軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1187話 ベクリーヌ滞在③質疑応答ゲーム

わたしたちは策を練った。というほどではないか。

神殿には行くよう話は持っていくつもりだ。実態を確かめないとだからね。

ルシオはすぐに伝達魔法で神官長さまに連絡を取った。第一大陸の支部から特に変わった話は聞いたことがなく、ルシオの報告を受け秘密裏に調べてくれるとのことだ。

俄然張り切り出したのがもふもふ軍団。3組に分かれて諜報活動をすると張り切っている。アオは使節団につく。レオとアリ、ベアとクイのコンビで神殿のことを調べてくれるという。もちろん見つかりそうだったり危険だったらすぐに逃げてと言ってはある。フォンも持って行く気満々だ。

アオはいく匹かのクモとホコリ虫をテイムしてくれた。

ルームから部屋に戻る時、他に人がいないかを調べてもらうための虫だ。わたしともふさまの言うことを聞くよう、アオが言い聞かしてくれた。申し訳ないけど、筒に入れて、もふさまのリュックの中にしばらく入っていてもらう。

ホコリ虫は羽にふわふわの綿みたいのをつけているように見える小さな小さな虫で、隅っこによくいる。ホコリだと思って掻き出したらホコリ虫がいっぱいという恐怖体験を聞いた時は、全身に鳥肌がたった。

実は今も、頼んでおいてなんだけど、クモとホコリ虫の入った筒の入ったリュックから目を背けたい気持ちでいっぱいだ。

わたしはわたしの部屋に決めた部屋でルームを作る。

夜は領地の家に帰って寝ようと思う。複製された部屋であるルームでは不思議と瘴気は感じなかった。空気っていうか、そういうのは複製されるわけじゃないんだな。瘴気部屋は瘴気を持ち込んだから瘴気があるわけだけどね。

でもなんかやっぱり瘴気が多いところには忌避があり、一番無防備になる眠る時に複製の部屋でもいたくないと思ってしまう。

離れは魔法の禁止部屋がなくてよかった。感知される何かとかね。

やっぱり魔法を使ってたら怪しまれちゃう気がする。

そうやって準備が整ったところで、ノックの音。

兄さまが出ると、案内をしてくれたドラゴンに興味津々の人たちがウキウキした顔で入ってくる。

ドラゴンの質疑応答はここでするようだ。

まずドラゴンをじっくり見たいとのことなので、テーブルの上にドラゴンちゃんたちを遊ばせる。けれど、向こうがすっごい笑みを浮かべ手を差し出すと、わたしの方へ逃げてきてしまう。

確かにちょっと怖いよね。

アダムがゲームを持ちかける。

「ドラゴンの質問を受けるごとに、こちらも質問をしていいですか? 答えられないことには答えられないでいいです。こちらもそうですから」

と。彼らは少しも警戒することなくうなずく。

「では、どうぞ」

アダムがにこやかに促す。

「孵化するところを見たのですか?」

「はい、見ました」

卵にひとりでに亀裂が入っていった。

4人で顔を見合わせ、なんだか感動している。

「ではこちらの質問です。普段は皆さんなんの仕事をしているんですか?」

「私は料理人です」

「私は書記です」

「私は会計です」

「私は雑務を」

お城に勤めている人たちなんだろうけど、バラエティーにとんでいた。

「ドラゴンの卵はどんなふうに孵化するんですか? 大きさは?」

「他の卵と同じようです。ひとりでにヒビ? 亀裂が入ってきて、中から出てきました。卵の大きさは人の片手でふたつ持てるぐらいの大きさでした」

うおーーーっと歓声があがる。

その時はトカゲだったから、這い出てきた赤ちゃんがわたしより大きかったので、逃げることしか考えなかった。もしあの時人型だったら、何か変わってたかな?

「第一大陸の中で他の国と国交はあるのですか?」

「……他は部族という規模ですね。危険な森が大陸のほとんどを占めますので、行き来もありません」

厳しい地である第四大陸を知ってしまったせいか、ここはそれほどひどい環境ではないと思ってしまうのだから、わたしの思考は勝手だ。大陸のほとんどが危険な森。危険ってどんなことが危険なのかな。毒の沼がそこら中とか?

「では、それぞれの卵の色を教えてください」

すっごいうきうきしてる。

わたしは稲妻ちゃんとクリスタルちゃんの頭を触って

「この子たちが真っ白」

緑色のグロウィングちゃんと銀龍ちゃんの頭を触り

「この子たちが水色」

最後にブラックちゃんの頭を押さえ

「この子が真っ黒の卵でした」

ブラックちゃんはわたしが頭に置いた手を喜んで、じゃれてくる。

その様子を羨ましそうに見ている。

そんなふうにドラゴンたちのことを聞かれ、わたしたちは第一大陸で暮らしている彼らに、普段の生活のことを聞いた。

読み取れたのは3年ぐらい前から生活が苦しくなりだし、半年前ぐらいから、情勢が荒れてきた?と思える感じだった。

ドラゴンのこともだけど、あちらはどうやって私たちがドラゴンの種族を知ったのかということを知りたいようだった。それには答えられない、で通した。

一瞬質問が途切れたところで、アダムは外を見てまわりたいと切り出す。

4人は驚いたようだし、気が進まないようだったけど、では宰相に伝えてきますと席をたった。わたしは外をまわるのは勘弁と思ったので、部屋で休んでいるということにした。

リュックからレオたちがでて、アダムやみんなの服の中に入って行った。

残像が見えたのか、残された3人は軽く目を擦っていた。

ドラゴンちゃんたちにどうする?と聞いてみたところ、アダム、兄さま、ルシオの肩や頭の上に乗った。

おお、着いて行きたいみたいだ。成長だね。親離れってこういうことなのかな。

嬉しく思いながらも、少しだけ淋しい思いに蓋をした。

心配だからとわたしは部屋へと追い立てられ、鍵をしっかりかけるよう言われた。

わたしはテイムしてもらったホコリ虫1号にこの部屋にいて、ノックがあったり誰か来たような気配がしたらベットの上で飛び跳ねて欲しいとお願いした。

仮の仮想補佐はこんな短時間では最低限機能しか育たない。けれど一応、ベッドの上で虫が跳ねたらわたしに知らせてほしいことは伝えておく。

そしてハウスさんの元へと飛んだ。

家には母さまとハンナしかいないようなので、母さまの元へと。

「母さま」

「リディー、おかえりなさい。使節団で第一大陸に行ったのではなかった?」

わたしは瘴気が濃かったので、体を休めるという口実でこっそり帰ってきてることを告げた。

「まぁ、瘴気が濃いのね。大丈夫?」

母さまは両手でわたしの頬を包み込む。

なんだろう? なんだかわからないけど、急に怖くなって母さまに抱きつく。

「あらあら、どうしたの?」

母さまがかがんでぎゅっとしてくれた。