軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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あれから少し転生者について調べた。

名前はクスター・オルセロー。

オルセロー男爵家の令嬢。

以前小耳に挟んだオルセロー男爵の庶子だと言うのは本当だった。

それと全属性だと言うことも。

そして1年生の間では悪い意味で有名。

高位貴族の子息に婚約者がいようが近付くので顰蹙を買っているらしい。

やり方としては、話す時も距離が近すぎる。体を擦り寄せる。自然を装ってすぐに腕を組む等。

まあ高位にいくほどオルセロー嬢を相手にしないみたいだけど・・・・・・

彼女は下位貴族としての作法やマナーは出来ているらしい。が、常識が足りていないとか。

下位貴族の令嬢の嫁ぎ先のほとんどが、同じ下位貴族家か商家だったりする。

そして高位貴族の令嬢の嫁ぎ先は当然高位貴族家になる。王家から婚約が打診されるのも高位貴族の中からだ。

それもあり高位貴族と下位貴族との作法やマナーや常識には差が出る。

本人は完璧なつもりでいる様だが、結局は下位貴族のマナー限定だ。

そんな彼女は女子生徒には嫌われ、高位貴族の子息には距離を取られ、傍に置くのは見目のいい下位貴族の子息ばかり。

そんなところも嫌われる原因だとか・・・・・・

で、最近この学院でも人気の高い、アンバー様、ラシュベル様、グレン様、そして王族であるリオネル殿下にまで偶然を装い近付こうとしたとか・・・・・・まあ、女好きのアンバー様以外には相手にもされなかったらしいけれど。

この学院は学年ごとに校舎が違い、共同で利用する医務室と食堂以外では魔法競技場への移動時ぐらいしか接点はないんだけど・・・・・・そこを狙うなんてね。

どうせ前世の記憶で乙女ゲームでよくある出会いイベントの場面を再現しようとしたのだと思う。

彼女がこの世界が現実だと、乙女ゲームなんかじゃないと気付くのは何時なのだろうか?

フ(・) ィ(・) オ(・) ナ(・) の記憶と現在の状況が変わっている。

フ(・) ィ(・) オ(・) ナ(・) の記憶ではオルセロー嬢が入学してすぐに、リオネル殿下、ラシュベル様、グレン様、アンバー様の4人が彼女と親しげにしていた。

それが、今はアンバー様だけが相手にしているだけ・・・・・・

それに前回までのオルセロー嬢の周りにはもっと高位貴族の子息たちがいたし、彼女をお姫様扱いしていた。

・・・・・・それって、リオネル殿下たちが周りに影響を与えてたってことじゃないの?

なんだよ!お前たちが原因か!・・・・・・迷惑なヤツらだな。

でも、その中に一度もレオニールはいなかった・・・・・・。

前回まではずっとオルセロー嬢と同じ学年だったから嫌でも会ってしまっていたが、今回は学年も違えば校舎も違う。

気をつけるのは移動中がほとんど。

はっきり言って、今の私なら証拠も・・・・・・いえ、骨すらも残さず彼女1人をこの世界から消滅させることは簡単に出来てしまう。

でも少しだけ記憶と異なる今、彼女もまた違った行動をするかもしれない。

私を殺そうとしないかもしれない。

油断をするつもりは無いけれど、今は様子を見るしかないと思う。

あれからオルセロー嬢に会うことなく1ヶ月が過ぎた頃とうとう接触してしまった。

ただこれは偶然で、決して態とだったり狙ったわけじゃあない。

本当にたまたまタイミングが悪かったとしか言いようがない。

この日はエル姉様とアル兄様が同時に風邪をひいて熱を出した為、私一人が学院に登校していた。

双子って不思議。まあ、偶然だろうけどね。

『一緒に休もう』と私を誘ってくれたけれど、1年しかない学生生活だからと言って断った。

で、リナ様とベルティナ様と一緒に昼食を取るためにいつもの個室に向かっていた。

突き当たりを左に曲がると食堂というところで、すごい勢いで走ってきた令嬢にぶつかった。

普段から鍛えている私でも後ろによろめくほどの勢いだった。が、硬い何かに支えられた・・・・・・

「いったーーい!」

まるで自分が被害者のように座り込んでいたのはオルセロー嬢だった・・・・・・

いやいや、廊下を走っていたアンタが悪いんでしょうが!

てか、何で走ってんのよ!

「レオニールさまぁ」

は?なんで私に手を差し出しているの?

「フィ、フィオナ嬢大丈夫か?」

ああ、支えてくれたのはレオニールだったのね・・・・・・で、オルセロー嬢の差し出した手はレオニールに向かってだったのか・・・・・・だけどレオニールの方はガン無視だ。

「え、ええ。ありがとうございます」

「昼食に行く途中だろ?・・・・・・一緒に行こう」

私が返事をする前にレオニールは私の手を引いて歩き出した。

「ま、待って、待ってください。その人のせいで足を挫いて立てないの、レオニール様助けてください」

「・・・・・・なに人のせいにしている?ぶつかったのお前の方だろ」

振り向いてオルセロー嬢を見下ろすレオニールの目は冷たい。

言われた方のオルセロー嬢はまるで信じられないという顔をしたあと私を睨んできた。

不思議。あんなに震えるほど怖かったのに、彼女に睨まれてもまったく怖くない。

近くで見た彼女は小柄で可愛らしい顔をしていた。

確かに可愛いんだけど・・・・・・でも普通?

だって貴族の令嬢には綺麗な人も可愛い人も山ほどいるから。

比べたら悪いけれど彼女が特別可愛いとは思わない・・・・・・

何か男性を惹きつけるフェロモンでも出ているのだろうか?

ん~~私には彼女の魅力がわからん!

「行こうか」

「え、ええ」

結局レオニールは無言のまま個室まで送ってくれた。

その後、私とレオニールが校内を手を繋いで歩いていたと噂になるまで、そう時間は掛からなかった。

彼の手の温かさを懐かしく感じたのは・・・・・・手を繋ぐことに違和感がなかったのはきっと フ(・) ィ(・) オ(・) ナ(・) の記憶があるからだよね?