作品タイトル不明
論功行賞の場は六三郎ドラフト会場だった
信長と六三郎の話し合いが終わり、諸将が朝飯を食べ終えて、忍城の大広間に集まる。上座には信長、家康、氏直の3人が座り、六三郎以下の面々は下座に座ると、論功行賞がスタートする
開始の挨拶を切ったのは、氏直だった。氏直は
「論功行賞の前に、各々方!北条家の内乱を鎮圧する為に出陣していただき、誠に感謝しております!」
そう、諸将に述べると10秒程、頭を下げて感謝を伝える。それが終わると、信長から
「儂から伝えさせてくれ!織田家の家臣の皆、此度の戦、よく働いてくれた!北条家が同盟相手であり、徳川家も同盟相手であるからこそ、
日の本の天下統一の為、不穏な輩を討伐したわけじゃが!此度、戦場になった場所は基本的に北条家の領地じゃ!
出陣してくれた最上、伊達、佐竹、里見、小田、武田、上杉、そして柴田家に恩賞として与えられる領地に関してじゃが、北条家と話し合わないと決められぬ!
この件より前に、上野国の南側半国を武田家に割譲する事は決まっていたから、そこは武田家の領地になるが、それ以外では北条家との話し合い次第じゃ!決まり次第、文を送るので、しばらく待ってもらいたい!」
織田家家臣の諸将に、「恩賞は北条家との話し合い次第」と伝えられる。次に家康からも
「徳川家も、北条家と話し合いをしてからじゃな。婿殿、小田原城で話し合いといこうではないか」
「徳川家の恩賞も、北条家との話し合い次第」
と、発表された。その中で信長が
「そう言うわけじゃ。領地の加増に関しては」
領地に関して言おうとした時、
「右府様!徳川様!北条様!ひとつ、宜しいでしょうか?」
里見家の太郎が挙手で発言を求めた。信長は
「安房里見家の倅か、申してみよ!」
太郎に発言の許可を出すと、太郎は
「ありがたき!我々、安房里見家としましては安房国の北にあります、上総国の幾許かを恩賞としていただきたいと同時に、柴田様を数日、お借りしたく!」
領地の希望と、六三郎を数日貸してくれとリクエストを出して来たが、信長は
「領地に関しては、北条家との話し合い次第じゃから、何とも言えぬが、何故、六三郎を借りたい?相応の理由があるのか?」
六三郎を借りたい理由を太郎に質問する。信長の質問に太郎は
「はい!柴田様との縁を強くし、将来的に嫁を紹介していただきたいので、拙者の家督相続の場に出席してもらいたく!柴田様が出席したならば、安房国の反抗的な勢力も里見家に従うと、判断した結果にございます!」
六三郎に来て欲しい理由を、信長に明確に伝える。太郎の言葉に信長は
「それならば、儂も六三郎と共に里見家に参ろう!それで良いか?」
まさかの「自分も六三郎と共に出席する!」と宣言した。信長の言葉に太郎は
「ま、誠ですか!?右府様が来てくださるのであれば、里見家も反抗勢力から侮られなくなります!是非とも来ていただきたく!」
信長の条件を了承した。しかし、太郎のリクエストをきっかけに
「右府様!里見殿と同じく、伊達家は拙者の弟の小次郎の元服の儀に出席していただきたく存じます!」
「右府様!佐竹家は、下野国の切り取りの許可と、柴田殿の出陣をお願いしたく!」
「右府様!小田家も佐竹家と同じく!」
「右府様!上杉家は六三郎殿に越後国の特産品を作る手伝いをしていただきたく!」
伊達家、佐竹家、小田家、上杉家が六三郎をかならず含めた内容をリクエストして来た。全てのリクエストに信長は
「待て待て待て!伊達家の希望はどうにか出来るが、佐竹家と小田家と上杉家に関しては、色々と調整が必要じゃ!すぐには答えられぬ!」
現状では、答えられない事と言いつつ、どうにかしようとする気概は見せる。そんな信長を見て、佐竹義宣、小田氏治、上杉景勝の3人は
「「「何卒、よろしくお願いします!」」」
と、言って一応、了承した様だった。その三家の対応が終わって、信長は
「最上出羽守。お主は何かしらの希望は無いのか?」
最上義光にリクエストは無いのかと質問する。義光は
「拙者としましては、領地に関して、出羽国の完全征圧の際に、柴田殿を貸していただきたい事と、武田家で世話になっている娘達の嫁ぎ先と、
武田家で育てている珍しい農作物を、拙者の領地で育てる許可をいただきたく存じます!」
数年後の出羽国の完全征圧の際に、六三郎を借りる旨を含めて、複数のリクエストを出して来た。これに対して信長は
「それも、これから調整じゃな。じゃが、武田家で世話になっておる娘達に関して、虎次郎!どうせじゃ、甲斐国に各家の当主や、主だった者達を連れて行って
お主の元服の儀を盛大にやろうではないか!どうじゃ!?」
まさかの虎次郎の元服の儀に、戦に出陣した各家の面々を連れて行って良いかと聞いて来た。虎次郎は勿論
「はい!拙者の様な小童の元服の儀を、皆様が祝ってくださると思えば、亡き父上も祖父も喜んでくださるでしょう!各々方、是非とも来てくだされ!」
断れるわけも無いので、了承する。こうして、論功行賞の場のはずが、六三郎を借りたい希望者だらけの、さながら「六三郎ドラフト会場」になったが、
最終的に、虎次郎の元服の儀を盛大に祝う流れになった。この流れに六三郎は
(これは、俺と五郎さんと典厩様が慌ただしく動く事が、確定だろうなあ。まあ、虎次郎くんの元服なんだから、大殿も盛大に祝いたいんだろう!
俺も虎次郎くんの元服は嬉しいから、過労死しない様、倒れない程度に働こうじゃないか!)
腹を括って、倒れない様に気合いを入れていた。