作品タイトル不明
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やっと終わる。
やっと繰り返す人生が終わるよ フ(・) ィ(・) オ(・) ナ(・) 。
「離しなさいよ!このブサイク!」
ぷッ・・・・・・ジンの額に青筋が立った。
笑ったのがバレたのか睨まれた。
でも笑っている場面ではないわね。
「コイツどうする?」
「そんなことは決まっている」
「ええ、フォーライト公爵家を襲撃しようとしたのですもの、失敗したらどうなるかぐらい覚悟は出来ていますわよね?」
ジンに応えたのはお父様とお母様。
チンピラだか、ゴロツキだか知らないけれど男たちは全員我が家の護衛に連れて行かれ、ここにはオルセロー嬢だけになった。
さあ、始めましょうか・・・・・・
「オルセロー嬢に聞きたいことがあるの」
「な、何よ」
「ねえ?ここに何をしに来たの?」
もちろん聞かなくても答えは分かっている。
「あんたよ!あんたを殺しに来たのよ!」
ぶわーって一気に部屋の中が息苦しいくらいの殺気がたった。もちろんその出処は私の家族とジンにサラ。まあ、全員だ。
「ねえ?何で?何で私を殺そうとしたの?私は貴女に何もしていないわよ」
「あんたが!あんたが生きていることが許せないのよ!動くのも、息をするのも、存在自体が許せない!嫌いなのよ!あんたが、あんたが居たら・・・・・・」
うわ!優しいお母様の魔力が暴れ出す寸前だ!
「ふふふっ、フィーが居たら何なのかしら?」
エル姉様は笑っているけれど、目が鋭くなっている。それでも綺麗だなっと見蕩れてしまいそうになる。
「こ、殺してやる!今回は失敗したけど 次(・) は絶対に殺してやる!」
おおっと!エル姉様の冷笑に一瞬怯んだオルセロー嬢だけれど持ち直した~!
でもダメだ。これ以上オルセロー嬢に好きに話させたら尋問する前に終わってしまう。
「次があると思う?」
うわっ!今度はアル兄様だ。
普段から温厚なアル兄様のこんな底冷えするような冷たい声を聞いたことがない。
これだけの人数に囲まれているのに何でこんなに強気になれるのだろう?
オルセロー嬢はこの状況を理解しているのだろうか?
もう・・・・・・無事に帰れることすら難しいというのに。
「あるわよ!あたしには あ(・) の(・) 方(・) がついているもの!」
あの方?
「ねえ!助けてよ!聞こえているんでしょ!早く助けてよ!」
突然オルセロー嬢が誰もいない空中に向かって叫びだした。
・・・・・・ここに見えない誰かがいる?
彼女の言う あ(・) の(・) 方(・) が?
皆んなが戦闘態勢をとったと同時にガクりとオルセロー嬢から力が抜けた。
か、次の瞬間にはブルブルと身体が震えだし、黒い影が彼女を包んだ。
そして、ゆっくりと顔が上がってくると
彼女の眼の色が変わっていた。
白色であるべきところも、瞳もすべてが塗り潰されたかのように真っ黒に・・・・・・まるで人間ではない、何か別の生き物のように・・・・・・
~クスター・オルセロー男爵令嬢視点~
失敗した。
何なのよ!『任せて下さい』と言っていた執事見習いが初っ端に失敗していたなんて!それも既に捕らえられているなんて話になんない!使えない奴!
それに何?フィオナの姉と・・・・・・あれは母親ね。あとは妖艶な女が微笑んでいるけれど、あたしでも分かる、あれは冷笑ってやつよね?
それにしても、あたしを押さえつけているこのブサイクな男はなに?
『離しなさいよ!このブサイク!』と本当のことを言ったら骨がギシギシいう程締め付けてきた。
ブサイクのクセに生意気!
ムカつく!ムカつく!ムカつく!
ここでどんな言い訳をしても通用しないことは雰囲気で分かる。
そんな状況でフィオナがあたしに問いかけてきた。しかも、生意気にもあたしを蔑むように見下ろしてよ!
頭に血が上る。自分を抑えることが出来ない。
フィオナを殺しに来たと言葉にした瞬間、部屋の中が息苦しくなった。
それでもフィオナだけは顔色一つ変えずに、まだ質問をしてくる。
そのすました顔があたしをイラつかせるのよ!
もうどうにでもなれ!と本音をフィオナにぶつけた。
目に入るすべての人間から殺気を向けられても、あたしも貴族令嬢だ。
ここで殺されることは無い。
・・・・・・今回は失敗したけれど、次は必ず殺してやる!
だから助けを求めた。
いつだってあたしに力を貸してくれるあの方に。
ああ、今日も素敵。
あたしにだけ見える ルーク(あの方) 様。
さあ、ここから連れ出して。
彼の 腕(・) があたしを優しく包む。
あれ?突然目の前が真っ暗になった。
それに意識はあるのに、身体が動かせない。
ああ、縛られていたんだった。
でも、何かがおかしい。
だって縛られているはずの身体が、意識していないのに勝手に立ち上がったもの。
それに発した声は、あたしのものではなかった。
~サラ視点~
あの方ねえ・・・・・・アレに助けを求めるなんて本当に馬鹿な子。
もしかしたらと思っていたけれど、あんなモノを飼っていたとはね。
あの子がフィオナを殺すほど嫌う理由が分かったわ。
もうフィオナを二度と殺させない。
「ここで殺り合うのは不味い。飛ぶぞ」
羊の皮を被った『魔王』が指示を出した。
何か予想外のことがあった時のために、夫人は留守番になる。
これは何度も話し合って決めていたこと。
SSランクのジンとわたしですら手も足も出なかった『魔王』が参戦した時点で結果は決まっているのよ。
さあ、行きましょう。
転移する瞬間、部屋に飛び込んできたのは・・・・・・