軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

プロローグ

この夜王宮にて、国王在位 50年の大夜会が華々しく開催された。

併せて 2組の男女の婚約もお披露目された。

王命によって結ばれた、この王国のニ大公爵家の次世代達の婚約であった。

貴族達はこぞってこの大夜会に出席し、国王の永きにわたる治世を讃え、国王の長寿と更なる王国の繁栄を願い、そして 2組の婚約を言祝いだ。

しかし内心では、誰もがこの結婚の無惨な行末を予想していた。

王家による婚約の内示から今日この日まで 3ヶ月。

その僅かな期間に『どちらの新婚家庭が先に破局を迎えるか』という、あんまりな賭けまで密かに始まっていた。

犬猿の仲などと言う言葉が生温い程、数世代にわたって憎み合い、足を引っ張り合っては罵り合った、この王国のニ大公爵家。

現在の当主達はたまたま同い年で生まれたが、幼い頃初めて出会ったお茶会で取っ組み合いの喧嘩を始めたという逸話まで残っている。

その仲の悪さは神が魂に刻み込んだと噂される程だった。

貴族学院時代は常にトップを競い、また一人の女性をめぐって火花を散らした。

相手に対する対抗心は半端ではない。

尤もその女性はサッサと他国に嫁いだが。

卒業後も両人は、結婚も当主就任も領地からの税収も、何かにつけて張り合った。

どちらもそれなりに優秀な人物ではあったため、領地経営もそれぞれそれなりに順調に進んだが、両家の仲は険悪を通り越して一触即発の域に達した。

当然子供達には、生まれた時から相手方を憎むような『英才教育』が施された。

仲良くなれる筈もない。

国王は、性格はともあれ、完璧な政治手腕と恐ろしい程のカリスマ性を持った人物で、両家のいがみ合いをむしろ積極的に王国の舵取りに利用して来た。

けれども自身の年齢を思った時、息子の王太子にその王冠を渡した後を考えたのだろう、ある日突然、議会どころか王太子に諮ることもなく王命を出した。

『両家の間で婚約を結べ。 夜会で披露目をすればよかろう。詳細は王太子に任せる』と。

大夜会から遡ること 3ヶ月。

秋の終わりの頃だった。

父王の無茶振りには耐性のある王太子であったが、流石にこの王命には頭を抱えた。

平均年齢が 50歳のこの世界で、齢 70を超え未だ矍鑠として辣腕を振るう父王は既に化け物の域に近いと王太子は思う。

自身も既に平均年齢を超えた今、自分は王太子のまま天寿を全うするのかなぁと遠い目をしかけたが、父王の逝去を望む訳もなく、それならそれでと即座に両家一同を呼び出した。