軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第7話 遭難

中学卒業と共に大学に飛び級するつもりだったのだが…。

妹に頼み込まれた上で仕方なく一緒の高校へと進学した。

妹は陸上の推薦で歩いて通える距離の高校に進学した。

ちなみに名門という訳ではなく恐らく、妹が入る事で全国レベルが1人いるっていう状態になる程度の高校である。

正直大学さえ良いとこにいけるのであれば、高校なんてどこでもよかったので俺も同じ高校に入学した。

私立の名門校にいっても大丈夫なように貯金していたのだが、県立校だったのでお金もそれほど掛からなかった。

そもそも子供がそんな心配するなと言って出させて貰えなかった。

大学に入るまでには2人分の大学費用を賄えるように溜めておきたい。

現状の資産額は、3000万。

大学進学までの3年間で倍にはしておきたい。

入学式の帰り道。

「高校もずっと同じクラスでよかったね」

「入る前に聞かれたからな」

そもそもが妹に対してかなり忖度されているからだと思われる。

恐らく学校としては全国で結果を残して欲しいという事だろう。

「しかしまた3年間通う事になるとは」

「良いでしょう、貴重な青春てやつでしょ?」

「どこで覚えたんだが、まぁそれを言われるとそうかもなぁ」

残念ながら前世の3年間は勉強尽くしで青春らしい青春を送ってこなかった。

それを経験出来るというなら良いと思うか…。

「彼女でも作るかぁ」

「はぁ?」

俺のつぶやきに対してアヤネが恫喝を入れてくる。

「なんでだよ、青春っていったら恋愛だろ」

母親譲りのルックスを持ってるので見た目は悪くないはずなのだが…中学3年間では全くモテなかった。

「青春=恋愛って考えが不潔、下品」

「言いすぎだろうが!」

俺は妹の頭に手を当てワシャワシャする。

「ちょっせっかくセットしたのに」

「この後は家に帰るだけだし、別にいいだろ」

とじゃれ合っていると…突然アヤネの足元が光り輝く。

「なんだ!?」

「これは!?…魔法陣!」

突然の出来事に2人でパニックになっていると…。

アヤネの足元の光がパリーンという音と主に弾けた。

そしてその光の粒子は、俺の元に集まり…。

アヤネに手を伸ばしたのだがその手は空を切った。

激しい光が収まり視界が見えるようになった、そこは今までに見たことがない場所だった。

「なんだここは!?」

辺りを見渡しても完全な森の中。

しかも最悪な事に…。

「うっそだろ…おい」

先ほどまで身につけていた服もスマホもカバンもすべてが消えて素っ裸の状態だった。

その場で、局部を慌てて隠すが…。

まさかこんな辱めを受ける事になるとは…そしてそれよりもこんな森のなかでこれはさすがにまずい。

冷静に状況を見極めた結果、まずは水源に向かう事にした。

先ほどから耳に川の流れる音が聞こえていたからだ。

野生動物に出くわす確率は高くなるが、人に会える可能性も上がると考えた。

それにこんな森のなかでは辺りも見渡せないのでそちらに進むしかないという状況だった。

「下手に虫やヘビなんかに噛まれても終わる…」

比較的通りやすい道を選び音のするほうへ進む、木々に擦れて肌に擦り傷が出来る。

本来こんな傷は気にしなくてもいいのだがここがどこかもわからず、手持ちの治療手段もない状況で傷を作るのは破傷風などの危険もあるので…早急になんとかしなければいけない。

「一体何がどうなったっていうんだ…」

と文句を言いながらも歩を進めてようやく川にたどり着いた。

山を削り取る形で出来た川のようで見た目は綺麗な水が流れていた。

「見た目はきれいでもさすがに怖いな…」

どんな生物がいるかもわからない状況で川の水で傷などを洗い流すのは危険と考えながら周囲を見渡すと…。

「えっ!?」

裸の女性が水浴びをしていた。

俺が通ってきた時の草の音で気付いたのかこちらを見ており、完全に目があってしまった。

明らかに俺の姿を見て固まっていた。

ここで逃げられた場合、完全に詰む…変態のレッテルをはられて逮捕…。

ここは今節丁寧に謝罪して許して貰うしかない…。

そう思って一歩を踏み出したのだが、それに反応して相手が逃げるように後ずさる。

まずいと思い、もう一歩踏み出した所で土手が崩れそのまま川に落ちてしまった。

衛生面はあの女性が入っているので大丈夫だろう…じゃなく変な態勢で落ちたせいで踏ん張りが効かず立つことが出来ない。

しかもどうやら深い場所だったようで、なんとかふんばろうとしたのだが苔などで滑ってしまい余計に慌ててしまう。

落ち着けと思っていても身体はドンドン流され沈んでいく…焦りと不安でどうしようもなくなっていると…。

俺の手を何かが掴んだ。

川から引っ張り上げられるとそこには先程の女性が立っていた。

助けられたという安堵ともがいた末の疲労のせいかそのまま意識を失ったしまった。

転生神サマside

もう高校生か…早いもんだ。

それにしてもこの男わかっているのだろうか…。

自身に寄ってくる女性は、全員妹がブロックしていたことを…。

この様子では気付いていなさそうだ。

ブラコンの域を超えている気もするが…。

まぁ2人の様子を見ている分には非常に面白いのでヨシという事にしよう。

「むっ!?なんだこれは」

世界に干渉する魔法が彼女に向けて発動された。

しかし、彼女には勇者時代に取得した魔術耐性があるので魔法陣が機能しなかったようだ。

これで安心と思ったが、まさか近くにいた彼が巻き込まれてしまった。

どこの世界からの魔法なのかを解析し早急に探さなくては…。