作品タイトル不明
30.スキルチェック
シートを敷いた上に寝そべり、冷たい夜風に当たる。先ほどまで熱いコンロを囲んでいたのもあって、冷たさが心地いい。
「今日も美味しく頂きました。色んな鶏肉を食べられて、幸せです」
「まさか、あんなに部位があるなんて知らなかったのじゃ。どれも、美味じゃったのう」
「気に入ってくれたなら嬉しい。まだ、肉は残っているから、また作れるよ。今度は違う料理でも作る?」
味をつけて炒めるのも美味しいし、煮込むのも美味しい。料理次第で美味しさが変わってくるから、本当に飽きない。
だけど、私の言葉に二人は悩んでいるようだった。眉間に皺を寄せて、悩ましい感じだ。
「他の料理にも興味がありますが、また同じものが食べたいです。同じおいしさをまだ堪能していたいです」
「わらわもそうじゃ! また、炭火焼鳥をやるのじゃ!」
「気に入ったみたいだね。そういうのなら、またやろうか」
「「やったー!」」
二人とも嬉しそうに腕を高く上げた。これならば、次も作り甲斐があるということだ。
「そうだ! どんなスキルを獲得したか、見てみない?」
「そうじゃった! 今回の目的はそれじゃったな!」
「あまりにも美味しくて忘れてました。確認しましょう」
体を起き上がらせると、私たちはステータス画面を確認した。
「私は……魔法が追加になりました! 探知魔法だそうです」
「わらわは高速移動じゃ! ほほう……今まで以上に速く走れるようになったのう」
「えーっと、私は……あっ! 来たよ! 鑑定スキル!」
「本当ですか!?」
「やったの!」
二人が私の側によって、ステータス画面を一緒に見る。そのスキル欄にはちゃんと鑑定スキルが表示されていた。
「これで、目的は達成じゃな! 早速、明日は村に行くのか?」
「うん。早く解決してあげたいから、行こう」
「じゃあ、スピード出して超速で行きますね! 任せてください、アクセル踏みまくります!」
「「それは止めて!」」
早くってそういう意味じゃないからー!
◇
安全運転(比較的)で村へと向かった私たち。村の離れたところでキャンピングカーを下り、村に向かっていった。
そうして歩いて行くと、畑が見えてくる。その畑には見慣れた人、お兄さんが立っていた。
「あっ、お兄さん!」
「君たちは、昨日の! 何かあったんですか?」
「畑の状態が分かる能力を身に着けてきたよ」
「き、昨日の今日でですか?」
私の言葉にお兄さんは驚いた顔をした。やはり、そう簡単には信じられないようだ。だけど、本当のことだから胸を張ってやる。
「だから、私に畑の状態を確認させて」
「わ、分かりました。どうぞ、見てください」
お兄さんが畑に誘導すると、私はしゃがみこむ。そして、土に向かって鑑定スキルを使った。
【畑の土】
状態:強酸性
すると、すぐに結果が出てきた。どうやら、この畑の強い酸性に傾いているようだ。作物はやや酸性でも育つもの。それが、いきなり強い酸性になって育たなくなってしまったのだろう。
「お兄さん、原因が分かったよ。どうやら、この畑は強い酸性に犯されているみたい」
「さ、酸性? それはどういう状態なんですか?」
「片方に成分が傾いているってこと。そうなっちゃうと、作物が育たなくなるんだよ」
「そ、そうだったんですね……。知りませんでした」
きっと、魔物がまき散らした液体が酸性だったの違いない。それが土に染み込んで、酸性に傾いてしまったんだ。
だけど、解決法なら知っている。アルカリ性の成分をまけば、酸性に傾いた土を直すことが出来る。
そして、その手段もある。私のネットショッピングで石灰を買えばいい。だけど、それを簡単に言ってしまうと、スキルについて追及されてしまう。だから、ごまかすことをしなければならない。
「私だったら、土を元に戻す方法も知っているし、必要な物も買えるよ」
「ほ、本当ですか!? 今、村長と話をしてきます!」
お兄さんは慌てた様子で村へと戻っていった。私たちがその場で待っていると、村の方から大勢の人たちがこちらに向かってくるのが見えた。
大勢の人が私たちの前で止まると、中から老人が前に出てきた。
「あの……畑を元に戻す手段があると聞いたのですが。本当ですか?」
「うん、本当だよ。必要な物を買って、それをばらまけば元通りに戻るよ」
「で、では! お願いできませんでしょうか。もう、頼れるのがあなた方しかおりませんので……」
「もちろん、任せて! お金は後で支払ってもらってもいい?」
「えぇ、もちろんです」
これで、安心して商品を買うことが出来る。私たちはみんなと別れ、離れた場所へと移動をした。