軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

黒脛巾組と田村家は事後処理を行なう

「はあ、はあ、はあ、はあっ!あ、あんな化け物共相手に、戦えるか!何が、「青瓢箪」じゃ!家臣達があの様な強者や、とてつもない策を使う知恵者が居る家相手に定石通りに戦うなど阿呆じゃ!

あんな阿呆に仕えていては、命がいくつあっても足りぬ!今ならば針生家に戻っても許される筈じゃ!急げ!!」

戦場から逃げているのは、盛春達と共に撤退した50人のうちの1人、名前を佐藤と言うのだが、この佐藤某は盛春達とあえて逸れて、戦場から遠い林の中で甲冑を脱いでいた

その様子を隠れて見ていた者達が居た。それは伊達家の裏の仕事を担う黒脛巾組のうちの5人だ。5人は田村家の領地で百姓家族として潜入しているのだが

逃げている佐藤某を見つけた5人は

「あんな油断だらけの格好で居るなんて、阿呆だねえ。落武者狩りの振りして殺すかい?」

「そうだな!油断してる奴が悪いという事で」

「そうだねえ、可哀想だけど殺そうか」

「それじゃあ準備して」

4人は落武者狩りの振りで殺す事に決めたいた。しかし残り1人が

「いや、待て!」

4人を止める。止められた4人は

「何で止めるんだい?」

「そうだぞ!さっさと殺して、金目の物を奪おうぜ」

「そうだよ!殺しちゃおうよ!」

「何か考えでもあるのか?」

質問している。1人の者が止めた理由は

「殺すのは簡単だが、あの者を捕獲して田村家から褒美を貰うと同時に、此度の戦の生き証人として保護してもらおうと思ったのじゃが、悪くないと思わないか?」

戦の生き証人になってもらう事だった。それを聞いた4人は

「あんた、賢いねえ!」

「戦の原因を語ってもらうと」

「そんな理由なら、仕方ないね」

「そう言う事なら、捕まえよう」

納得した。そこからは5人は音も無く、佐藤の後ろに近づいていき。佐藤が気配に気づいて振り向いた瞬間

ドンッ!と首の後ろを叩かれて、気を失った。佐藤が気を失っている間に5人は手足を縛り、近くに脱ぎ捨てられていた甲冑も回収して、担ぎ上げると田村家の屋敷に向けて出発した

それからおよそ3時間後、5人は田村家の屋敷の大手門に到着すると、門番の足軽へ

「あの、こちらのお侍様、田村様の旗と違う旗の集団に居ました。畑の近くの林で寝ている所を捕まえたんですが、田村様にお渡ししますので、褒美とか貰えないでしょうか?」

「敵の侍を捕まえたけど、身柄を渡すから褒美をもらいたい」とリクエストをする。5人の話を聞いた足軽から氏顕まで話が行くと、氏顕は

「とりあえず、大広間に連れて来てくれ」

そう命令した。こうして5人と佐藤が屋敷内にはいる事になった。そこから5人が氏顕や昌幸達の居る大広間に集められると

「○○村の太郎です」

「嫁のたえです」

「太郎兄さの弟の二郎です」

「二郎の嫁のつうです」

「つうの弟の三蔵です」

5人は偽名で自己紹介を行なう。名前を聞いた氏顕は「さて太郎達家族が、敵と思しき武士を捕まえてくれたそうじゃな。そこで、何かしらの褒美が欲しいとの事じゃな?」

「はい。恐れながら、その通りです」

氏顕から「褒美が欲しいらしいね?」と確認されると、5人のうちの1人が

「はい。その通りです」と正直に答える。それを聞いた氏顕は

「う〜む。儂としても、感謝の証として褒美を出してやりたい!だが、この田村家はそれ程裕福ではないからのう。真田殿、この様な場合、柴田様はどの様な褒美を出しておりますかな?教えてくだされ」

戦の報告に来ていた昌幸に質問した。質問を受けた昌幸は

「そうですなあ、殿の場合は常日頃から領民達が暮らしやすい様に考えておりましたから、この様な場合、一部の領民だけではなく、領地全体に何かしらのお役目をやる許可を与えても良いかと思います

例えば、殿が美濃国に領地を持っていた際の話で、殿が領民が冬の寒さが辛いという事を聞いてから竹を炭にして、寒さ対策を講じたそうですので、竹の炭を作る許可を褒美として与えてもよろしいと思いますな」

「竹炭作りの許可を褒美にしても良いのでは?」と、生活的に良い提案を出す。それを聞いた氏顕は

「それはよろしいですな!そう言う事じゃから、お主達!今から感状と許可状を書く!済まぬがしばし待ってくれ!」

そう言って、5人分の感状と許可状を書き出す。およそ30分後、完成させた氏顕は

「よし、出来た!太郎達よ、これで腹が満たされるわけわけではないが、皆が炭を作り、余った物を田村家が周辺で売り捌ける様になれは、領地を富ませる事が出来る!今は、これで我慢してくれ!」

そう言って、5人に頭を下げた。それを見た5人のうち、太郎とたえが

「そんな田村様!」

「私達百姓の為に頭を下げるなんて」

と、軽く驚いていた。しかし氏顕は

「そう言ってもらえると、儂もありがたい。じゃが、いつか必ず領地を富ませて、領民達の暮らしを楽にしたいと思っておる。だから今は、書状で我慢してくれぬか?」

将来的な事の約束を口にした。それを聞いた5人は

「「「「「分かりました」」」」」

納得した返事で答えた。返事を聞いた氏顕は

「うむ。それでは、村に戻って良いぞ。時間をかけさせて済まぬな」

5人に村に戻る様、命令する。その命令を受けて屋敷の外に出た5人は帰り道で

「あの若い殿様、あの中の人間で一番立場が上みたいだったのに、分からない事を人に聞くなんて、中々の器量だったねえ」

「まったくだ。若くして権力を握ったら、大体の人間は独善的になるのに、そんな感じが無かったな」

「だけど、あの殿様に質問された真田っていう武将、何か俺達の事を疑っているみたいじゃなかったか?」

「それ、私も思った!」

太郎以外の4人か色々と言っていたが、太郎の言葉は

「恐らく、あの真田という武将、我々の正体に気づいておるじゃろう。だが、此度の戦において田村家と共に戦っていたのじゃ。敵ではないから、あまり気にせず、そのままにしておこう

とりあえず、田村家や真田殿があの敵兵から上手く情報を引き出してくれる事を陰ながら祈っておこう」

これから行なわれる佐藤の取り調べを期待していた。