作品タイトル不明
菌王の受難
[エリアボスを発見しました]
[胞子菌王 マイセラ=ファガス]
[第二形態へ移行]
「グガァァァァァ!!!」
2人が戦っていたモンスターはエリアボスだった。
頭の巨大な茸の傘、その隙間から紫と黒が混じったような胞子を常に漏れ出ており、中央の幹には歪んだ笑みを浮かべている。
既に第二形態に突入しており、戦闘も激しさを増している状態だ。
「――――あ! お前は!」
「そこの2人、俺も混ぜろ」
バキュン!
『魂縫双銃』の引き金を引いた俺は銃口から蒼白なる弾丸を発射した。
弾はマイセラ=ファガスへと飛来し、急所に当たったのか大きく仰け反った。
「急に参戦だなんて、どういう風の吹き回し?」
「ただの報酬目当てだが?」
「最初に会った時もそうだけど、本当にブレないな……」
うるせぇやい、目の前に餌ぶら下げられて取りに行かない奴なんざ居ないだろ。
「どっちにしろ手貸してやるからパーティー申請飛ばせ」
[プレイヤー バンダナがパーティ申請を承認しました]
共同戦線と行こうじゃないか。
確かに、こいつらは他会社のプレイヤーだ。
だからと言って「味方になってはならない」なんてルールは無い。
「グガァァァァァ!!!」
マイセラ=ファガスは茸の傘から胞子を拡散し、周囲に蔓延させる。
触れただけで毒になりそうな攻撃だな。
「【旋風】!」
スカーフは『大天狗団扇』を振りかぶる。
その突風により、毒胞子ごとマイセラ=ファガスは吹き飛ばされた。
「【大津波】! 【雷鯉】!」
バンダナは『三叉矛槍』を上に掲げ、前方に水流を発生させる。
その水流の中を電気で形作られた鯉が泳ぐ。
マイセラ=ファガスは水圧と電圧により、大ダメージを受けていた。
「――――なぁ、心無しか身体大きくなってないか?」
俺は観察に徹していたお陰で、マイセラ=ファガスの変化に気が付く。
明らかにマイセラ=ファガスの身体が大きくなっている。
バキュン!
バキュン!
動けなくなった所に蒼白なる弾丸を撃ち込めば、更に身体が巨体となっていた。
「このキノコ……デッカ!」
「待って、バンダナがそれ言うと違う意味に――――」
「お前……そういうお年頃か!」
「違うわ!」
スカーフ――――
お前マセてるな。
ガキがそんなセンシティブな事考えるものじゃないぞ。
「……何の話?」
「なんでもない。なんでもないから。本当に」
バンダナは純粋なままで居てくれ。
お前の相方は既に穢れてしまったからな――――
「グガァァァァァ!!!」
そんな会話をしている間に、マイセラ=ファガスは復帰を果たしていた。
地面から巨大な茸が無作為に生成し、下から徐々に紫色に染まっていく。
ボカンッ!
ボカンッ!
ボカンッ!
巨大な茸が紫色に染まると、胞子爆発が起こる。
そして、中から紫色の胞子が勢い良く放出されていく。
「んな攻撃効くかよ」
バキュン!
バキュン!
バキュン!
俺は安全地帯まで避けつつ、引き金を引く手を止めない。
既にマイセラ=ファガスは毒、吸収、麻痺の状態となっている。
「【爆破粉塵】【旋風】」
マイセラ=ファガスは地面から大量に茸を伸ばし、攻撃を防ごうとするも――――
「グガァッ?!」
麻痺により、一瞬だけ動きを止めてしまう。
ボボボボボボ!
突風に乗せられた【爆破粉塵】が、連鎖的に爆破を起こしている。
それにより、巨大な茸の身体が炭と化した。
「これ……もしかして、麻痺?」
「正解」
更に駄目押しとして『割れやすい不幸ポーション』を投擲した。
「グガァッ?!」
「えっ」
すると、マイセラ=ファガスは突然 自(・) 爆(・) した。
『割れやすい不幸ポーション』の効果はランダムなデバフ効果付与――――
というより、本人にとって「悪いイベントが起こる」と解釈した方が良さそうだな。
「突然爆発が起こるなんて、とんだ 不(・) 幸(・) だな?」
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
俺はニヤリと笑みを浮かべながら、弾を連射する。
麻痺効力では行動不能の確率10%とあったが――――
俺には『腐王鴉の眼核』の【死肉の王眼】のスキルが存在する。
つまり、麻痺も 重(・) 複(・) する。
例え行動不能の確率10%だとしても、10発撃ち込めば100%になるだろ?
「グガガガガガガ……!」
マイセラ=ファガスは何も出来なくなっているのか、身体を痙攣させている。
それに加え、毒胞子の放出も止まっており、代わりに自爆が身を包む。
強大なはずだったエリアボスは、状態異常の猛攻により溶けていった。
[エリアボスを撃破しました]
[胞子菌王 マイセラ=ファガスを倒しました]
[『菌王の瘴面冠』を入手しました]
[『胞子の寄生核』を入手しました]
[4000HGを入手しました]
[ランク32になりました]