軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ゴーレムの修理はさすがにねぇ

「おう、お前ら。急にいなくなったと思ったらどこに行ってたんだ?」

「使命を果たしてきました」

突然、正義の使命が芽生えたんだからしょうがない。たとえバトルキングの元で回収したゴーレムについて、妙案が浮かぼうともね。

このボロ雑巾みたいになった名も知らない魔道士を放り投げると、ドワーフ達は何も言わずに拘束して連れていった。

ほらね。私が何をしたか、すでに理解している。この理解力は同じドワーフのミリータちゃん並みだ。

「なるほど、まーたあの魔道士協会のアホどもが何かやらかそうとしたのか。あいつら、世界中から煙たがられてんのがわからねぇのか?」

「私としてはおいしいからありがたいですけどね」

「おいしいだと?」

「いえ、正義の使命を果たしやすいってことですよ。えへへ……」

おいしいなんて下品極まりない。正義の使命に対して、そんな欲望丸出しな表現をするなんて浅ましいよ。

私としたことがついミッション後の余韻が心地よくて、えへへ。へへへ。

「おい、ミリータ。こいつ、大丈夫なのか?」

「いつものことだべ、バトルキング。こうじゃなきゃ逆に異常なんだ」

「そうか、なんだか大変なんだな」

「オラもうまい思いしてるけどな」

「ん?」

こら、ミリータちゃん。あなたも正義の使命に対して、うまいなんてお下品な表現をするんじゃない。

だってこんなにいい報酬がもらえたんだから、さぞかし大きな正義の使命だったはずでしょ。

発掘作業中に揺れを感じたと思ったらミッションが出て、なぜか頭上に悪の気配がある。

そこは地中だけど悪の気配の正体に向けて私はひたすら掘り進めた。そして悪の気配が強まったのを感じてファイアボォをしたんだ。

私の正義の勘がなかったら、この国は大変なことになっていたかもしれない。

これは確かに聖女だよ。もう私を物欲の塊だの言わせない。

「マテリ、おめぇのそれは」

「この報酬の大地の書なんだけどさ」

「こら、話を逸らすな」

またミリータちゃんが恐ろしいことを言おうとしてた。

そんなことより私としてはこの大地の書が気になる。これはアレリアの魔導書と違って読めば何かあるというわけじゃなさそう。

でも何が書かれているかさっぱりわからない。そこで私はあの子を呼び出すことにした。

「いでよ、アレリアちゃん」

「主よ。何なりと命じろ。この者達を虐殺すればいいのか?」

「ちょっと呼び出さないうちにずいぶんと過激になったね。そうじゃなくてね、まずはこの大地の書なんだけどさ。読める?」

「これはグラモ人の書ではないか。なつかしや……」

地の民グラモ人。大昔に栄えていた人達で、かつては魔導王国アレリアに負けないほどの文明国だったらしい。

アレリアによれば回収したゴーレムもグラモ人によって作られたとのこと。

グラモ人はかつてアレリアと対立していて、魔法の力に対して魔道具で戦った。それがあのゴーレムだ。

ゴーレムの力もまた凄まじくて、特に七大ゴーレムと呼ばれるものは世界を滅ぼせるほどの力があったとか。

「私達が正義の使命の下に討伐したあのゴーレムがそのうちの一つってこと?」

「そうだ。しかし多くは使われなかったようだ。グラモ人はアレリアとの戦いに敗れて、ゴーレムもどこにあるのかわからず終わった」

「ということはあと六つの報酬……いや、ゴーレムが眠っている可能性が?」

「そうかもしれない」

落ち着きなさい、マテリ。落ち着いて素数を数えなさい、マテリ。

2、3、5、6、あ、6は素数じゃない。ゴーレムの数だ。

落ち着きなさい、マテリ。あなたは素数を数えてるのよ。

「マテリ。そんなもんどうでもいいから当初の予定通り、アレリアにゴーレムを見せるぞ」

「やだミリータちゃん、何を言ってるのかまったくわからないなぁ怖い」

アレリアがゴーレムに近づいて、匂いを嗅いだりして何かを調べている。ああいうところは犬っぽい。

「これはまだ直せそうだな」

「なに! そりゃマジか! だったらこいつを直して役立ててぇ!」

「戦争に使うつもりか?」

「バカ言うな! こんなでけぇのがあれば、労働力として申し分ねぇだろ!」

「……意外だな」

バトルキングは戦闘狂だけど分別はあるとミリータちゃんは言っていた。

その割に私にいきなり攻撃してきたけどね。私は心が広いからそんなことでいちいち恨まないけどね。ミッションが出たら覚えてろ。

「主、少し手伝っていただきたい」

「えー? 私にそんな機械いじりなんてできるわけないでしょ」

「核がかなり損傷しているが、それ以外の部分は私の指示に従えばどうにかなる。私の手では細かい作業ができない」

「あぁ、それは切実な問題だね」

ミッションも出ないのに、ワンコがいきなりわけのわからないことを言い出した。

重い腰を上げるどころじゃない。全身が鉛のように重い。

はぁ、普通はね。人は使命がなかったら動けないものなの。ワンコだから、どうしても人として大切なことが――

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ミッション発生!

・ゴーレムを修理する。報酬:ゴーレムの核

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「ミリータちゃん。出番だよ」

「あ?」

「あ、じゃない。私はやるよ」

「お、おう」

これが使命だ。私達は何のために生まれてきたか。よく考える必要がある。

何のために生きてるかわからないなんて、私は思わない。使命とは自分で見つけ出すもの。

ゴーレムの内部を凝視して、私は頭をフル回転させる。

「この回路がこう繋がって、こうなるとあっちがこっちに繋がる。ここになんか足りない気がする」

「マテリ?」

「こっちはきっと配線が切れているから補強しなきゃいけない。そうすることで使命が果たせる気がする」

「マテリ?」

私の手が勝手に動いた。報酬への道筋がゴーレムの内部に描かれている。

この回路を辿った先に報酬がある。線と線を繋いで、傷んだ部分を直せば報酬へ近づく。

「おぉ、さすが主!」

「さすが師匠!」

「アレリア! 感心してねぇでオラにも指示をくれ! こんなもんで負けたらますますマテリが調子づく!」

「いや、主にはまだ何も指示してないのだが……」

こっちとこっちを繋いでこっちを切ってこの回路を修復するにはあれが必要だ。

あれはよくわからないけどアレだ。私は無言で走り出して城の倉庫から工具や魔石を始めとしたアイテムを持ってきた。

そうだ、これだ。魔石をはめて魔力回路で繋げば報酬へ至る。ほら、光った。

「見てください! 師匠は古代の知識にも精通しているんです!」

「いや、もう初めてこいつが人間じゃねえって思い始めたんだが……」

ゴーレム修理ゴーレムゴーレム修理ゴーレムゴーレムゴーレム報酬報酬報酬。

こっちはもう修理完了した気がするから次は腕の部分を直さないと。

アレリアちゃんの目線によれば、こっちがいかれている。この部分とあっちの部分がどうにかなってるからどうにかしよう。

はい、どうにかした。

「な、直っていってる気がするんだが……」

「バトルキングとやら、もしかしたら我が主は古代人の生まれ変わりかもしれん」

「そんなことがあるのか?」

「そうでなければ説明がつかぬ」

外野がうるさい、今日は寝ないからね。私は報酬を手にするんだゴーレムゴーレムゴゴゴーレム。

報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬報酬。