、以前までの秀吉なら飛びついた出世の大チャンスだが、決断出来ずに話し合う事になった。