作品タイトル不明
赤と青、足して紫。相手は消し飛ぶ
「やっと腕試しに来る奴が現れたか」
ここ『ピクシー村』の中央は普段とは異なる 圧(・) を醸し出していた。
周囲の数少ないプレイヤーも、2人の様子を見て血湧き肉躍る感覚が漂っている。
「あぁ、てめぇが『ムシムシ密林』に引き篭もってるって聞いたから、こうして四苦八苦しながら辿り着いたぜ。てめぇを倒す為にな……赤月!」
今回の挑戦者は“飛雷神”。
いかにも金髪の不良のような格好をしている。
ここ『ピクシー村』まで来れたという事は『巨壁回廊』を突破したと同義。
であるなら、心置きなく戦闘を楽しむとしよう。
「ならば、せめてもの礼儀を持って正々堂々相手してやろう――――構えろ」
[決闘申請が承認されました]
次の瞬間、周囲の空間が歪む。
景色が再構築され、外界から切り離されていった。
『決闘場 ドラキュラ城』
今回決闘城に選ばれた景色はドラキュラ城。
荘厳な雰囲気に包まれた城の中。
赤き月の光が窓から差し込んでおり、まさしく俺の為に構成されたような場所だった。
[決闘開始まで]
両者、武器遺物を構える。
[3]
俺は色の異なる二丁拳銃を取り出す。
右銃は赤く煌めいており、俺に似合う色合いをしていた。
左銃は青く輝いており、赤を基調とした衣装に対して一際目立つ色合いをしていた。
[2]
対する飛雷神は 槍(・) を構える。
それは龍を彷彿とさせるデザインであり、その金色の槍先は全てを貫通させんと尖っている。
[1]
両者、緊張が走る。
「先に言っておくが――――」
俺は静かに口を開く。
「手加減はしないからな」
[0]
[決闘開始]
次の瞬間、俺は身を翻して槍の攻撃を躱す。
「ちっ……!」
「【極性災雷】」
互いの銃が赤く、そして青く帯電する。
その直後、俺は赤の雷弾を発射する。
飛雷神は槍を回転させて弾を打ち消そうとするが――――
「――――何だ?!」
その槍に 赤(・) が帯電した。
バンッ!
更に、赤の雷弾を飛雷神自身に撃ち込む。
そして、飛雷神にも赤が帯電した。
「武器が……!」
赤と赤――――
それは反発する組み合わせだ。
この銃が付与する電磁の対象は何もプレイヤーやモンスター自身ではない。
――――電磁が付与されるのは雷弾を当てた 物(・) 。
要するに、プレイヤーだろうが武器だろうが、物の判定を持つ存在なら付与可能なのだ。
その結果、飛雷神の槍を落とす事に成功する。
バンバン!
バンバン!
バンバン!
バンバン!
バンバン!
その瞬間を見逃さず、俺は『災極双転銃』を連射した。
飛雷神は赤と青の電磁が混ざり合い、雷撃が発生する。
更に【死肉の王眼】によって、紫色の雷撃は連鎖的に爆破し続けていた。
飛雷神はその猛攻に耐えきれず消し炭となる。
[プレイヤーネーム 赤月が決闘に勝利しました]