軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

北側を警戒しない松田が受ける被害は

最上家が少しずつ、確実に松田の本陣に近づいている頃、その松田は

「良いか!上杉は南から攻め上がる可能性かあり、鉢形城の面々は東から来ると見て良い!厳重に警戒せよ!」

「「「ははっ!」」」

「どちらが来ても、正面から戦えば我々は負けぬ!三国峠での敗戦は、上杉が背後から急襲して不意をついて来たからじゃ!

普通に戦えば、地の利がある我々が有利じゃ!皆!気合いを入れよ!!」

「「「「おおお!」」」

上杉家に敗れた理由を、「背後からの急襲だったから」という理由にしていた。家臣達も、その理由に納得していた。

そんな松田達の背後、北部に陣取っていた最上家は

「ふっ。手の者が言っていたとおりじゃな。上杉の奇襲を受けた影響で南を気にしておる。更には鉢形城が東にあるから、東も気にしておるのう。くっくっく

これでは、儂達に気づく事は無いな。原殿、そして皆!夜襲で一気に叩くぞ」

「「「ははっ」」」

夜襲で一気に叩く策を取る。この時はまだ夕方だったので、しばしの休息を取って、その時に備えていた

そして夜も更けていき、松田の本陣の動きが殆ど無くなると、

「それでは出陣と行こう!原殿、我々に遠慮は要らぬぞ?暴れてくだされ!」

「出羽守様!忝うございます」

「それでは参ろう!」

義光の号令と同時に、最上家の家臣達と新左衛門は、一気に松田の本陣目掛けて走り出す。今回の出陣で最上家は一万人を連れて来ていた。その一万人のうち、

義光の本陣を守る五百人以外の、ほぼ全員の九千五百人が、上杉家との戦での討死と撤退した風魔衆を除く七千八百人に襲いかかる

最上家の九千五百人が全速力で移動すると、当然、凄まじい大きい音の足音が響き渡り、更には揺れも生じる。その足音と揺れに気づいた松田の足軽達は

「お、おい。なんじゃこの足音と揺れは?」

「わ、分からぬ!とりあえず、殿へ」

松田に報告しようと本陣に行こうとした、その時

「どけどけ!どかぬか!」

赤備えの甲冑を着て、松明を兜にくくりつけていた新左衛門が1番乗りで到着し、報告に行こうとした足軽の頭を槍で横薙ぎで叩いた。その衝撃で叩かれた足軽は、一回転して吹き飛んだ

その光景を目の前で見た、もう1人の足軽は新左衛門の見た目のせいで

「鬼じゃあ!角が二つの赤鬼じゃあ!」

そう叫びながら、失禁した。足利が恐怖のあまり動けなくなったので、新左衛門は

「叫ぶな!」

槍で腹を一突きした。その一突きで、足軽は死んだが、新左衛門のあとに到着した最上家の足軽達は

「は、原様!見張りの者は、既に始末したのですか?」

「それなりの数の足軽が居たと思うのですが」

「もしや、原様が全員始末したのですか?」

思わず質問していたが、新左衛門は

「勝手に散って行った!それよりも、本陣まで進むぞ!儂に続け!!!」

腹の底からの大声、いや、咆哮と言っても良い程の大声で、最上家の足軽達を鼓舞する。新左衛門の鼓舞に足軽達は

「うおお!原様に続け!」

「儂達も負けるな!」

「突撃じゃあ!!」

「「「「おおお!」」」」

一気に士気が上がり新左衛門に続いて行く。新左衛門の迫力ある見た目と、圧倒的な武力を先頭に松田の足軽達は次々と討ち取られて行く

別の足軽から既に夜襲の報告を聞いていた松田は、

「くそお!撤退じゃあ!ここから、北東へ撤退して本拠地へ戻る!お主達も、どうにかして撤退せよ!領地で待っておるぞ!」

再び、撤退を決断した。武蔵国の境に居た事もあり、本拠地への撤退を決断し、移動を開始した。松田の移動開始直後、新左衛門率いる足軽達が本陣に雪崩れ込む

本陣に残っていた者達は

「殿が到着するまで、戦うぞ!」

「我々も坂東武者じゃ!」

等の気勢をはっていたが、返り血を浴びた新左衛門の姿を見て、

「ひいい!人喰い鬼じゃあ!」

「足軽達が喰われた!!」

「人喰い鬼に勝てるかあ!」

等、恐怖を感じた言葉を言いながら、へたり込んでしまった。

その様子に新左衛門は

「お主ら!武器を捨てて投降したならば、命までは取らぬ!儂に喰われたくなければ、武器を捨てよ!!」

人喰い鬼になりきって、投降を呼びかけた。新左衛門の呼びかけに松田の家臣達は

「ひいい!投降します!」

「武器を捨てろ!持っていたら、喰われるぞ!」

一斉に武器を捨てて行った。それを見た新左衛門は

「皆!この者達を縛り上げよ!」

「「「ははっ!」」」

最上家の足軽達に、松田の家臣達を縛る様に命令する。命令を受けた足軽達も即座に行動する。こうして足軽達が1人ずつ縛り上げていき、全員縛り終えると

いつの間にか朝になっていた。そして、義光もいつの間にか松田の本陣へ来ていたので、新左衛門は

「出羽守様。松田を取り逃してしまいました。申し訳ありませぬ」

義光に頭を下げた。しかし、義光は

「いやいや原殿。此処に到着するまでに、七百程の死体があった。それだけでも見事な働きじゃ!赤備えの甲冑が更に赤くなっておるとは

柴田家の赤備えが日の本随一と言われるのも納得じゃ!足軽達もいつも以上に見事な働きを見せておるのじゃからな!誠に感謝しかない!」

新左衛門を責める事なく、褒め称えた。そんなやり取りのあとで義光は

「それでじゃが、原殿。この捕虜達を引き渡す場所じゃが、近くの館林城と言う北条家一門が城主を務めておる城があるのじゃが、

そこに預けてから、鉢形城へ行こうと思うのじゃが、その予定で良いかな?」

この後のスケジュール確認を新左衛門に聞くと、新左衛門は

「ははっ!それでよろしくお願いします!」

義光にそう答える。こうして、松田の軍勢はまたも実質的に赤備えの1人に負けた感じで、撤退させられた。