軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

臣従交渉は酒でも飲みながら

大広間に移動した信長達は、上座に信長と家康が、下座に元親と信親、間に信忠が座る形で、臣従交渉を始めた

「さて、長宗我部土佐よ!四国全土を征圧直前まで進んでいたのにも関わらず、臣従の申し出をしてきた理由と、臣従に際しての条件を申してみよ!内容次第では、臣従を認めようではないか!」

「ははっ。臣従を申し出た理由ですが、あの武田家を半年以内で臣従させた事と、織田家が毛利相手に二方面から軍勢をぶつけている事を、倅の弥三郎から教えてもらった事です

正直に申し上げれば、武田との戦は年内いっぱいかかると思っておりました。ですが、半年以内で戦を終わらせたのであれば、

武田にぶつけた軍勢が、我々にぶつけられる事は間違いないと判断したからこそ、臣従を願い出たのです」

「ほう。四国全土を征圧してから、織田家に高く売り込むと思っていたが、そこまで強欲ではなさそうじゃな。理由は分かった!それで、どの様な条件で臣従を認めて欲しいのじゃ?」

「はっ。長宗我部家としては、土佐国と阿波国を領地として認めていただきたく!」

「ほう。瀬戸内や畿内に出やすい讃岐国を手土産にすると申すか」

「はい。畿内へ行くには、多少長くなりますが阿波国からでも行けます。ですが、土佐国からだと荒波に邪魔される時もありますので、

土佐国と阿波国の二国が領地ならば、更なる長宗我部家の発展の為に、倅を始めとした若武者達を畿内へ学びに行かせる事が安全に出来る様になる為、

讃岐国を手放してでも、二国領有での臣従を認めていただきたいのです!どうか!」

「拙者も父上と同じ気持ちです!どうか!」

元親と信親の親子は、平伏して信長に頼み込む。その様子に信長は

(己の見栄や矜持よりも、家の発展を取るか。中々の覚悟じゃ!四国という小さい場所で暴れ回るだけの、「鳥無き島の蝙蝠」と思っていたが、これ程の覚悟ならば、儂が考えている事も納得するじゃろうな)

元親を高めに評価していた。家康も

(話だけ聞いていると、四国全土を征圧直前まで行っていた様じゃが、それを諦めるだけでなく、征圧した国のひとつを織田家に渡してでも、二国領有での臣従を認めてもらいたいとは、

そして、その理由が家の発展の為か。素晴らしい当主じゃな。長宗我部土佐守、この者の話は、儂が死んだ後の徳川家の為に聞いて、書物に残しておく価値があるかもしれぬ。しっかりと聞いておこう)

元親を高めに評価していた。そして、元親と信親親子が平伏している中、

「大殿!徳川様!お待たせしま、何故、安土城に居られる筈の殿が長浜城に居られるのですか?それに、何やら重要な話をしておられる様ですが?」

酒のツマミを作り終えた六三郎が大広間にやってきた。勿論、長宗我部親子とは初対面である。そんな六三郎に信長は

「六三郎!済まぬが、今から勘九郎と小一郎と佐吉と紀之介とお主と、この者達の分も酒の肴を作って持ってまいれ!主だった者達で飲めば、重い空気も軽くなるじゃろう!お蘭!勘九郎と六三郎以外の面々を連れてまいれ!」

「ははっ!」

六三郎に新しいツマミ作りと蘭丸に3人を連れてくる様に命令した。蘭丸は3人をあっという間に連れて来たか、六三郎はというと、

(平伏していた人達が居たけど、間違いなく重い話をしていたよなあ。重い空気を軽くなるツマミを作れって、大殿は言ってたけど、そんな料理あるか?

軽くなる料理、軽く、軽い、軽い、軽、あれだな。そうと決まれば)

出すツマミが決まった様で、そこからは、テキパキと準備をして、あっという間に料理を完成させて、信長達の元に持って行くと

「六三郎!この酒の肴、鮮やかな色をしておるが、大豆になる前の豆か?」

信長から質問されたので

「はっ!そちらは熱いうちに食べる事をおすすめします」

早めに食べる事をすすめると

「ほう。では、六三郎の進めるとおりに食べるとしよう」

信長はツマミを箸で摘んで、口に放り込むと、

ザクッ!ザクッ!ポリッ!ポリッ!と心地よい音が大広間に響く。食べ終えた信長は

「六三郎!これは確かに軽い料理じゃな!どの様に作った?」

興奮して六三郎に再度、質問する

「はっ。そちらは、大豆になる前の豆を、一度茹でてから、熱くした油に入れた物で、味付けは塩をふりかけただけです」

「そうか!変に豪勢な肴よりは、確かに酒が進む!皆も食べよ!程よい塩味のおかげで、酒が美味いぞ!」

信長に言われて、皆が枝豆の素揚げを食べる。大広間にザクッザクッ!や、ポリッポリッ!と心地よい音が響く。余程美味かったのか、

「何と美味な!これ程美味い酒の肴は初めて食べました!」

元親が、猪口に入っていた酒を飲み干して叫ぶ。その様子を見た信長は

「はっはっは!土佐守よ!この肴を作った者は、料理好きが高じて、色々な料理に挑戦して我々を驚かせておるが、その実、戦や内政、更には縁結びで、

常識外れで想定以上の結果を残しておるところと、親父の二つ名から、「柴田の鬼若子」と呼ばれておる」

六三郎を簡単に紹介する。それに信親が

「あなた様が「柴田の鬼若子」殿ですが!一度、お会いしたかったですぞ!しかし、予想以上にお若いですな」

興奮しながら挨拶すると、信長が補足する

「弥三郎!六三郎は今年で二十歳じゃ!若くて当然じゃ!」

「二十歳!拙者と同い年ではないですか!いやはや、同い年で、三河国の税収を倍増させた内政の手腕、

是非とも、拙者に教えていただきたく!いつか土佐国と阿波国を豊かな国にする為に、お頼みもうす!」

信親は、酒も入っているからなのか、信長に見せた以上の平伏を六三郎にしていた。そんな信親に六三郎は何も言えないので、信長の顔を見ると、

「はっはっは!弥三郎よ!そこまで六三郎の内政の手腕を学びたいと申すのであれば、しばらく六三郎と共に行動したら良かろう!

土佐守!長宗我部家の二国領有での臣従を認める代わりに、弥三郎を六三郎の客将として、しばらく行動を共にしながら内政手腕を学ばせる!それで良いな?」

「ははっ!親の欲目なれど、出来た倅にございますので、柴田六三郎殿の側で学ばせてくだされ!」

元親は信長の提案を受け入れた。客将という名の人質だと分かっていたが、それを口に出す様な親バカな男ではないので、了承した

政治的なやり取りに巻き込まれた六三郎は、

(こんな高身長マッチョイケメンが俺の客将か〜。まあ、北陸方面軍に参加させなければ良いか)

軽い諦めと無理をさせない方針で、現実を受け入れていた