軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

27.村を手助けしよう

村の離れたところでキャンピングカーを仕舞うと、そのまま村に向かった。すると、村の前で私たちよりも年上の少女がウロウロと歩いているのが見えた。

その子がこちらを向くと、パッと顔を明るくした。

「兄さん!」

もしかして、この人の妹さん? 黙ってみていると、その少女はお兄さんの前に駆け寄った。

「良かった、無事に帰ってきて。狼の群れを見かけたって村人の人が言っていたから、心配で! なんともなかった?」

「ははっ、実は狼の群れに襲われてね。でも、ここにいる子たちが助けてくれたんだよ」

「そうだったの!? この子たちが?」

その少女は信じられないようにこちらを見てきた。

「こうみえても、わらわたちは強いんじゃぞ!」

「倒したのは、サリサじゃないけどね」

「私のスキルで倒しました!」

「ふふっ。嘘言っているようには見えないわね。あなたたち、兄さんを助けてくれてありがとう」

笑うと明るい笑顔で感謝を言われた。真向から感謝を言われて、なんだか照れてしまう。やっぱり、人助けは気持ちよくていいな。

「それで、畑を元に戻す手がかりは掴めた?」

「それが……掴めなかったんだ」

「……そっか。だったら、今ある畑は使えないって事だよね」

二人はそう言って落ち込んでいた。そんな姿を見ていると、手助けをしたくなる。

「私たちはそれに協力するよ」

「えっ? あなたたちが? でも、子供のあなたたちに一体何が出来るの?」

「それは秘密。でも、力になれそうだよ。畑を見せてもらってもいい?」

「もちろん、いいわ。こっちよ」

少女についていき、畑へと移動をした。そこには、キャンピングカーの中で見た通りに作物が枯れていた。

「植物の魔物が来て、畑で暴れたの。それで、変な液体をばらまいて、こんな状態になったの」

その説明を聞きながら土の状態を見る。見たところ毒に犯されている様子はない。じゃあ、どうしてこの畑は作物が枯れてしまったのだろう。

畑の初心者の私が見ても分からない。やっぱり、畑の状態を調べるには鑑定のスキルが必要だ。どうにかして、手に入れればいいんだけど……。

「原因は魔物が出した変な液体なのは分かっているけれど、どうしたらいいか分からないわ。あなただって、分からないでしょう?」

「今は分からないけれど、そのためにやるべきことがあるのは分かるよ。この辺に魔物はいる?」

「魔物?」

「出来れば、食べられる魔物がいい。それでいて、知能が高い魔物」

「食べられる魔物で、知能が高い魔物ねぇ……」

兄妹は難しい顔をして考える。しばらくすると、兄の方が何かを思い出したようだ。

「いるよ、食べられて知能が高い魔物。あそこに山が見えるだろう? その山に生息している、リドートーっていう飛ばない鳥の魔物がいるんだ」

「あぁ、あの魔物ならそうね。リドートーは相手の力量を見極めて、弱い相手なら戦って、強い敵なら逃げるっていう習性があるわ」

相手の力量を見極める? それって、鑑定スキルに適した能力じゃない? ……うん、その魔物に賭けてみるのがいいかもしれない。

「ありがとう。じゃあ、その魔物を倒して食べてくる。そしたら、畑の状態の事が分かるかもしれない」

「何だか分からないけれど、僕らのために動いてくれてありがとうございます。僕も諦めないで、調べてみようと思います」

「もし、畑の状態のことが分かるようになったら教えてね」

兄妹と別れ、私たちは村を離れた。すると、今まで黙っていた二人が口を開く。

「人助けなんて、お人よしじゃのう。そんなのほっといて、先に進めばいいのに」

「メルには困った人を助けるっていう、素敵な心があるんですね。見直しました」

「まぁ……あんな顔を見せられたら、放っておけないっていうか……」

悲し気な顔をしていた兄妹。その姿を見ていると、心が痛んでどうにかしてあげたくなる。

「そんなメルだったから、私たちは一緒になることが出来たんですね」

「えっ?」

「だって、困っている私たちをすぐに拾って、まとめてくれたじゃないですか。その気持ちがあったから、私たちはこうして楽しい旅が出来るんだと思います」

「……そうじゃな。メルのおせっかいがなかったら、今のわらわたちはいなかった。そういう性分なのじゃろうな」

「め、迷惑……だった?」

確かにちょっとおせっかいだったかもしれない。だけど、放っておけなかったんだから、仕方ないじゃない。でも、本当は迷惑を感じていたとしたら、申し訳ない気持ちになった。

だけど、私の手をティナがギュッと握ってくれた。

「そんなことありません。捨てられた時、絶望した私の心を救ってくれました。本当に心から感謝しています」

満面の笑みでそう言ってくれた。すると――。

「わらわもじゃ! あの後、どうしたらいいか分からないところを、メルに救われた。それは迷惑じゃなくて、大きな助けじゃったぞ!」

サリサも満面の笑みでそう言ってくれた。二人の気持ちが伝わってきて、心が温かい。こうして、改めて言われると心がくすぐられる。

「だから、そのメルの気持ちを大切にしたいです。私も協力します」

「わらわもじゃ! 困った人を一緒に助けようぞ!」

「二人とも……ありがとう!」

優しい二人と一緒に居て良かった。そんな気持ちが溢れてきた。だったら、二人には協力してもらおう。

「じゃあ、あの山に向かおう!」

「はい!」

「じゃな!」

三人で心を一つにするように手を上げた。少しだけ、心が繋がった気がして、とても心強かった。