軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

04-03 伝説の装備?

「防具の基本は鎧とか盾なんだが……」

非力な仁には装備できそうもないし、第一似合わないだろう。

「そうすると、アクセサリーという事になるか」

仁は棚に分類されている 魔結晶(マギクリスタル) をもてあそびながら、

「指輪とかペンダントとかだな」

ということで、虹色の 魔結晶(マギクリスタル) を1つ手にとって、

「 変形(フォーミング) 。…… 魔導式(マギフォーミュラ) 書き込み(ライトイン) 。……これでいいかな」

作り上げたのは虹色に輝く指輪。

「礼子、そこにいるか?」

「はい、お父さま」

仁が呼ぶと、すぐに礼子が側にやってきた。

「これを試したい。 守護指輪(ガードリング) だ」

作ったばかりの指輪を見せる。

「指輪ですね。……複雑な 魔導式(マギフォーミュラ) が細かく書き込まれていますね。私には解析できません」

助手として魔法工学に長けているとはいえ、さすがの礼子もこの分野では 魔法工学師(マギクラフト・マイスター) たる仁には敵わない。

「わかるか? 武器での攻撃と魔法攻撃を無効化する筈なんだが、礼子にちょっと攻撃してもらいたいんだ」

「それは危険すぎます。実験台ならゴーレムにやらせましょう」

反対する礼子。それはその筈、礼子の攻撃を単独で防げるかどうかわからないものを仁自身が試すといっているのだ。

「うーん、やっぱりお前はそう言うよな。仕方ない。今、誰がいる?」

ソレイユとルーナは飛行機と船を量産中なので手が塞がっていた。

「今手が空いているのは……ああ、ペリドがいました」

主に家事担当のゴーレムメイドである。地味な役目であるが、おかげで研究所内には塵一つ落ちていない。

「よし、それじゃペリドに頼もう」

ということで、研究所前の広場に出る。

「いいかペリド、この指輪をはめて、ただ立っていればいいからな」

「はい、わかりました、 御主人様(マイマスター) 」

ペリドに指輪をはめさせ、その場から十分な距離を取った後、

「ペリド、発動の 魔鍵語(キーワード) は『バリア』だ。唱えてみろ」

「はい、『バリア』」

目には見えないがこれで発動しているはずだ。

「礼子、初めは軽い魔法から始めてくれ」

礼子にゴーサインを出した。

「はい。…… 火の玉(ファイアボール) 」

2メートルほどの火の玉がペリドに向かって飛んでいく。が、それはペリドの1メートルほど手前で阻まれ、消滅した。

「次行きます。 火の弾丸(ファイアバレット) 」

30センチほどの火の弾丸が数十発飛び出した。しかしそれも防がれた。

「うーん、いい調子だ。礼子、次!」

「はい。 炎の槍(フレイムランス) 」

上級魔法の一角である炎の槍。あの 凶魔海蛇(デス・シーサーペント) にも通用する威力がある。

だが、その魔法も、1メートル手前で消滅したのである。

「よし、炎はそれでいい。次は雷系で頼む」

「はい」

これも上級魔法まで防ぐことがわかり、仁は大いに満足。更に水魔法、風魔法と試し、魔法攻撃には十分な防御力があることがわかった。

「礼子、魔法はもういい。今度は殴ってみろ」

物理攻撃に対する効果を試しにかかる仁。

「はい、わかりました。行きます!」

まずは10パーセントの出力で殴りかかる礼子、だがその拳は、ペリドの10センチほど手前で止まってしまった。

「うーん、魔法に比べて発動距離が近いのは仕方ないか。それじゃあ礼子、20パーセント」

「はい」

20パーセントの礼子の拳にも障壁は耐えた。

「最後、30パーセントだ」

「はい。行きます!」

滅多に出さない礼子の30パーセント。だいたい5パーセントで大人顔負け、10パーセントで超人、20パーセントで人外なのだ。

その礼子の30パーセントでの拳が激突した瞬間、火花が散ったように見えたが、なんとか障壁は耐え抜いたのである。

「もういい、礼子。ご苦労さん。ペリド、ありがとう」

礼子とペリドに礼を言い、

「それじゃあペリド、その指輪は褒美としてお前にやる」

「光栄です 御主人様(マイマスター) 」

ペリドは一礼して立ち去っていった。仁は礼子に向き直り、

「礼子、お前の方は大丈夫か? 手とか傷んでないか?」

「はい、どこも異常はありません。お気づかいありがとうございます、お父さま」

「そうか。それならいい。どうだ礼子、あれなら十分だと思うんだが」

「はい。試すには到りませんでしたが、おそらく上級魔法の一番高度なものにも耐えるでしょうし、私の50パーセントくらいまでは防げそうですね」

それは個人が持つ防御力としては破格というか伝説級であろう。

この世界には、地球にはない 自由魔力素(エーテル) が空間に満ちており、魔力により操作できる。これを『停止』させることで、何ものをも通さない障壁が出来るわけだ。

「よし、それじゃあ研究所に戻るぞ」

そう言って仁は礼子とともに工房へ戻り、先ほどの物と同じ指輪を10個作製した。うち4個はペリド以外の5色ゴーレムメイドに、2個はソレイユとルーナに、褒美として与える予定である。

指輪を作り終えた仁は、同じ 魔結晶(マギクリスタル) とミスリル銀を組み合わせ、ペンダントヘッドを作り上げ、同様の効果を上げるように 魔導式(マギフォーミュラ) を書き込んだ。

そして同じくミスリル銀で鎖を作り、

「礼子、これはお前のだ」

と、礼子へ差し出した。

「え? 私にですか?」

面食らう礼子。

「ああ。お前もよく仕えてくれてるしな、女の子だし、ペンダントの一つや二つ持っていてもいいだろう?」

すると礼子は嬉しそうに微笑み、

「……ありがとうございます、お父さま。大事にします」

それを受け取り、さっそく首から掛けた。

「うん、似合うぞ」

作った仁も嬉しそうだ。

そして最後に仁は、自分用の物を作製にかかる。

「指輪は慣れてないからな、腕輪にするか」

アダマンタイトで腕輪を作り、ミスリル銀でメッキ。ちょうど腕時計のような形に 魔結晶(マギクリスタル) をセットする。

「この大きさだと、防御だけでなく攻撃魔法も書き込めるな」

以前港町ポトロックで見た、ラインハルトの持っていた 杖(ワンド) 。魔法発動の式が刻まれていて、魔力を込めると魔法を発動させることが出来ていた。

「あれを参考にして、と」

単に式を刻むのではなく、選択できるようにする。一応は火、水、風、土、雷、光、闇の上級の下くらいまでは使えるように出来た。

「よし、最後に俺にしか使えないようにセキュリティを掛けて、と」

世界に2つと無い伝説級の装備が出来てしまった。

「試してみるか」

仁が呟くと、

「私がお相手致します」

と礼子。

再び研究所前の広場に出、仁は礼子目掛けて各種魔法を放った。

その悉くは礼子の持つペンダントが作り出した 結界障壁(バリア) に阻まれたが、仁はご満悦。

「これで俺も人並みの魔法を使えるな」

敢えて書いておく。全部の属性を上級魔法まで使えるというのは決して人並みではないことを。