軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

筋肉で精子も強くなった結果

天正九年(1581年)九月十日

近江国 長浜城

「六三郎殿!聞いてくれ!また、側室がやや子を授かった!しかも、今度は二人もじゃ!」

「それはそれは。おめでとうございます」

皆さんおはようございます。秀吉の居城、長浜城に秀吉の妊活をサポートする為に出張して半年になりました、柴田六三郎です

六月の終盤に正室の寧々さんの妊娠が発覚して、翌七月の中頃に側室の南三さんの妊娠が発覚して、それ以降は、2人の体調を優先する為、ストレスを与えない様に過ごしていた秀吉ですが、

2人の側室を妊娠させたとなると、筋肉をつけて、食生活を見直した結果なんだろうな。前世のネットで見た名言の「筋肉は全てを解決する」を目の前で見るとは

そんな事を考えている俺に秀吉が件の側室を紹介してくれました

「六三郎殿!この二人じゃ。自己紹介せよ」

「 香那(かな) と申します。此度は、殿の子を授かった御礼を申し上げに参りました」

「 彩月(さつき) と申します。私も同じく、殿の子を授かった御礼を申し上げに参りました」

「御丁寧にありがとうございます。羽柴様。このお2人が、南三様のご懐妊が分かった時に言っておりました、側室の方々ですか?」

「うむ。以前言っていた五人のうち、懐妊が分かったのは二人だけじゃ。だが、それでも喜ばしい!

殿に仕えて、寧々を嫁にして十年以上、子が出来なくて、半ば諦めておった。それが、それが」

秀吉はそこから言葉に詰まって泣き出した。代わりに秀長さんが話す

「六三郎殿。兄上に代わり拙者が。兄上は、六三郎殿が長浜城に来て半年で義姉上を始め、四人も子を授かった事に感謝を述べております。勿論、拙者も

そして、此度。拙者達の母上も御礼を申し上げたいとの事なので、呼んでおります。会ってくだされ」

「は、はあ」

「忝い!母上!入って来てくだされ!」

秀長さんが呼ぶと、

スパーン!と襖が開く音が響いて、スッスッスッと衣擦れの音がしたと思ったら、俺の前に来て

「お前さんかい!?うちの藤吉郎の子種や身体を強くしてくれたのは!あっはっは!!本当にありがとう!小一郎に聞いたよ、

お前さんの親父さんは先祖代々、織田家に仕えているらしいじゃないか!それに、お袋さんは織田様の妹君だと。つまりは織田家の姫君なのに、お前さんは

藤吉郎や小一郎に対して尊大な態度を取らないなんて、どんだけ中身の良い、出来た若者なんだい!あっはっは!」

と、豪快に笑いながら俺の肩を叩く。その様子に秀吉も秀長さんも慌てて、

「おっ母!そんな雑な扱いをしたら」

「おっ母!駄目だよ!」

昔の口調に戻る。止められたお袋さんは、

「二人がうるさいから止めとこうか。改めて自己紹介しておくね。私の名前は「なか」、お前さんは柴田六三郎殿だろ!

二人が良く話しているし、お前さんのとこに智が居るんだろ!?それも聞いてるよ!智達は、百姓出身だからって嫌がらせとか受けてないかい?」

「それは大丈夫です。智も弥助も小吉も、皆に慕われておりますから」

「そうかいそうかい!それは良かった。改めてだけど、藤吉郎の子をありがとうございます」

ちょっと、なかさん?いきなりの話し方や態度の変更は頭がこんがらがるのですが?でも、一応対応しよう

「なか殿。寧々様の年齢を考えると、1日たりとて油断は禁物ですぞ」

「確かに寧々と腹の子の事は心配だけど、寧々は強い娘だから大丈夫!言っちゃあなんだけどさ、武士に成り立ての頃の藤吉郎は、まだ出世もしてないし、

身体も牛蒡みたいなひょろひょろだったんだよ?そんな男に嫁入りするなんて、先見の明があるか、強い娘じゃないと無理だよ」

「ちょっ!おっ母」

「だけどね。そんな藤吉郎を二十年近く支えてくれた寧々が、子を授かったって聞いたら私も嬉しくてねえ

だから、六三郎殿!寧々の事は勿論、藤吉郎の子を授かった娘達の事をよろしくお願いします」

なかさんが俺に平伏して、お願いして来た。うん、秀吉がやる事なす事豪快なのは、間違いなくなかさんの遺伝だろうな

「なか殿。最善を尽くすとしか言えませぬが、出来るかぎりの事はやります。なので、なか殿も皆様を支えてあげてくだされ」

「ありがとう!本当にありがとうね!それじゃあ、私は部屋に戻るから、日吉、小竹!寧々達の事をしっかり助けてやりな!」

男らしい言葉を残して、なかさんは帰って行った。男だったら凄い武将になってただろうな。俺がそう思っていたら秀吉から

「六三郎殿。母が済まぬな。知ってのとおり、元々百姓をやっていたからというのもあるが、儂や小一郎が六三郎殿の事をよく話しておるから、

気楽に話して良いと思ったのであろう。驚かせて済まぬ」

「いえいえ羽柴様。変に堅苦しいよりは気楽でありがたいです」

「そう言ってくれて、忝い。それとじゃな六三郎殿。今月で六三郎殿が長浜城に来てくれて半年になる、

その間、儂の身体を鍛える訓練も少しずつ回数を増やして来た。今月から回数を三十回に増やそうと思うが、何か気をつけた方が良い事はあるか?」

「そうですな。三十回以上は、骨への衝撃が今までと違い、強くなるので、三日連続で身体を鍛えたら、一日休んで、その翌日からまた三日連続で。と、

身体を休める日を作っていきましょう。羽柴様は、寧々様や側室の方々をお支えしていく立場であると同時に、

織田家では数少ない万を超える軍勢の采配を振る事が出来る武将ですから、気をつけて鍛えてくださいませ」

「六三郎殿は、儂の事や寧々達だけでなく、織田家の事を見る目と考える頭を持っておるか。本当に親父殿は良い父親なのじゃろうな。

うむ、儂もその様な父親になれる様に頑張ろう!先ずは身体を鍛えてからじゃ!」

秀吉が新たに気合が入った様なので、カルシウム対策に牛乳を飲ませよう。筋トレし過ぎで骨折しました!

なんて事になったら、後々大変な事になりそうだし

そう思っていた俺の考えが吹き飛ぶ程、秀吉の身体は逞しくなっていき、3ヶ月後

天正九年(1581年)十二月二十二日

近江屋 長浜城

「寧々様。今日の朝食です。蒸した雉の肉と、牛蒡と人参と大根と擦りおろした生姜が入った混ぜ飯です」

「六三郎殿。ありがとう。半年前にやや子を授かった事が分かってから、より一層、食事に気をつけて、身体も動かしていたら、

最初の辛かった時期が嘘の様に身体が楽になっています。本当にありがとうございます」

皆さんおはようございます。寧々さんの朝食を出しながら会話を聞いております、柴田六三郎です

妊娠が分かった水無月の後半や文月の間は、貧血みたいな青い顔の時もあったから、流産の可能性もあったけど、

産婆さん達が頑張ってくれたから、どうにか最初の山場は乗り越える事が出来ました。その後、南三さん達が妊娠して、秀吉が筋トレの回数を増やした事以外、

特筆する事は無かった!と言いたい所ですが、実は先日、「側室が五人も懐妊した!!」と秀吉から報告されました。

これは、筋トレを頑張りまくった結果としよう!うん!そう言う事にしよう