軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

15

ん?

あれ?

あれれ?

記憶と違う・・・・・・よ?

学院に通いだして1週間は午前中で授業が終わっていた。

だから今日から昼食は学院内にある食堂か数あるカフェのどれかで食べることになるのだけど・・・・・・

宰相の子息ラシュベル・ルーブル様も、騎士団長の子息グレン・ラオス様も、そしてリオネル殿下までもがこの1週間で令嬢を側に置いていない。

たくさんの令嬢から声は掛けられているんだよ?

それを3人ともすべて断っているんだよね。

どうした?3人に何があった?

記憶では常に令嬢達に囲まれていたのにおかしい。

エル姉様とアル兄様に生徒全員が利用できるだけの広さの食堂に案内された。

さらに廊下を奥に進んだ先には、王族と公爵家だけが利用できる個室があった。

10人が会食するにも十分な広さで、食堂横の廊下を素通りした時に見た食堂のテーブルや椅子よりもグレードの高いテーブルセット。それにソファセットまである。

この部屋を使う使わないは自由だけれど、なるべく 転(・) 生(・) 者(・) に遭遇しないために、これからも昼食はここで食べることにした。

「おっいし~い」

貴族の子息子女が通うだけあって味は申し分なし!

「学院の料理も中々のものでしょう?」

「うん!学院には興味なかったけれど、これからは昼食目当てに通うわ」

「ハハッ、フィオナらしいね」

「このあと午後から魔法の授業ね。分かっていると思うけれど本気を出したらダメよ!」

「大丈夫だって!しっかり手を抜くから」

そうそう、この学院内に3つある魔法練習場以外での魔法の使用は校則で禁止されている。

破るとそれなりに処罰を受けることになる。と、入学式で学院長が言っていた。

咄嗟に使っちゃわないように気をつけなきゃ。

食事の後はゆっくりとお茶を楽しみ、午後からの魔法授業ために体操服に着替えてから屋外にある魔法練習場に向かった。

ちょっと早く着きすぎたようで、まだ数人しか生徒は集まっていない。

だからか、小声で話しているのだろうけれど聞こえてしまう。

『おい、今年の1年に全属性の可愛い子がいるらしいぜ』

『ああ聞いた。魔力量も多いんだとさ。授業ですべての属性を披露したんだろ』

『男爵家の令嬢らしいぜ』

『でも元は平民でしょう?』

『そう聞いたわ。オルセロー男爵が平民の愛人に産ませた子だって。魔力量が多いから引き取ったとか・・・・・・』

ふ~ん。なるほど・・・・・・子供に罪はないだろうに。悪いのは妻がいながら他の女に手を出した父親でしょうよ。せめて妻を裏切るならば子供は作っちゃダメだろ。

「よくある話だから気にしなくていいわよ」

「そうなの?お父様が浮気とか信じられないんだけど」

「父上は浮気とかしたこと無いはずだよ」

「そうよ。浮気をする人はする。しない人は1度たりともしないのよ」

「愛人が1人の人もいれば、何人も抱えている人もいるんだ」

「何人もって・・・・・・気持ち悪い」

「だからね、見極めは大事よ!わたくしは浮気は絶対に許せないから誠実な人を選ぶつもりよ」

「僕もだね。最近は夫人でも愛人がいる人もいるらしいからね」

「怖っ!」

「わ、私は絶対に浮気はしない!」

突然私たちの会話に割り込んだのはリオネル殿下だった・・・・・・

「そうですか」

それに対してどうでもよさそうに応えるエル姉様・・・・・・王子相手に冷たすぎない?大丈夫?不敬罪に問われない?

「ほ、本当だよ。エルシア嬢信じてくれ!」

「ええ」

必死な形相から、ぱぁ~っと笑顔になったリオネル殿下だったけれど、エル姉様の次の言葉に固まってしまった。

「わたくしには関係ありませんから」

「そうだね。エルだけを愛してくれる誠実な人が こ(・) こ(・) で(・) は(・) な(・) い(・) ど(・) こ(・) か(・) にいるはずだよ。そんな人じゃないと僕も認められないな」

アル兄様ってば、さりげなく お前じゃない(リオネル殿下) って言っているよね。

・・・・・・。

リオネル殿下だけでなく後ろのルーブル様とラオス様まで顔色が悪くなったのは疑問だけどね。

たった1週間だけれど、傍から見ればリオネル殿下がエル姉様を好きなのは一目瞭然なんだけれど、エル姉様の方は彼にまったく関心がない。

私の記憶にあるリオネル殿下は悪い人ではなかったんだけどな。

エル姉様には幸せになって欲しい。

それにエル姉様って女神のように美しいの。

意志も強くてカリスマ性もある。

17歳にしてまるで女王のような風格もある。

可哀想だけど今までの行動から信用のないリオネル殿下ではエル姉様に相応しくない。

そろそろ他の生徒たちも集まったところで授業開始のチャイムが鳴り担当の先生が現れた。が、入学前の試験でこんな人いなかった気がする。

「フィオナ・フォーライトさんは?」

「私です」

挨拶もなしにいきなり名指しとかって・・・・・・お前誰だよ!

「飛び級したのは君かね?」

「そうですが」

ねえ今フンって鼻で笑ったよね?

「君が飛び級できるだけの実力が本当にあるのか誰も知らない。家の権力を使ったのではないかとの噂もある」

何が言いたいんだ?

「皆の疑いを晴らすためにもここで実力を見せてもらえないか」

「・・・・・・」

ふ~ん、皆んなの代弁をしているようで1番疑ってるのはあんたじゃん・・・・・・って、隣にいるエル姉様とアル兄様が微笑んでいるわ。でもそれって冷笑ってやつじゃない?魔力が漏れて気温まで下がっているよ。

「いいですよ」

「フッではあそこにある的をどれでもいいから狙って見せなさい」

どんな無理難題を言ってくるのかと思えば、たかだか100メートルほど離れたところにある的当てなんて子供のお遊びか。草生える~ってか。

「「フィオナ」」

私がやり過ぎないか心配って顔ね。

でも安心して。

「大丈夫よ」

実際、クラスメイトの中にはエル姉様を目の敵にしている令嬢とその取り巻きが『家の権力を使った』だとか『学院長を脅して飛び級した』だとかって陰口を言っているのを聞いちゃったんだよね。

なら軽く実力を見せてやればいいよね!

だから一歩前に出てパチンっと指を鳴らした。