軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1325話 アダム不在❾アダムはアダム

秘密基地にはみんな揃っていた。

元生徒会メンバー。ロサ、ダニエル、ブライ、イザーク、ルシオだ。

ここにわたしと兄さま、もふさまともふもふ軍団が合流。

神(と呼びたくもないけど)にわからないように悠と精霊たちを会わせる方法。

わたしたちは思いつけなかった。

兄さまが先に生徒会メンバーに話してくれてたんだけど、彼らも思いつかないそうだ。

けれど、精霊との交渉には一緒に行ってくれることになった。

ほっとしてしまった。だって神さまに見つからないようにするって案が、全く思い浮かばないから。見当もつかない。みんなも思いつかないって言ってるけど、一緒に話してくれるなら心強いからね。

でもいつまでも悩んでいて時間がいたずらに過ぎていくのもどうかということになり、精霊のところに行くことにした。

「あ」

ロサが小さく声をあげる。

みんなの視線がロサに集まる。

「先に報告をしておこう。アダムのこと、陛下に申し上げた」

ロサの次の言葉を待つ。

「今の法では間違いなく謀反とみなされ、手立てはないそうだ」

ドクンと胸が跳ねる。

「誰もが納得するようなユオブリアを思う民である証明と、手柄がない限りは」

と、ロサは続けた。

ダニエルが目を伏せる。

「陛下としての手を差し伸べられるギリギリの線だな」

そうかもしれないけど、かなりカチンとくる。陛下に。

「ねぇ、突っ込んだことを聞くけど、アダムはアンドレ殿下と双子なの?

わたしに言えないならそれはそれでいいけど、陛下はアダムのこと確認されたの?わかってるの?」

そりゃさー、子供であろうと王ゆえに庇いだては難しいだろう。

けどさ。なにその突き放した言い方!

ロサとダニエルは目を合わせている。

ロサがわたしをまっすぐに見た。

「逆に聞くけど、リディア嬢はアダムが第一王子だったら、どう思う?」

「え? わたしは別にどうもしないけど、王子だったら王子殿下を名乗って、大暴れしたら罪が重くなりそうよね? 双子じゃなければ、そうまつりあげられたとも言えるでしょう? それでも謀反は裁かれることになるけど」

付け加える言葉は、認めたくなくて声が小さくなる。

「いや、そちらではなくて」

ダニエルに止められる。

「君はさ、アンドレ殿下が廃妃の子というところで嫌ってたよね? 双子だったら、アダムも廃妃の子となる。それでも、アダムを今までと同じに思える?」

え?

アダムがアンドレ殿下と双子なら……確かに廃妃の子となるわけで……。

「そっか……双子なら、そういうことになるのか……」

顔をあげるともふもふ軍団たちも、どこか心配そうにわたしを見ていた。

「……確かに廃妃さまに対して、今もよくない感情を持つけど。

元創造神の話を聞いて…………………………噛み砕けてはいないの。シナリオのために組み込まれたとか、考えようとすると頭が拒否して、よくは考えられてないんだけど。

でも前ほど廃妃さまに対しての、視界にさえ入らないでほしいところからは脱皮してる。

それに、アダムはアダムだから」

他の誰でもない。血筋なんかも関係ない。アダムは、わたしにとってアダム以外の何者でもない。

「……そうか。

アダムが不在のため、血の鑑定ができないから、まだわかっていないんだ」

それもそうか。肝心のアダムがいないんだものね。

「手柄を立てるって……あちらにいるうちに本当はこちら側ってことがバレたら命はなくなる。そんな立場で誰にでもわかるような手柄を立てるのは難しすぎる」

イザークがため息をついた。

「こういうの考えるの得意なのはアダムなんだよなー」

ルシオがため息まじりに笑う。

「本当だよな。アイツの頭の中見せてもらいてーよな。よくんなこと思いつくなってこと考えるもんな」

ブライがうんうんうなずく。

「それは、本当にそうなんだよ」

ダニエルはなぜかわたしを見てそう言った。

「起死回生案はアダムが得意だ。リディア嬢がアダムを嫌いさえしなければ、たとえ土壇場でもアイツにそれを考えさせられることもできる。リディア嬢覚えておいて」

「え……うん」

なにそれと言える雰囲気でなかったのでうなずく。

「そろそろ、行くか。棲み家では、精霊の言葉はわかるんだったよな?」

「ああ、大丈夫だ」

と兄さまが請け負い。もふさまやもふもふ軍団は通訳の魔石に触れて、みんなと会話が通じるようにした。

じゃあ行くよ、と目で合図。

「精霊の皆さま、ご相談したいことがあります」

わたしがそういうと、……今回も落ちる系か。

「な、なに?」

「なんで床が??」

「ひっ」

『回転!』

『クイ、面白いことやってる』

うわー、クイは落ちながらくるくる回ってるよ。

葉っぱで弾み、放り出される。

今度は氷の滑り台。

「つ、つめてーーーーーー」

ブライの叫び声が響く。

「リ、リディア嬢、これは一体?」

みんな叫んだりなんかしながらも、体勢はしっかりしているところが凄いね。

「舌噛むから話さない方がいいよ」

兄さまが注意をした。

その虚ろな目は諦めている感じだ。

最後は水責め。

うっ、もう空気がと思ったところで水がなくなり、わたしたちは雲の上のような真っ白のふわふわの上にいた。

冷たいとか、水に濡れたとか、そんな二次被害もなくなっている。

な、なんなんだろう、本当にいつも。

唐突に声がした。

『我は光のレイヨン。其方の呼びかけに応えし者』

「ごきげんよう、レイヨンさま。今日はご相談したいことがあり、大勢の仲間ときました」

『うむ』

ジョギさまを通しての悠と同じうなずきかた。思わず笑いそうになった。

『相談とはなんぞや?』

いつも手の込んだご招待くださるわけだけど、話は直球、速攻だよね。

それがありがたいわけだけどさ。