軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

王子って素敵ですね

「か、彼女に手を出すな! 僕が許可しない!」

ヒールをかけるとようやく王子が目覚めて、杖で突かれたお腹を押さえながら騎士達に命令した。

納得いかない様子だけど、これ以上報酬に無関係の騒ぎを起こすならどうしてくれようか。

王子が私の前に立って、頭を下げた。

「す、すまない。君の尊厳を踏みにじるような恥ずべき行為だった……」

「はぁ……それで報酬は?」

「そうだな……。君と出会えた奇跡を祝福して、フォーススターをプレゼントしよう。魔攻を飛躍的に高めてくれるアクセサリだ」

「言い方はアレだけど、それ嬉しいです」

私はクリード王子を誤解していた。

ただの下心野郎だと思っていたけど、この人は道理をしっかり理解している。

報酬を釣り餌にしていたなんて、とんでもない。

そんな印象を持つ人がいたらお目にかかりたいよ。

私がクリード王子を心の中で褒めていると、また外野が騒ぎ出した。

「な、なによ。あれだけのことをしておいて、なんで許されてるの?」

「クリード王子! どういうことか、説明をお願いします!」

「探していた少女は見つかった。君達にも迷惑をかけたな。お詫びに後日、パーティに招待するよ」

「まぁ! それなら大歓迎です!」

クリード王子がにっこりとほほ笑むと、女性達はふらついた。

ちょろくない?

鶴の一声というべきか、ゾロゾロと帰っていった。

未だ目が覚めないシャルンテお嬢様もしっかりと背負われて、この場は片付く。

「改めて、マイプリンセス。僕と結婚してほしい」

「また振り出しに戻ります?」

「君のような自由奔放で誰にも媚びない少女は初めてだ。僕の周りには昔から媚びる人間ばかりで」

「帰りまーす」

「ま、待ってほしい! 今日は城に泊まって」

「帰ります」

「ならば、せめて宿の手配くらいはさせてくれ! ここ、王都でも最高級の宿だ!」

「それを早く言ってくださいよ」

さすがは王族、けじめのつけ方と報酬というものを理解している。

こういう人が国のトップになれば未来は明るい。

結果的に報酬も貰えたし、今日の機嫌も悪くなかった。

* * *

「ここ、貴族が宿泊する超高級宿だ……」

無駄に大きい部屋とベッド、王都を一望できる見晴らしもいい。

素敵な王子様のおかげで私達は身の丈に合わない宿に泊まることができた。

まぁエリクサーを売れば余裕で泊まれるけどね。

資金管理はミリータちゃんに任せてるし、無駄使いはビシッと指摘してくるからいつもはこんな贅沢できない。

「それにしてもマテリが王子様から求婚とはなぁ」

「冗談じゃないよ。結婚とかどうでもいいし、ましてやお姫様なんて考えただけでゾッとするよ」

「ま、お姫様に憧れるって柄じゃねえなっ!」

「クリア報酬に代えられるものなんてこの世にない」

王子様の結婚相手なんて腐るほどいるんだから、あの中から選んでほしい。

そろそろミッション疲れが出てきちゃったかな。

すでに寝息を立てているフィムちゃんを見ていたら、私も眠くなってきちゃった。

「あー……もう疲れた。早めに休むかな。そういえば、前にこうしてのんびり休んでいたら変なのに襲撃されたっけ」

「そんなこともあったなぁ」

「あの時と違って今は」

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ミッション発生!

・テホダマーを討伐する。報酬:古代魔道士のタトゥー

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「誰ぇぇぇぇあああぁーーーーー!」

部屋のドアを開けると、廊下の奥から人が歩いてきた。

黒いローブに身を包んで、刺客全開じゃないの!

「なに!? 気づかれただと! マジックアローッ!」

「ホームラァァンッ!」

「か、かき消した!?」

光の矢みたいなものを杖で打ち消した。

高級宿の広い廊下を走って、黒ローブを目指す。

せっかく休んでいた時に興奮させてこのこのこのこのこのこの。

「ゼロ距離ファイアボァァァァル!」

「ぐああぁぁッ!」

火に包まれた黒ローブが倒れて転げ回った。

これで許すと思う? 私はそいつを杖でひたすらぶっ叩く!

「火消し火消し火消し火消しィィィーーーーーー!」

「あ、あがッ……」

「マテリ、もう終わってる」

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ミッション達成! 古代魔道士のタトゥーを手に入れた!

効果:魔法攻撃時、一定確率で一定範囲の敵に追加のダメージを与える。

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なにこれ早く試したい!

あぁもう、せっかく寝ようと思ったのにぃ!

「師匠! 敵ですか!」

「起こしちゃったか。うん、そうみたいだね」

ボロ雑巾みたいになってるこいつは何者だろう?

魔法を使ってたし、この見た目は魔道士っぽい。

「マテリ。こいつ、魔導士協会のエンブレムをつけてる」

「まどーしきょうかい?」

「魔道士達で結成されたギルドだ。世界各地に拠点があって、所属している魔道士は様々な保証を受けられる」

「なんでそんなもんが私達を狙うんだろう」

魔道士協会。

ミリータちゃんがきっちり説明してくれた。

各国にとってスポンサーでもあり、そのおかげで国内に堂々と居座っている。

一部の税金なんかも免除されたり安くなることから、魔道士なら所属しない手はないらしい。

一方で魔法至上主義の理念を掲げていて、その思想が行き過ぎて問題になることもあるとか。

魔法は神がもたらした奇跡の力と信じていて、選民意識も高い。

そのせいか、魔法効果があるアイテムを世界各地から強引な手段で回収しているという噂があるみたい。

「つまり私のアイテムを狙った?」

「それにしては仕事が早すぎなのが気になる。オラの勘だが、誰かが依頼したんでねえか?」

「誰かって一体」

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ミッション発生!

・シャルンテを討伐する。報酬:大天使の輪

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了解しました。

これより宝の山に向かいます。