軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

思いの外良いやつだ

数時間程でジョーカーの元へ行くと、彼は悠然とソファに腰掛けていた。

気絶してたはずなのに回復が早いな。

「もう終わりだジョーカー。観念するんだな」

「どうやらその様ですねぇ。敗者の身としておこがましいですが、一つお願いを聞いてもらえないでしょうかぁ?」

予想外のジョーカーからの降伏宣言。平然としてたからここで一戦起きるかと思ったが、どうやら見た目ほど無事ではなさそうだ。

仮面をつけているから表情で疲労を察することはできない。

「なんだ?」

「私の首は差し出しましょう。しぃかし、私の配下のダンジョンマスターの命は見逃していただきたいのでぇす」

「その喋り方どうにかならない?」

「あ、はいすいません、少し特徴をもたせたほうがいいかなーと思ったのですがね」

ねっとりとした話し方に少し苛ついたので、声を少し低くして脅かすとすぐさま態度を改めた。どうやらキャラ付けの為の話し方だったようだ。

こんなやつがソフィアたちの家族を人質に取った狡いやつ?いやいや、見た目の印象に引っ張られて胡散臭く感じるだけだ。

今ここでの態度を見ると、中々どうしてすなおで部下思いなやつじゃないか。

配下はいくらでも殺して構わないから自分だけはなんとかぁ!とか言って命乞いしてくるかと思ってた。

「まあ良いだろう。だが、お前も俺の配下に、いや仲間になってもらう。いいな?」

「恐悦至極に存じます」

ジョーカーはソファから立ちあがり、俺の前で膝をついて右手を胸に当てた。

こうしてジョーカーとのダンジョンバトルは終わった。

今までの話から分かるだろうが、ジョーカーは狡いやつだけど根は良いやつで、配下のマスターたちからは信頼されていた。

DPが足りなかったら余ってるダンジョンから分け与え、強い冒険者が来てピンチなダンジョンには戦力を派遣して危機を救う。

一種の互助組織だ。そのお陰で全員が中堅程度のランキングを保っている。

それと、ソフィアたちの村にいたモンスターは見掛け倒しでほとんど戦闘能力が無かった。

本気で彼女たちの家族に危害を加える気はなかったってことだ。

ちゃんと三人に謝ってたし、本当に悪いやつじゃないんだな。