軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

人龍VSマオ

こちらの隙が無い、と人龍は言ったがそれは奴にも言えることだ。情報が無い敵を侮ることなくちゃんと警戒してくる。その時点で少なくともこの敵は愚かじゃない。

そして愚かじゃない敵は強い。

俺が初めて行った戦争で誠司さんと一緒に戦った敵も、人龍と同じだった。

「マオ、奴に一人だけで挑むのはまずくないか?危険だ」

「慌てるな。余の力を信じるのだ…………勇者が魔王を信じるのはおかしいか」

マオが首を回しながら俺たちの前に出た後、冗談っぽく言ってきた。

俺とゼカイと違って、マオには圧倒的な余裕がある。その余裕が俺たちを落ち着かせてくれた。

「…………油断するなよ」

「当たり前だ。下手な戦いをすれば……あの方に罰せられる可能性があるのだ。負けられるはずがない」

途中から顔を青くさせてブツブツ言ってるが、どうしたのだろう?

「来い強者!」

「では行こう。イィリャーッ!」

マオは親指、人差し指、中指を鉤爪のような形にして人龍に掴みかかった。

マオがどうしてそのような指にしているか、狙いが分からない人龍は、とりあえず避ける為に後ろに飛びずさって掴みを躱すが、直後人龍の腕がレーザーのような直線の光の線に撃ち抜かれた。

光は六本。マオの鉤爪の形をさせた両手の指から出された魔法のようだ。

「なんと!」

「この指の形に特に意味は無い。貴様が掴まれることに警戒した時点でこの攻撃が当たることは既に確定していた」

血がどくどくと流れる腕を抑えている人龍にマオが告げると、人龍が顔を歪めた。

「なるほど、では次からは魔族殿の全てを警戒するとしよう」

指の形には意味がなかったのか。かっけーから後でどんな技なのか教えてもらおうかと思ってたのに……。

魔法で腕の治療を終えた人龍が、岩から槍を作り出し、鋭い突きを一瞬で何度もマオに放ってきた。

マオはそれを時には避け、時には手の甲で弾き防ぐ。しかし、何度か彼の肌を掠って傷を負わせられた。

それからの幾度も繰り返される攻防はまさに一進一退だった。